~ニャー神殿、花嫁部屋....
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(広い部屋の中には豪華な化粧台と、一際威風を放つ、紫色の豪華なベールが特徴的な夜スタンドがそびえ立つキングベッドだけが置かれている。巨大なサイズ感のベッドカバーは純白で、その端っこに小さな紫毛の猫がちょこんと座っている。その前では何やらせかせかと身支度をする二人のメイド猫の姿も・・)
フラワー「・・・・・・・・・」ぼー(目は虚ろで遠くを見つめている)
コニー「王妃様、これでグルーミングはおしまいですにゅ」にこ(ふさふさなブラシを片手に持っている)
千恵子「こっちも終了よ。ご苦労様」(王妃の足元で爪切りを持って屈んでいる)
フラワー「・・・・・・・・・・」
コニー「・・・・・・・・」
千恵子「ブラシ、よこしな」キコキコキコ・・(たんまりとしたお化粧グッズやらを積んだワゴンを片手で引いいてくる)
コニー「・・・・・・・・」
フラワー「・・・・・・・・」
千恵子「コニぃ~~~」
コニー「あ、はいにゅすみません」スッ(ブラシを手渡す)
千恵子「まったく・・」ガシャリゴショリ
フラワー「・・・・・・・・・」
コニー「あ、あのぉ・・王妃様・・・」
千恵子「!!」(慌ててコニーの方を見る)
コニー「今日はとても月が綺麗ですにゅ。少し気分転換に夜風を浴びながら、拝見されてみては・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(部屋にある唯一の小窓は内から鉄板で塞がれている)
フラワー「・・・・・・・・・・」
千恵子「ば、ばか!王妃様!大変失礼致しました!この子、身分をわきまえず余計な事を口走っちまって」ぺこり(慌ててコニーの横に並び、強引に頭を垂れさせる)
コニー「・・・・・・・・・」ちら(千恵子に頭をグイってされたまま、フラワーを覗き見る)
フラワー「・・・・・・・・・・」ぼー・・
コニー「・・・・・・・・」
千恵子「さ、行くよ。失礼致します」ぺこり
コニー「王妃様・・・」スッ(呆然と腰掛けるフラワーの前に片膝をついて座る)
フラワー「・・・・・・・・・」ちら(ようやくコニーの存在に気がついたかの様に虚ろな目で確認する)
千恵子「ば、ばか」あわわわわ
コニー「あたしも経験があるんですにゅ。結婚前夜って、なんだか不思議な時間ですよにゅ」にこ
フラワー「・・・・・・・・・」(瞬き一つせず目の前のコニーを見下ろす)
千恵子「・・・・・・・・・」(その様子を黙って静観し始める)
コニー「これからどんな夢を見るんだろう・・・眠ってしまえば今までと同じはずなのに、なぜだか寝るのが勿体無いっていうか・・・そうにゅ。きっと明日で何かが大きく変わってしまうんじゃないかって不安なんですにゅ・・」(少し微笑みながら下を向き、まるで独り事の様に呟く)
フラワー「・・・・・・・・・」
コニー「でも大丈夫ですにゅ。王妃様は今も、昔も、そしてこれからも素敵な王妃様のままですにゅ」にこ
フラワー「・・・・・・・・・」
コニー「・・・・・・・・・」(フラワーを見上げ、少しがっかりした顔を見せる)
フラワー「・・・っ・・・ぺい・・・・」ぼそ
コニー「??」
フラワー「・・・・・・・・・・・」
コニー「・・・・・・・・・・」
千恵子「・・・・・・・。さ、行くよ。コニー」スッ
コニー「はいにゅ・・・」スッ
ちら(王妃の方を振り返る)
フラワー「・・・・・・・・・・・」
コニー「・・・・・・・・・・」
ジョワワワワワワ・・・・
(部屋の中にあやしげな音が微かに聞こえてくる)
コニー「!?」バッ
千恵子「静かに・・・・・」きょろきょろ
ジョワワワワワ・・・・・
千恵子「窓からだ」スッ・・(音のする方に近づく)
コニー「・・・・・・・・」スッ・・(心配そうな面持ちで、窓の方を見ながら王妃を庇う様にその前に立つ)
ジョワワワワワ・・・・・
千恵子「・・・・・・・・・・」じー(窓の内側に打ち付けられている鉄板を凝視する)
ジョワ~~~~~~ン
(鉄板の上一部が溶け、小さな穴が開く)
千恵子「コニー。王妃様を頼むよ」スッ・・(窓を見ながら一歩後退する)
コニー「は、はいにゅ!!」バッ(王妃の横に座り、その肩を抱く)
シュウウウウウウ・・・・・
(鉄板に開いた穴が僅かに煙をたてる)
千恵子「・・・・・・・・」ごくり
コニー「・・・・・・・・」ぎゅっ(王妃の肩を掴む肉球に力が入る)
ぽこん(穴から顔を出してきたのは、ビートルタイプの下品な猟虫)
千恵子「はぁ?」
コニー「・・あれは・・さっきの・・・」
ブッチャービートル「カナカナカナカナ」きょろきょろ(部屋を確認する)
千恵子「今度こそ逃さないよぉおおおおお!!!!」びょーーーーーん(伸びてくるピンク色の肉球)
ブッチャービートル「ブキッ!?」
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~ニャー神殿郊外、密林地区....
ガサリゴソリ・・(とある葉っぱがたくさん生い茂った巨木の枝が微かに揺れ動く)
ユーリィ「・・・・・・・・・・」じー(太い枝の上で上手にうつ伏せになり、デッドフリルパラソルのスコープを覗いている)
影丸「どうだ?猟虫は無事にフラワー殿のいる部屋に辿り着いたか?」ぶらんぶらん・・(ユーリィが乗ってる枝の下で両足をカニバサミにしてぶら下がっている。忍び猫っぽく)
ユーリィ「・・ばっちし・・そっちは・・?」じー
影丸「警備兵の気配は感じない。この辺りは一面水溜りだからな。モンスターも棲息していないから、連中もこのエリアは警備の範疇に入れていないのだろう」ぶらんぶらん
ユーリィ「・・猫は・・水嫌い・・」じー
影丸「体毛と皮膚が濡れるのを嫌がる習性なのだ。きっと祖先に関係していることだろう」ぶらんぶらん・・
ユーリィ「・・砂漠の猫は・・濡れたまま寝ると・・翌朝・・気化熱で体温を奪われ・・死んじゃう・・・って「大陸にゃんでも大図鑑☆旧大陸決定版」で読んだ・・」じー
影丸「ほぉ。勉強熱心だな。もっと多くの人間がそなたの様に、猫に関する知識をもっていれば、猛豚軍の様なマイノリティが生まれずに済むのだがな・・」ぶらんぶらん・・
ユーリィ「・・見識と良識は別物・・・けど、みんな本読め・・ホ~れほれ・・・・む・・!?」じー
影丸「どうした?」
ユーリィ「・・ブッチャー・・捕まった・・」じー
~花嫁部屋
千恵子「はっはっはっはっ!やっと捕まえたよ、迷子のビートルってね♪」ガシッ(がっちしと両手で掴まれてるブッチャービートル)
ブッチャービートル「ブキ~ブキ~」
影丸「なんと!?」
ユーリィ「・・穴小さいから・・あまり見えない・・けど・・ベテランメイド猫に・・鷲掴みにされてる模様・・」じー
影丸「いかんな・・・自力で脱出できそうか?」
ユーリィ「・・全身を・・ぎゅっ・・ってされてるから・・唾液を出せないんだと・・・思う・・」じー
影丸「まずいな・・・その穴からフラワー殿は見えるか?」
ユーリィ「・・紫色の毛の子・・と聞いているが・・・なにせ穴が小さいから・・」じー
コニー「すごいですにゅ♪さすが千恵子さん」ぱちぱちぱち
千恵子「しっかし驚いたねぇ~。まさか鉄を溶かして入ってくるなんてさ。あんた、噂の知的生命体種ってやつなのかい?」じー
ブッチャービートル「ブキッブキッ」(全身をぎゅってされてるから、むせてる様子だ)
コニー「そんなに力強く握ったら死んじゃうにゅ」
千恵子「甘いね。こっちは王妃様の命を狙ったスパイかなんかだと思って、一瞬肝を冷やしたんだ。それに大事な防護品にあんな穴開けちまって。あたしらが官僚どもに怒られちまうだろう。この」ぎゅう
ブッチャービートル「ブギィ~~~」
コニー「可哀想にゅ・・・王妃様?」パッ(横に座っていた王妃の姿がない)
千恵子「ん・・・?」ちら
フラワー「・・・・・・・・・」ふら・・(ゆっくりと小窓に近づく)
コニー「・・・・・・・・」
フラワー「・・・・・・・・・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・
(小窓を塞ぐ鉄板の小さな穴から、月明かりが差している)
フラワー「・・・・・・・・・」(まるで初めて見るような様子で月を見上げている)
コニー「王妃様・・・・・」
ユーリィ「・・ターゲット確認・・」じー
影丸「よし!!上空の轟竜殿に合図をするぞ!!」サッ(胸元から手鏡を出す)
てら・・てらてら・・
(上空に向けて月明かりを鏡で反射させる)
ゴオオオオオオオオオオオオ!!
(月をバックに夜空を周回する轟竜)
バラン「ん・・・・・」ビュオオオオオオオ
てら・・てらてら・・
(陸地の密林から微かな光がてらてらしている)
バラン「合図だぁあああ!!準備はいいかぁ!?」
ボニー「影丸から合図が来たよ!いいかい二人共!?」(バランの首に跨がり、後ろに向かって叫ぶ)
ゾフィ「おうよ!!やっと俺達の出番だな!!」バーーーン(迅竜のウイングスーツを纏い、背中には鉄平をおんぶしている)
鉄平「合図が来たってことはフラワーが居たっていう証拠・・・よし!!行こうぜ、豚耳女!!」
ボニー「気をつけるんだよ!!二人共!!」
ゾフィ「保証はねぇよ。なんせ初めてなんだからな」ビュオオオオオオ(少し冷や汗をかきながら上空より下を見下ろすその顔は少し笑っている)
鉄平「確か・・あの時もこんな月夜だったな・・」ビュオオオオオ・・・
ゾフィ「んあ?」
鉄平「プロポーズした時だ」
ゾフィ「・・・・・・・。今夜、それを再現する為に、これから下降するんだろ?」にや
鉄平「豚耳女・・・・よっしゃ!!こっちはいつでもいいぜ!!」
ゾフィ「マリッジブルーと恋泥棒ってな!!月下のスカイダイビングと洒落込もうぜ!!」
バッ
(轟竜の背中より飛ぶ。その後ろでは女神の様な月が見守っている)
バラン「お騒がせしてきやがれぇええええええ!!!!」ビュオオオオオオオオン・・(叱咤激励と共に夜空に消えていく)
ヒュウウウウウウウウウウン!!
(凄まじい速度で夜間降下していくウイングスーツを纏ったゾフィ。突風に負けじと必死に背中にしがみつく鉄平)
鉄平「(待ってろ・・フラワー!!必ず助けてやるからな!!)」ビュオオオオオオオ
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!!
5/24(日)0時更新 「マリッジブルーと恋泥棒/その五」の巻
をお送り致します♪次回も見てから読んでその後豪快にでんぐり返しをキメようお隣の敷地に入るくらいに。ふふ。ほんと
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「マリッジブルーと恋泥棒/その五」の巻
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