バシャバシャバシャバシャ!!
(俯瞰図。広大な水溜りの大地を埋め尽くす様に横たわる、無数の垂皮竜の群れを交わしながら突き進む猫騎馬隊の進軍)
猫兵「鬱陶しい連中だ!!」ヒヒ~ン(寝そべる垂皮竜の前で両前足を上げて立ち止まる馬)
バスター「・・・・・・・・」ヒヒ~ン(同じく寝転がる垂皮竜の群れを前にして歯止めを余儀なくされる)
アダン「・・・・・・・・・」きょろきょろ(バスターの後ろに騎乗しながら辺りを確認する)
猫兵「これじゃ敵に逃げられてしまいますニャ!!どけ!!この!!」ブンブン(辺りで横たわる垂皮竜を追い払うかのように馬上からレイピアを振りかざす猫兵)
バスター「・・・・・・・・・・・・・」
アダン「将軍」ずい(密着するように肩越しから話しかける)
バスター「むう?」
アダン「私目に考えがあります」
バスター「申せ」
アダン「聞けばクルセイダーズの猫将兵らは情に脆いと・・・ここはこの垂皮竜達を焼き払い、連中の方からこちらへ来るようおびき寄せては?」
バスター「・・・・・・・・」
アダン「確か我が部隊には神殿本部より送られてきた、ロイ・ファウラーという優れた猫技師による、新型の火炎放射器が配布されているはず。その実践検証も行えば、オステルマン将軍はおろか、さぞニャン=ジュスト公もお喜びになるかと・・」
バスター「・・・・・・・・」
アダン「・・・・・・・・」
バスター「輸送隊!!」(後方に向かって叫ぶ)
アダン「ほっ・・」(意見が採用され安堵する)
猫兵「ニャ!!」ピシッ(馬に荷車を牽引させた猫騎馬隊が返事をする)
バスター「新型のネコ式火竜車を下ろせ!!辺り一面を焼け野原にし、グリーンウォールをファイヤーウォールへと変貌させろ!!」
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
パシャーンパシャーン(水溜りを四足走行で駆け抜けていく二人の猫)
純平「さっきの雨は通り雨の様だったな!おかげで煙幕は消えたが、敵はその隙に猫騎馬を進軍させる魂胆だっていうんだろ!?伯爵!!」パシャーンパシャーン
マクシミリア「おそらくは!だとすれば催涙ガスを吸引し、身動きできない垂皮竜達を横目に突き進んでくるはず!!」バッ(大きく飛ぶ)
パシャーーーーーーン
(水没林特有の倒木を飛び越す二人)
純平「ならグランカッサ達は平気なんじゃないのか!?」バシャーーーン(大きく水しぶきを上げながら着地する)
マクシミリア「敵軍の数も把握しておきたい!!」バシャーーーン
純平「見つかったら垂皮竜達の治療は叶わないぜ!?」ヒョッ(カエルを避けて進む)
マクシミリア「その時は私が囮になる!!鈴木殿はその隙にグランカッサ殿の下へ!!」パシャーンパシャーン
純平「さっきも言ったろ!?俺の役目はUBUの悲哀を打ち消すことだ!!出来る限りのサポートはする!!だが、見殺しにはしない!!」
マクシミリア「・・・・・・・・」フッ(帽子で顔は見えないが口元はほころんでいる)
純平「急ごう!!まずはグランカッサを探そう!!」パシャーンパシャーン
マクシミリア「うむ」パシャーンパシャーン
ギュムッ(何かが水溜りの中で伯爵の足をとらえる)
マクシミリア「・・・・・・・・・・」ちゃぷん(立ち止まり手を水溜りの中に入れ確認する)
純平「ああ。きっと水草だろう。藻が足に絡まったのかもしれない」
マクシミリア「なるほど・・」ちゃぷん
純平「おっと。無理に引っ張るな。収縮して足首をもっていかれるぞ。どれ・・・」ちゃぷん(手を突っ込みみてやる)
マクシミリア「鈴木殿は誠にフィールドの知識に詳しいな。私も見習わなければ」
純平「なに。こういうことを知らないと困る境遇にあっただけさ」ちゃぷんちゃぷん(絡まった藻を解いてやっている)
マクシミリア「貴殿はどこか私達とは違うインプレッションを受ける。きっとそこに皆、惹かれるのだろうな」
純平「その言葉、陽子にも聞かせてやりたいもんだが・・なぁ伯爵」ちゃぷんちゃぷん
マクシミリア「ん?」
純平「みんなもたまには伯爵と、ゆっくり話をしたいって言ってるんだ。無事に帰ることが出来たら、アマンダで乾杯なんてどうだ?」ちゃぷんちゃぷん
マクシミリア「ああ。是非同行しよう」
純平「きっとじゃダメだ。約束だ」ちゃぷんちゃぷん
マクシミリア「・・・・心得た」フッ・・
純平「よし。取れたぞ」ぺにょ~ん(おっきい藻を見せる)
マクシミリア「かたじけない」ちょんちょん(絡まってた方の足を水面上に出して動くかどうか確認してる)
純平「さ、急ごうぜ。こうしてる間に・・・・・ん!?」
モクモクモクモク・・・・・・・・・
(目の前のエリアから煙が立ち上っているのが確認出来る)
純平「なんだ!?また催涙ガスか!?」
マクシミリア「いや・・・あの煙の上り方は・・・・」
ゴオオオオオオオオ・・・・
(エリア一面に広がる大炎熱地獄)
純平「!!」
アオオオオオオオオ・・・・・・・!!
(焦熱の中、阿鼻叫喚をあげる垂皮竜の群れ)
純平「なんてことを・・・・」ゴオオオオオ・・・(呆然とその光景を眺めている)
マクシミリア「これが・・猛豚軍のやり方だ・・!」ゴオオオオオ・・・・・
アオオオオオオオオオオ!!
マクシミリア「・・・るさん・・」
ゴオオオオオオオオオオ!!
マクシミリア「邪智暴虐を奮う歪曲倒錯した暴徒共め!!許さんぞ!!」バッ
純平「待て!罠かもしれないぞ!!」
ゴオオオオオオオオオオオ!!
(火の海に自ら飛び込んでいく伯爵)
純平「だからクルセイダーズってのは!!」ダッ
ゴオオオオオオオオオオオ!!
(続いて火の海に飛び込んでいく純平)
アオオオオオ・オ・オ・オ・オ・・・・!!
(垂皮竜達の背中はメラメラと燃焼音をあげる炎で覆われている)
マクシミリア「背中を水に浸けるんだ!!慌てず鎮火しろ!!」グイッ(一頭の垂皮竜を小さな体で傾ける)
バシャーーーーン
(そのまま突き飛ばし水に浸す)
マクシミリア「慌てるな!!貴殿らの重厚な皮膚をもってすればこれしきの火傷、すぐによくなるぞ!!」グイッ(次の一頭に手をやる)
垂皮竜「アオオオオオオ・・・・!!」
マクシミリア「すまぬ。私が皆を頼りに防壁としてしまった為に・・」
ヒュウウウウ・・・・・・ン
マクシミリア「!?」
純平「下がれ!伯爵!!」ドン(タックルでマクシミリアを突き飛ばす)
ドガアアアアアアアアアアン
(木っ端微塵になる垂皮竜)
マクシミリア「・・・・・・・・・」ボチャ・・ボチャ・・(肉片が目の前に飛散してくる)
純平「グレネード弾だ!!敵には俺達が見えているぞ!!」バッ(呆然としゃがみ込む伯爵を立たせる)
マクシミリア「鈴木殿、後を頼む。一頭でも多くの垂皮竜を救って欲しい」クイッ(帽子を直す)
純平「無理だ!!それに一人で立ち向かおうってのか!?いつも冷静な策略家としてのあなたはどこにいった!?」グン(胸ぐらを掴む)
マクシミリア「今の砲弾が示す様に敵の狙いはこの私だ!!つまり連中は私の良心にかこつけて垂皮竜を焼き払ったのだぞ!?」
純平「犠牲は元より覚悟のはずだ!!革命の時、あなただって旧集落を焼き払い、サムソンを追い詰めたこともあったろう!!」
マクシミリア「無人のだ!!非道と遂行は紙一重!!連中のやっていることはただの殺戮だ!!ロベスニャエール宰相の描いた、猫族の未来のあり方を履き違えた暴漢に、これ以上好きにやらせてたまるものか!!」
純平「・・・・・・(やはりこの人をここまで激情に駆らせるのは、革命の残滓に対する憤りなのか・・)」
ヒュウウウウ・・・・・・・ン
純平「飛翔音・・・やはりロックオンされてるぞ!!」バッ(一旦空を見上げた後、伯爵の方に振り向く))
・・・・・・・・・・・・・・・・
(隣にいたはずの伯爵の姿がそこにない)
純平「あんたが死んじまったら誰が宰相の意志を継ぐってんだ!!そんなわけないだろ!!」バッ(ダイブする)
ドガアアアアアアアアアアアン!!
パシャーンパシャーン!!
(垂皮竜達を覆い尽くす炎の海の中、颯爽と四足走行で駆けていく伯爵)
伯爵「グランカッサ殿ぉおおおお!!私だ!!マクシミリアだぁあああああ!!」ドーーーーン(疾走しながらも、今にも焼け死にそうな一頭の垂皮竜をタックルで水溜りに押し倒してやる)
ズキューーーーーーーーーーーン
(弾丸が伯爵の頬をかすめる)
マクシミリア「!!」バッ
ゴオオオオオオ・・・・・・!!
(火の海から顔を出してきたのは鋭利な鎧を纏い馬に跨った屈強なゴールド猫。片手にはまるで死神の様な鎌威太刀を握っている)
バスター「見つけてぞ。マクシミリア・ロドリゲス」ゴオオオオ・・・・・
マクシミリア「・・・・グレン・バスター。貴殿の様な精励恪勤な将が、なぜ暴徒に加わる」ゴオオオ・・・・
バスター「革命時、配置されたまで」ギュッ(柄を持つ手に力が入る)
マクシミリア「・・・・・そうか。貴殿をジャック・ルー隊に配属させたのは他でもないこの私だったか・・・任務に忠実な貴殿を革命の時より苦しめていたとは・・・・」
バスター「過信するなマクシミリア・ロドリゲス。俺は戦しか仕事を知らぬ者。その気性を知り尽くしたオステルマン将軍に命を預けたまで。貴様に憐れみを受ける覚えは微塵もない」スチャ(鎌の先を伯爵に向ける)
マクシミリア「オステルマン・・・修羅尊威の異名を持つ猛将にして高いカリスマを誇る革命家・・・ならば納得出来よう。だが、私が自責の念に駆られてやまないのは、貴殿にこの様なジェノサイドをやらせてしまう結果に至ってしまった要因についてだ」
バスター「どんなに崇高なイデオロギーや信念、宗教的理由があろうとも殺しは殺しだ。さっきまで生きていたものが動かなくなる。それだけのこと。少々驚きだったのは、貴様がこの防壁としていた垂皮竜達を気にかけ、危険を顧みずここに現れたということだ」
マクシミリア「皆、同じことを言う」フッ
バスター「貴様を捕縛する。その頭脳をフェイリンメイリン国に捧げろ」
マクシミリア「私の主は今も昔も、そしてこれからもロベスニャエール宰相、ただ一人。その忠と信を、甘んじて許して下さっているもう一人の英雄に身命を捧げたのだ。だから断ろう」スッ(帽子を直す)
バスター「心はロベスニャエールに・・肉体はユクモの大うつけに委ねたと申すか。ならばその両方を断絶し、二度と繋がることのないよう滅び尽くしてやる」ギュッ
マクシミリア「・・・・・・(鈴木殿。私が時間を稼ぐ。その間に少しでも多くの垂皮竜達を・・還してやって欲しい)」シュッ(腰からハンターナイフを出し構える)
バスター「そんな小道具で鎌威太刀に立ち向かおうと?貴様もずいぶん腑抜けになったものだな」
マクシミリア「そうかな」
バスター「なに?」
マクシミリア「直情径行の相手を受け流すには十分だと思うが?」フッ
バスター「シャアアアアアアアアア!!!!」(毛を逆立て鎌を振りかぶる)
マクシミリア「・・・・・(さて・・どこまでこの猛烈な武勇をいなすことが出来るか・・私の頼りない武芸次第というわけだ)」スッ(落ち着いて構える)
バスター「シャホオオオオオオオオオ!!!!」ビューーーーン(馬上で突撃しながら大きく鎌を振り下ろしてくる)
マクシミリア「これしき!!」ひょん(身をかがめそれを交わす)
バスター「チィッ・・・!!」ダカラッダカラッ!!(そのまま直進する)
マクシミリア「・・・・・(これの繰り返しならば、かなり時間は稼げるが・・果たして・・)」ちら(辺りを確認する)
シュウウウウウウ・・・・・・・・
(気のせいかあたり一面に広がっていた火の海は規模が縮小して見え、硝煙を上げている箇所も見える)
マクシミリア「なに・・・(我々が互いに気を取られているうちに・・何があった・・?)」
バスター「ぬおおおおおおおおお!!」ドドドッドドドッ
マクシミリア「愚直なまでの猛進だ。その武勇に敬意を払おう。だが・・」
バスター「シャアアアアアアアアア!!」ブーーーーーーーン
マクシミリア「私とてここで死ぬわけにはいかん!!」ゴロン(鎌を回転で交わす)
バスター「グオオオオオオオオオオ!!」(仕留められなかった悔しさから憤る)
タシッ(そのまま走り去る馬の尻尾を掴む伯爵)
マクシミリア「灯台下暗しとはこのことだ」ドドドッドドドッ(尻尾を掴みながら宙に揺られる)
バスター「おのれぇええええええ!!」グン(鎌を逆手に持ち、刃を馬の首に当てる)
ブシュウウウウウウウウ
(そのまま自分が跨る馬の首を切り落とす)
マクシミリア「なんと・・!?」
ズシャアアアアアアアアアアア!!
(前倒れになる馬上から、すかさず鎌を振りかぶり馬の尻尾を掴む伯爵に襲いかかる金猫)
バスター「ガアアアアアアアアア!!」ブーーーン
マクシミリア「クッ!!」ダン(尻尾を離し咄嗟に馬のお尻を蹴り後方に飛ぶ)
ション
(寸でで空を切る鎌とすれ違う伯爵の可愛い尻尾)
バスター「ぬおおおおおおおおおおお!!」ダンッ(重量を感じさせる着地)
マクシミリア「あやうく尾を失うところだった」ひらり(一方華麗に回転をしながら着地する)
ブシャアアアアアア・・・・・・・・
(緊迫した一騎打ちの中、遠方より激しい放水の音が聴こえる)
マクシミリア「・・・・・(やはりだ・・・何者かがこの炎熱を鎮火してくれている・・一体何者だ・・?)」
バスター「ミャホオオオオオオオオオオオ!!」バシャバシャバシャバシャ(鎌を振りかざし襲いかかってくる)
マクシミリア「今はそれどころではないか」ザッ(再びハンターナイフを構える)
バスター「フン!!」ビュン(鎌を投げてきた)
マクシミリア「!!」
ショルルルルルルルル!!
(突然の攻撃に身を屈めてそれを交わす伯爵)
マクシミリア「・・・・・・・・・!!」(間一髪と思いきや)
バスター「ミャオオオオオオオオオオ!!!!」(爪をむき出し飛びかかってきていた)
マクシミリア「しまった・・!!」
バシャーーーーーーーーーーン!!
(伯爵の上に覆いかぶさる様にタックルを仕掛けたバスター。そのまま水溜りの大地に突っ込む二人の猫)
マクシミリア「がはっ・・・・!!」バシャアアアアアア(水しぶきが舞う中、後頭部を強打する)
バスター「とらえたぁああああああ!!」グン(伯爵の上にマウントし、爪を剥きだした左腕を大きく掲げる)
ブシュウウウウウウウウウ
(伯爵の腹部に鋭い爪が掌ごと突き刺さる)
マクシミリア「ぐわぁああああああ!!」
バスター「まだだぁああああああ!!」ヒョルルルルルル・・・タシッ(左手を伯爵の腹部に突き刺したまま、頭上に回転しながら戻ってきた大鎌を右腕でキャッチする)
マクシミリア「クッ・・・!!」(抵抗するも身動き一つ出来ない)
バスター「死ねぇええええええい!!マクシミリアァアアアアア!!!!」ブーーーーーン(鎌を振り上げる)
マクシミリア「すまない・・鈴木殿・・・・親睦会には出席できそうに・・・・・」
ズオオオオオオオオン!!
バスター「!?」
ズゴーーーーーーーーーーーーン!!
(伯爵の上にマウントしていたバスターが突然、側方に吹っ飛ぶ)
マクシミリア「はぁ・・・はぁ・・・・・」(薄れゆく意識下の中、フル回転で脳を働かせ周囲を考察する)
??「遅れてすまない」バシャ・・バシャ・・・
マクシミリア「・・・・・・・・・」(顔を少し傾け、水に浸らせながら上を見上げる)
マクシミリア「フフ・・・・ずいぶん遅い到着だが、タイミングは相変わらず絶妙だな。武神殿」
To Be Continuedランキング参加中なんだ!みんなの激アツ一票で俺たちを応援して欲しい!!
次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事は・・
5/2(土)0時更新 全然なんにもばか
をお送り致します♪時勢はGW真っ只中!!休み心にときめき燃える好奇心と忘れかけてた怠惰と安堵GWなんて関係なしに厳しい人手不足の中、汗水流して働くサービス業の方々に感謝しつつ、連休を満喫
ぼっと!ぼっとおくれよエンジョイGW
だから次回も見よう
へんてこりんな顔しながら
うっそでしょ
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「タイミングは相変わらず絶妙だな」の巻
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