渓流森奥・・

くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ・・


トンコ「にゃあ、しょういうわけで今は人手不足で大変ニャんだ!だからお前も一緒にみんなの下に行こうニャ

くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ・・
トンコ「にゃあ!聞いてるニャ!?」

テツ「・・・・・・・・・・・・」くっちゃくっちゃ・・
トンコ「UBUにゃんが行方不明で不安なのは分かるニャ。だからって自暴自棄になったって仕方ニャいだろう?」
テツ「・・・・・・・・・・」くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ
トンコ「ダメニャ・・すっかりストレスによる過食症でおかしくなってるニャ

テツ「・・・・・・・・・・・・」スッ(何やら手を伸ばす)
トンコ「みゅう?」
テツ「・・・・・・・・・」むんず(足元のゲバゲバしたキノコを掴み取る)
ガブッ

くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ・・・
トンコ「・・・・・・・・

テツ「げふぅ~~~~」ぷぅ~~~

トンコ「・・・・・・・


テツ「・・・・・・・」くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ
トンコ「バカコンガララ!!もういいニャ!!」ダッ

テツ「・・・・・・・」くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ
トンコ「テツー!!」(遠くから話しかける)
テツ「・・・・・・・」くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ
トンコ「今のお前をUBUにゃんが見たらどう思うかニャ!?UBUにゃんだってそんなに弱っちぃ桃毛獣を薔薇十字にスカウトした覚えはないっていうはずニャ!!」
テツ「・・・・・・・」くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ
トンコ「この・・・・・!!」ぷるぷる
テツ「・・・・アオキノコ・・」ぴた(食べるのをやめ、尻尾に付いているキノコを眺める)
トンコ「??」
テツ「色がムーアちゃんの髪の色と同じだ・・・」
トンコ「・・・・・・・・。もぉ勝手にするニャー!!」
ぴょーんぴょーんぴょーんぴょーん

(猫ダッシュで去っていくトンコ)
テツ「・・・・・・・・・・」
ぎゅっ(アオキノコを握りしめる)
テツ「・・・・ムーアちゃん・・・」ちら(上を見上げると、木漏れ日がテツの弱々しい顔面を照らす)
ギュウウウウウウウウウウン!!
(一瞬だが赤い閃光のような飛空物体が太陽光を遮る)
テツ「・・・・・・・・・・・」
ひゅうううううう・・・・ササササササ・・・・・・
(飛空物体による風圧が森の木に絶妙な葉擦れ音を起こさせる)
テツ「・・・・・・・・帰って来た・・・・」
ブン

テツ「トンコちゃ~~ん!!帰って来たよ~~~~!!ムーアちゃんが帰って来たよぉおおおおおおお!!!!」
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~ユクモ正面入口階段


UBU「・・・・・・・・・」ザッザッザッザッザッザ(他には目もくれず一直線に村への階段を登っていく女ハンター。その両脇で並走するBBB、ミッチの姿も)

ミッチ「UBU殿!まずわ無事のご帰還、安心したっす!早速ですが村で起きた近況報告を!!」ザッザッザッザッ

BBB「村で起きたことは帰路の途中で報告済だ。それよりこっちは疲れてんだ。まずは一休みするのが先だろうよ?」
UBU「構わない!移動中十分に睡眠はとった!このまま村長宅に向かう!報告はその道中に!」ザッザッザッザッ
ミッチ「ハッ!」ガシッ(御意の姿勢のまま並走する)
BBB「キングメーカーの帰還ってのは実に忙しないもんだな。一緒にいるこっちの方が胃が痛くなる・・・ん?」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(最上段で腕組みをしながら立つベテランハンター)

サムソン「・・・・・・・・・・」(鋭い眼光でUBUを見下ろしている)
BBB「こりゃ大変だ。いっそ公民館に村人全員集めて、ハプニングから生還するまでのヒストリーを演説してみるか?あそこで見てきたことを暴露本にでもすれば、印税生活も夢じゃないかもな」
UBU「う~ん」
~水没林ニャー神殿

カツカツカツカツカツカツカツカツ

(足早に豪壮な神殿内を駆けて行く二人の獣人種。片方の猫は実に大柄な赤虎猫で、その身に纏っている清廉潔白な着物から、身分の高い猫であると判別出来る。また大通路内の所々には修繕や装飾を施す技師猫達が作業をしている)

ニャン=ジュスト「もっとペースを上げるよう棟梁に伝えろ。このままでは式に間に合わん。それとも労働党出身の貴殿が自ら現場の指揮を執るつもりか?ミハイル・オステルマン宰相補佐官」カツカツカツカツ(通路の両脇で作業をしている猫達には目もくれず喋る)
オステルマン「滅相もございません。必ずや結婚披露宴当日までに作業を終わらせるよう労働力を上げてみせましょう」(ニャン=ジュストの倍はあろうかというその巨漢の赤虎猫の顔は、左目が潰れた隻眼で、風体共に強烈な威圧感と存在感を放っている)
ニャン=ジュスト「期日までに仕事を終えれば報奨金を出すと伝えろ。個人の明確な目的を与えてやることもまた、全体の底上げに繋がる」カツカツカツカツ
オステルマン「貴重なご意見。参考にさせていただきます」ペコリ(慎ましく頭を下げながら進む謙虚な姿勢からも彼の骨太さが見て取れる)
ニャン=ジュスト「資金は心配するな。その程度の支出が財務長官の頭を痛めることもなかろう。それに貴殿は私に一番近い職務と決定権を持っているのだ。権威に酔えとは言わん。自分が成し遂げる決断力と実行力に自信を持つことだ。貴殿は国の自尊自重と忠誠の手本になってもらわねばならないのだからな」
オステルマン「東の辺境育ちの私を、ここまで導いて下さった恩に報いる為にも更なる尽力を誓います。政務にも早く慣れ、宰相の補佐官として恥じぬよう・・」
ニャン=ジュスト「過剰な誠意は貴殿を慇懃無礼と申し立てるぞ?私が惚れ込んだミハイル・オステルマンという東諸国で最も活躍した猫派の革命家は、その大望を国民の意志に委ねる器量と犠牲心を持っている。そう思ったからこそ、当時私が属していたジャック隊の部下に命じて、投獄中の君を救ったのだ。つまり君には生きて証明しなければならない思念がまだ無限にあるということだ。それは君の心の開放と同時に、フェイリンメイリン共和国の血肉になる。子供達は文武両道の君を目指し、大人たちは君に近づけるよう育成と教育を施す。君が猛豚様の次に国を代表する歴史的猫になるのだ」
オステルマン「ニャン=ジュスト様を差し置いてどうして私が国民の模範像となりましょう。国の礎を築いてこられたのは他でもない宰相です。私は如何なる非難を浴びようとも、あなたに付き従うつもりです。その主従を誓うあなたが私に道化を演じろと仰るのであれば、私もまた、そう成るために努力を尽くしましょう」
ニャン=ジュスト「風格品格は養うことで身に纏う事ができるが、生まれながらの容姿とその気質だけは覆い隠すことが出来ん。万民がその風体を一目見ただけで歴戦の将であると認知出来る、貴殿の絶対的な威圧感が国を引き締めるのだ。私はその威厳の影に隠れながら全体を監視出来ればいいのだからな」
オステルマン「血塗られた仮面を脱ぐおつもりは・・・生涯ないと?」
ニャン=ジュスト「人型の保守派が訴える、我が国に対する極左猫支配主義、人型排斥主義に嘘はない。人型こそが大陸社会における諸悪の根源であり、大地に根深く寄生した宿痾そのものなのだ。まるで地上権を得たかのように、我が物顔で大陸自然を物質世界へと汚染していく害虫駆除を我々が施行する。それと同時に無能な龍族と牙獣種も掃滅し、大陸に新たな秩序と規律をもたらす必要がある」
オステルマン「我々の使命であります」
ニャン=ジュスト「天職だよ」
ニャーーー!!ニャーーーー!!
(神殿のバルコニーに到着した二人が見下ろす地上では、巨大なギロチン台を取り囲む無数の猫達が狂気に近い歓声をあげている)
ニャン=ジュスト「ようやく捕えたか」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(麻袋を顔に被せられ身柄を拘束された人間の男性が、不気味な黒いフードを被った死刑執行猫(エクスキューショナーメラルー)に引きずられながらギロチン台に上がらされる)
オステルマン「反獣人思想の代弁者、ジェローム・ポー。大陸諸国に我らへの批判的な文書を拡散させ、その背後では人型至上主義団体から資金援助を受けていた、まさしく拝金主義の寄生虫です。パブリックエクスキューションの断罪によって、以後の風評的予防となりましょう」
ニャーーー!!ニャーーーー!!
(猫達の手により麻袋を被った人型がギロチン台に「セット」されると同時に猫達の熱狂も増す)
死刑執行猫「最後に喋る権利を与えてやろう」(頭にすっぽり被った黒いフードの両穴から不気味な眼光が見える)
バサッ

ポー「畏れを知らぬ邪知暴虐な猫共め!!これが大陸の粛清だとぬかすか!?否!!貴様らのやっていることはただの独裁であり、政治など論外!!理知を持たぬ残忍性のみで生命をいくつ削れば気が済むのだ!!すぐに真の粛清を受けることになろう!!」
ニャン=ジュスト「同じ批判にしても、同族の猫人物評論家、荒木藤豪の方がより文言と洒脱に優れているな。インテリジェンスでも我らの方が上ということだ。奴は潜伏していたと聞いていたが」
オステルマン「モガの森で隠伏していると孤島のマフィアから情報を受け、捕縛に成功しました」
ニャン=ジュスト「人型の女族、アクアパラダイスモーテルか・・・我らの急進的な勢力拡大に脅威を感じ、今のうちに媚を売っておこうというのか・・いいだろう。望むのであれば一時的な同盟も考慮しよう・・だが」ちら
死刑執行猫「粛清と言ったな?」
ポー「はぁ・・はぁ・・・・」
死刑執行猫「それはあれのことか?」ちら
ポー「・・・・・・・・・!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ポーの目に飛び込んできたのは台の上に並べられた人型成人女性と童女の頭部であった)
ニャン=ジュスト「一度我らを侮ろうものなら、そこに待っているのはパウパッドエクスキューション(肉球の断罪)のみ」
死刑執行猫「家族を犠牲にしたのは、貴様の惰弱な思想と哲学が原因だ」
ポー「悪魔めぇえええええええ!!!!神よ!!この冒涜者達を我に代わり滅ぼし給えええええええ!!!!」
死刑執行猫「愚かな。大陸に神などおらん。むしろ、その大陸の祖となる者を排除し、大陸の主権を得ようとしているのは、お前ら人型が古代より常套手段としてきたこと。血で歴史を染めてきた主犯は貴様ら人型なのだ!!」ギュッ(ギロチン台のレバーを握る)
ポー「ううう・・・・うう・・・!!」(ギロチン台に拘束されたまま俯き、涙を地面にこぼす)
死刑執行猫「実に脆い。脆弱性の遺伝子。それが貴様らを構成しているのだ。散々差別やホロコーストに無関心面をしていたくせに、いざ自分が被害者となれば決まって貴様ら人型というのは常識や道徳を口にする。くだらん。祈祷とは常に己の中にある戒律だ。その神聖な志に対し、日々傍観し続けた貴様の怠惰と傲慢が家族を殺したのだ!!」ガショーーン

ポー「F××K」ペッ
ザショーーーーーーーーーーン

ワァ~~~!!ニャ~~~!!
(刃が落とされると同時に観衆の熱狂はクライマックスを向かえる)
ゴロゴロゴロ・・・(死刑執行猫の足元に転がってくるポーの首)
死刑執行猫「そして貴様は最後の言葉に冒涜を選んだ。つまり貴様は死して当たり前のクズだということだ」
ズシャッ

ワ~~~~~!!ニャ~~~~~!!
(公開処刑は大喝采で幕を閉じる)
ニャン=ジュスト「この国は大陸の傀儡に過ぎん。大地の恨み募った怒りの集合体がフェイリンメイリン共和国そのものなのだからな」
オステルマン「共和国は名ばかりだと非難する同族の処置は如何様にしましょう?」
ニャン=ジュスト「レトリックだけに長けた実質を伴わない文才と口達者の者は同族であろうと殺せ。生き残りたくば本性を露わにし、本質を示せとな。投獄中にそれを見極めさせろ。そもそも連中のほざく民主国家と共和国の概念が間違っている。説明しろ。オステルマン」ザッザッザッザッザッ(足早にバルコニーから神殿内に入っていく)
オステルマン「我がフェイリンメイリン共和国は、いわば大陸全土の自治共和国。つまり世界が認めざる得ない高度な自治権を獲得した唯一無二の猫族による大陸内国家です」
ニャン=ジュスト「そうだ。そしてこの思想はひとつに治まらず、やがて大陸全土の各地に我が国同様の猫族主権国家を誕生させる・・・それを統合し、フェイリンメイリン共和国は連邦国家へと成長を遂げるのだ。人型排斥。まずは人型の尊厳と己の価値観を奪取し、自分たちが小型種、甲虫以下の存在だと思い知らせる必要がある」
オステルマン「我ら猫族上位世界による、究極の階級社会実現・・」グッ(拳を強く握る)
ニャン=ジュスト「ギルドの独断により、狩猟フィールドなどと規定付けられた各地から人型を排除し、我らが真の開放へと導くのだ。まずは水没林に居座る人型先住民の消去を完了させ、我が猫族統治地区の聖地とするのだ。クルセイダーズはまだ南方に?」ザッザッザッザッザッ
オステルマン「ハッ。カレン=アレンの猫騎馬隊が対峙していますが、未だ突破口を見つけらない様子です」
ニャン=ジュスト「先の解放戦争による混沌をいち早く見抜き、カレン隊の動きを拘束すると同時に先住民の集落を守る為、軍を動かしたユクモクルセイダーズ・・・実に鬱陶しい頭上のブナハブラ同様だな。敵陣の総大将は誰だ?」
オステルマン「マクシミリア・ロドリゲスです」
ニャン=ジュスト「ロベスニャエール宰相の残影か・・手強いな。軍備はどのように」ザッザッザッザッザッ
オステルマン「ハッ。改良型ネコ式技術により、多くの火力兵器が生産されております。間もなく戦地へ輸送される手はずです」
ニャン=ジュスト「確かロイ・ファウラーという技師だったな」
オステルマン「ハッ。新大陸北西出身の移民です。配偶者と共に入国したと言っていました。確かコニー・ファウラー・・・現在、御妃様の世話役をやっています」
ニャン=ジュスト「ほぉ・・・夫婦揃って国に尽くす才覚を持っていると・・報奨を与え、より明確な忠誠と目標を持たせろ。使える者はすべて引き出せ。急進とはマキャベリズムだ。我らのコロニー(共同生活所)を水没林だけに留まらせるな。古のとある文化では、猫も生まれた場所に住む権利があるとみなし、三人以上の猫が棲まうコロニーには人型は手を触れなかったという。その謙虚さを今一度思い起こさせてやるのだ」
オステルマン「ハッ!!」
ダッダッダッダッダッダ・・・・・
(大通路奥より掛けてくる一人のメラルー)
オステルマン「伝令か。どうした」
伝令「ハッ!水没林南で交戦状態のカレン隊の背後に、帝国軍が到着した模様!!」
オステルマン「なにぃいいいいい!!」
ニャン=ジュスト「敵将は?」
伝令「神殿の騎士団二番隊及び三番隊、総大将は人型スリバード・アーモンドラッシュです!!」
オステルマン「アーモンドラッシュ・・・先の革命での失態をここで取り返そうと言うのか・・宰相!」
ニャン=ジュスト「案ずるな。内憂外患の事態にあらず」バッ(手を大きく広げる)
オステルマン「私めに援軍を率いさせてください。必ずやアーモンドラッシュの首を持ち帰りましょう」
ニャン=ジュスト「首だけでは足らん」
オステルマン「??」
ニャン=ジュスト「奴の胸と腹を裂き、五臓六腑すべてを引き出しラインハルトに送りつけてやれ!!」
オステルマン「ハァッ!!!!」ガシッ

To Be Continued



次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!!
3/13(の金曜日) 「クラーラ・ファン・クーン」の巻
をお送りいたします♪ついに神殿の騎士団VS猛豚軍の激アツバトルが勃発!!そして騎士団の新たな面々も登場!次回も見逃すな

