ビュオオオオオオオオオオオ!!
(迅竜のウイングスーツを纏い、凄まじい速度で夜間降下していくゾフィ。突風に負けじと必死に背中にしがみつく鉄平)
鉄平「(待ってろ・・フラワー!!必ず助けてやるからな!!)」
ギュウウウウウウウウウウン!!
(真下の巨大ピラミッド型神殿に向かって一直線に降下していくゾフィ)
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~花嫁部屋....
フラワー「・・・・・・・・・・」(小窓を塞ぐ鉄板に空いた小さな穴より差す月明かりを浴びながら、それを見上げている)
コニー「王妃様・・・」
千恵子「参ったね・・穴が空いちまったことを誰かに知らせるしかないようだ・・・こいつのせいでね」ぎゅう
(両手で握りしめてる猟虫をさらにぎゅっとする)
ブッチャービートル「ムギィ~~」
コニー「可哀想にゅけど・・なんでこの子、王妃様の部屋に・・・」
千恵子「そういやそうだね。外から窓ガラスと鉄板を溶かしでまで入る必要があった・・・何を企んでいるんだい!?この!!」ぎゅううう
ブッチャービートル「グゲェエエエエエエエ」
コニー「・・・・・・・・」ちら
フラワー「・・・・・・・・・・」(窓の内側より打ち付けられた鉄板に空いた穴から月明かりが差し、それを見上げる王妃にスポットライトを照らしている)
コニー「あたし、誰か呼んで来ますにゅ!」
千恵子「そうだね。さ、王妃様も危ないからそこから下がって・・」
フラワー「聞こえる・・・」
千恵子「え・・・(喋った・・)」
フラワー「鉄平の声」
「フラワァアアアアアアアアア!!!!」
コニー「誰かの声にゅ!!」
千恵子「って、まさか!?」ちら
ゾフィ「どけどけどけどけぇえええええええ!!!!!」ギュウウウウウウウン(こちらへ一直線に突っ込んでくる人型豚耳女の姿が穴から見える)
千恵子「いっ」
フラワー「・・・・・・・・・・」ぼー(それを見上げている)
ゾフィ「ダメだ!!衝突するぞ!!」ギュウウウウウウン
鉄平「突貫なら任せろって!!」バッ(ゾフィの肩にしがみつきながら、懐より小樽爆弾を取り出す)
ゾフィ「嘘だろ!?」ギュウウウウウウウン
鉄平「激突死よりかはマシだ!!」
ひょん(降下しながら爆弾を窓に向かって放った)
ゾフィ「俺は・・・いやだぁああああああああああ」ギュウウウウウウウン
(泣きながらそこに突っ込んでいく哀れな豚耳女)
カツカツカツカツ・・・・・・
(月に照らされた薄暗い回廊を突き進むニャン=ジュスト)
ニャン=ジュスト「・・・・・・・・・・」ザッザッザッザッザッ
・・・・・・・・・・・・
(目の前の柱の陰が気配を発している)
ニャン=ジュスト「ニャン蔵か」ザッ(柱の前で立ち止まる)
ニャン蔵「ハッ・・」ぬう・・(柱の陰よりひっそりと姿を見せるのは白衣を着たメラルーの医者猫)
ニャン=ジュスト「王妃の様子は?」
ニャン蔵「安定しています」
ニャン=ジュスト「そうか。現在は?」
ニャン蔵「従者二名が寝付けている頃かと」
ニャン=ジュスト「コニー・ファウラーとその知人の女中か・・・二人に変わった様子は?」
ニャン蔵「ありません。ことコニー・ファウラーに関しては実に献身的な姿勢を見せております」
ニャン=ジュスト「生真面目さは時に探究心を生み、そして真実を受け入れられない傾向にある。監視を怠るなよ」
ニャン蔵「ハッ。従者の主な仕事は着せ替えとグルーミング、それと食事の運搬くらい。それに王妃は何を問われても口を開かないよう、暗示をかけてあります。女中達は皆、王妃が病により衰弱しているのだと思っていることでしょう」
ニャン=ジュスト「貴殿の猫伊賀忍法、肉球脱魂変性術が功を奏している・・そう言いたいのか?」
ニャン蔵「・・・・・・」フッ
ニャン=ジュスト「明日は大勢の人前に出る。コントロール出来るか?」
ニャン蔵「式には私も同行します。ご安心を」
ニャン=ジュスト「今度は神父に扮装か・・・貴殿にしか出来ない特務だが・・なにせ一世一代の祝事だ。王妃に異変があれば国の信頼を失うと思え」
ニャン蔵「ハッ。余程の異例が起きない限り、想起致しません。問題があるとすれば、過重な抑制行為による身体疾患かと・・」
ニャン=ジュスト「陛下は世継ぎの事を気にかけておられる」
ニャン蔵「・・・・・・・・」
ニャン=ジュスト「今までは王妃の体調不良を理由に幽閉することが出来たが、明日の式が終わればそうもいかぬ」
ニャン蔵「薬の量を減らしてみては?」
ニャン=ジュスト「それこそ自律神経が復調し、想起する可能性が増すというもの。式が終了しても、こちらで正しい判断が出せぬうちは、今までどおり陛下と王妃は引き離しておくしかあるまいか・・」
ニャン蔵「陛下の王妃選択にここまで悩まされるとは・・予想外でしたな」
ニャン=ジュスト「はがゆいな。まさか陛下が自分の花嫁に、大砂漠より救助されてきたメス猫を選ぶとは・・我々も予想出来なかった。しかも救護室で目を覚ますなり大暴れし、こともあろうか自分はクルセイダーズの一員だと言う始末・・・あの時は貴殿も大変だったな」
ニャン蔵「取り押さえるのに一苦労しましたが、直ちに睡眠薬で眠らせることに成功しました」
ニャン=ジュスト「いっそ、その場面を陛下が見ていれば救いだったのかも知れぬが・・・陛下は天命に恭順の意を示す御方。敵味方の概念など、今のあの御方には無縁なのだ。だからこそ、この神殿を自身のアジール(聖域)として位置づけておられる」
ニャン蔵「過去の戦闘により、切り苛まされた自身の心を王妃が救済すると?」
ニャン=ジュスト「王妃に関して興味深いのは身元調査の結果だ。クルセイダーズの一員でありながら、一方ではローゼンクロイツに忠誠を誓う従者とも判明した。陛下がお気に召したこのじゃじゃ馬を、一体どう飼い慣らせという。手法は簡単に思いつくだろう」
ニャン蔵「・・・・・・・・」フフ・・
ドウーーーーーーーーン・・・・・
(僅かだが神殿内に衝撃音がこだまする)
ニャン=ジュスト「何事だ」
ニャン蔵「花嫁部屋からです」
ニャン=ジュスト「まさかな・・・見に行く必要がありそうだ」ザッ
~ニャー神殿郊外、密林地区....
影丸「二人は上手く侵入できたか?」ぶらんぶらん・・(ユーリィが乗ってる枝の下で両足をカニバサミにしてぶら下がっている。忍び猫っぽく)
ユーリィ「・・派手にした・・けど・・突き刺さったまま・・」じー(太い枝の上で上手にうつ伏せになり、デッドフリルパラソル改のスコープを覗いている)
影丸「??」
モワモワモワモワ・・・・・・・
(硝煙が立ち込める花嫁部屋の小窓は爆破され、大きく穴が空いている)
コニー「ゴホゴホッ・・・一体何があったにゅ・・・・王妃様は!?」きょろきょろ
千恵子「無事だよ」(部屋の隅で王妃の肩を抱いて立っている)
フラワー「・・・・・・・・・・」(一連の出来事にも動じず、ただ千恵子の胸に抱かれている)
コニー「良かったにゅ・・・」ほっ
千恵子「あいつには逃げられちまったようだけどね」
コニー「猟虫さん、逃げてしまったにゅ・・・」きょろきょろ
フラワー「・・・・・・・・・・」(呆然としながら粉砕したベッドの方を見ている)
コニー「・・・・・・・・」ちら(同じ方向を見る)
ゾフィ「・・・・・・・・・・・」(大破したキングベッドの木片の残骸に頭から綺麗に突き刺さっている)
鉄平「・・・・・・・・・・」(おそらくすっ飛んできたのであろう。壁に大の字になって張り付いたままである)
コニー「なんにゅ・・あれは」
フラワー「くす」
コニー「え・・・・」ちら
フラワー「・・・・・・・・・・」(その光景を微笑んで見ている)
コニー「王妃様が・・・笑ったにゅ・・」
ゾフィ「かぁ~~~!!いってぇええええ!!」ずぽーーーーん(頭を残骸から抜く)
コニー「あわわわわわわ・・・ひ、人型・・・」ブルブルブルブル
鉄平「あやしい・・もんじゃ・・ねぇ・・・・」ずるずるずるずる・・(壁からずり落ちる)
千恵子「あんた達!!なにもんだい!?」
ゾフィ「おっと。下手な真似すんじゃねぇぞ」バサッ(迅竜のウイングスーツを脱ぎ捨て、中からテッセン(双剣)を抜いて脅迫する)
千恵子「だから人型ってのは・・!」バッ(王妃を庇うように前に立つ)
鉄平「フラワー!!」
千恵子「王妃様に近寄るんじゃないよ!!」
鉄平「王妃・・・フラワー!!本当なのか!?」
フラワー「・・・・・・・・・・」(その目に生気は感じられない)
鉄平「フラワー!!」
コニー「大きい声を出さないで下さいにゅ!王妃様はお体が悪いんですにゅ!!」(怖じけながらも声を荒げる)
鉄平「なんだと・・・・」
フラワー「・・・・・・・・・・・・・」
ゾフィ「まずいな」ザッ(鉄平の横に立つ)
鉄平「フラワー!!何があったんだ!?」
フラワー「・・・・・・・・・・・・・」
ゾフィ「間違いねぇ。過度の瞳孔拡大。薬物によるオーバードースの症状だ」
鉄平「!!」
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事は!?
5/26(火)0時更新 恐ろしくもなんにも決まってない
をお送り致します♪メディアで話題の迷路の映画(The Maze Runner)観ました♪原作が有名なので気になっていたのですが、日本では米より半年以上も遅い公開に...期待の?新参監督さんの絵作りは良くも悪くも癖のない、観やすい手法で作られており、演者含めティーン向け映画満載な内容でした。ハンガーゲームやトワイライトサーガが好きな方には「ちょうどいい」作品かもです。ここからはネタバレ。肝心の迷路なんですが「タイトルから連想するほどの期待感はない」です(笑)三部作で決定しているようなので、2以降に期待?BDでレンタルしてきて「何かをしながら見るのにちょうどいい作品」という印象が素直なところでしょうか。如何にCM(配給会社)の煽りに騙されてはいけないか、が勉強になる一品とも言えます(これに関しては日本の洋画に対するセールスの仕方が少なくとも10年前からなんにも進歩していないのも事実)。個人的にはウィル・ポールター(『ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』で竜に変えられてしまったあの子 )が少し大人になり、相変わらず憎たらしい役をそのまま?演じているのがGOOD彼のファンは是非にチェック
そんな感じで次回も読もう
転がりこもう
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「マリッジブルーと恋泥棒/その六」の巻
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