~ジャバル・サマーン山脈・火口付近山腹、神界エリア....

ドロドロドロドロ・・・・
(山脈頂上の火口部から、煮えたぎる溶岩滝が急峻な斜面を覆い尽くしている熱気の中、山腹から盛り上がった岩場に立つ一頭の炎王龍)

ゼルベス「・・・・・・・・・・」ちら
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
(頂上の火口からは絶え間なくマグマが溢れでている)
ゼルベス「火山地区一帯で、最も標高の高いこのジャバル・サマーン山脈・・通称セイクリッドランドとはよくいったものだ」
ちら(マグマが脈々と下方に流れ落ちていく広大な麓エリアを見下ろす)
ゼルベス「ギルドが狩猟フィールドとして認知しているのはこの麓、神域エリアまで・・。それより先、山腹がマグマに覆われたこの神界エリアは、到底人型では接触できん、云わば聖域というわけか・・(いいぞ。ゼルベっちゃん。いい例え!ひとりぼっちなのが勿体ないくらい)」フフ・・
シャバアアアアアアアアン!!
(頭上の火口中心より放射線状に噴出するマグマのシャワーは、まるで絵画を見ているようである)
ゼルベス「フン。こんな厳しい環境下では、忌々しい観測隊の連中も、お得意の気球船で近づけないのは無理もなかろう。最も、「討伐すべき」対象がいなければ、連中はこの偉大な大陸自然すら目に入らん俗物であることには違いないがな」
シュトッ

ゼルベス「・・・・・・(しかしすごいなぁ・・ゼルベっちゃんがゴッドジャスティス収容所の所長だった頃、火の国に纏わる資料を読んだことあるけど、かつて火の国の調査隊は、この岩場を頼りにこの神界エリアまで入ったっていうんだもんな・・・さすが古来より「火山に住まう民」って感じ。ゼルベっちゃんリスペクトしちゃう)」
ゴロゴロゴロゴロ・・・・
(標高の高い岩場から見える遠方の空に、巨大な漆黒の積乱雲が見える)
ゼルベス「またか・・・(こわいよなぁ・・・あれのせいでゼルベっちゃんだって、なかなかここまで辿り着けなかったんだから(怒)おまけに陸では大地震もあったし・・・そういえば、ユクモ地方でも地震が頻繁にあったけど、パノったら大丈夫かな・・・ま、しっかりさんのバルバラも一緒だから平気だと思うけど・・)」
カカーーーーン!!
(積乱雲から見るもおぞましい雷の閃光が見える)
ゼルベス「・・・・・・(ひいいいいい

「その愚弄は我に向けたものか?流浪の炎王龍よ」
ゼルベス「!?」バッ

「我は火の神。火山地区を守護するものだ」
ゼルベス「!?(どこよ!?どこから聴こえるわけ!?)」きょろきょろ
「案ずるな。同志よ。我は大陸を巨大なインターフェースとし、特殊器官のネットワークプロコトルによって、直接貴様の脳内に通信をしている」
ゼルベス「・・・・・(人型社会でいうところの超感覚的知覚ってやつかしらなんなのかしら・・)」
「テレパシーと捉えてくれても構わん」
ゼルベス「・・・・・(やだ・・!ってことは、ゼルベっちゃんの頭のなか、丸見えなわけ!?)」
「そうだ」
コホン(咳払いをする炎王龍)
ゼルベス「なるほど。かつてここまで来た火の民が、火口より聞いた神の声に従い、現在の火の国のレギュレーションを作り上げたというか・・それを強要させた張本人は貴様だったのか」
「強要?それは貴様らの常識的観念からみただけの誤謬だ。我は貴様ら眷属に代わり、大陸世界での生態序列の調和を図っているだけに過ぎん。火の民には、それを直接的に理解させる為、貢物を施させているだけだ」
ゼルベス「神域エリアにあった祭壇は、それを捧げる為のものだったか・・。だがな、貴様は今しがた、施させるといったが、本来施すとはマイノリティに対し物質的な援助を与えることだ。それとも世俗には興味がないかな?黒龍よ」
「・・・・・・・・」
ゼルベス「図星か。少々貴様は俺にヒントを与え過ぎた。俺を同族と呼び、自分以下の存在を眷属等とぬかすのは、邪龍をおいて他ならない。最も、貴様は黒龍と認識はされても、邪龍の部類には入らなかったんだよな・・」
「その概念は貴様らが勝手に創造したものだ」
ゼルベス「確証を得たぞ。かつて古龍観測隊に属した、オズワルド・バロンという賢者が提言した仮説・・・それに従えば、現在ギルドのハンターによってその存在を公に容認されている黒龍、紅龍、そしてすべての龍種の祖といわれる祖龍を含めた三元龍は、「実態を伴わない自己像幻視」の一種だという。つまり上位ハンター達が血眼になって狩り勤しんでいる三元龍は、肉体を与えられた真っ赤な偽物。レプリカドラゴンでありコピークリーチャーだということだ」
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・
ゼルベス「なぜ三元龍の本体が、自身の複製物をわざわざ人前に晒すのかは、まだ解明出来ていない。だが!貴様もその知的生命体古龍種の仲間であることに異論はなく、その固有特性を活かして、今まさに地上で起きている天災を起こし、実体があるこの神界エリアに何人たりとも近づけんとしているのは、貴様が悪しき理由を抱いている証拠!!いい加減姿を見せい!!古来より神食いと畏れられた煌黒龍の始祖にして、暗黒商会、七大怪魔の残党・・」
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・!!
ゼルベス「黒龍バアル・ゼブルよ!!」」

ギャオオオオオオオオオ!!
ゼルベス「答えを知りすぎた龍魂よ。さて、どれほどの脅威なのか体感してやろう」ザッ
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
~ロックラックシティ、ハンターズギルド本部地下
ギルドナイツセクション/ミーティングルーム....


サフラ「というわけで、シュナイダー兄妹は引き続き、アサイラムの警護で残っているというわけですニャ。ねぇ、ハロルド君」(グレーの石壁に囲まれた質素な部屋の中央に置かれた木製ソファにちょこんと腰掛けるガイド猫)
ハロルド「ふん」ほじほじ(その対面のソファに深く腰掛け、鼻をほじっているのは、オリーブグレイとオフホワイトのヒッコリーストライプが特徴的なオーバーオール風のギルドナイト装束をクマ耳フードのパーカーの上から纏っている「お子様ナイト」。隣には金色のおやすみベアを座らせている)
王羽美「ハロルド。ちゃんと返事しなさい。それからその癖、やめなさい。まったくウルもあなたも、レオの真似ばかりして・・・」はぁ・・(くま型ハンマーを挟んだ位置に腰掛け、ため息をつくのはご存知、潔癖症のホワイトナイト)

シリウス「そうか・・・あの女が脱獄したか」フッ(サフラの隣に座り、肘掛けに頬杖をつきながら肘を置いて不敵に微笑む)
ハロルド「あ!笑ったな!こっちはあの「うぶ」とかいうじゃじゃ馬のおかげで、大変だったんだぞ!!」ぷんすか
王羽美「ねぇハロルド。あのユクモのハンターを助けに来たのは、拳法使いの黒猫と、炎王龍ゼルベスだけだったの?」
ハロルド「ああ、そうだよ。オメガ4号と、同じく投獄されていた猛豚軍の「自称」参謀と一緒に、見事ジェイルブレイクってわけさ。クソッ!!」バスン

サフラ「なにか気になることでも?」
王羽美「いえ・・・(今回はロージーやシャークハンターはいなかった様ね・・)」
シリウス「それで、連中を捕らえるのが新しいミッションか?」
サフラ「いえ。オメガ4号に関しては、下位ナンバーのナイトに捜索させていますニャが、それ以外は放置という判断で上には伝えましたニャ」
シリウス「上とはギルドマスターのことか?」
サフラ「はいですニャ。何か問題でも?」
シリウス「ノープロブレム。組織の詮索はするなかれ。俺達はあんたが言う、その「上の連中」の指示に従うだけだ」フッ
サフラ「フゥ~。我がギルドは民主主義故、組織に対し疑問を抱くのは自由ですが、くれぐれも変な陰謀論だけは流さないでくださいニャ。あのアサイラムの研究員の様にね・・」ぼそ
シリウス「??」
ハロルド「心配いらねぇよ、シリウスのおじさん。あの「あんまんねえちゃん」は、ギルドを敵に回すつもりは毛頭ねぇよ。あのねえちゃんが嫌悪感をむき出しにするのは、この世に跋扈する本当の混沌を生み出す「邪神」だけだ」
シリウス「・・・・・・。読んだのか?あの女の素性を」
ハロルド「・・・・・。さぁね。なんとなく・・・勘だよ。そう思っただけ」ぷい
シリウス「・・・・・・(そうか。サフラがいるせいで、あの女の過去に触れたことを伏せているのだな・・)」
サフラ「それと今回はウーメイさんが前回、孤島で見たような不思議な妖術も使いませんでしたニャ

シリウス「妖術・・?なんだそれは」
王羽美「前回のミッションについてのレポートです。あのUBUというハンターが、強大な龍属性エネルギーを体に纏い、エヴァーウィンターナイツの鋼龍を撃退した件です」
シリウス「ああ・・・あの興味深い報告書の・・アサイラムでのお披露目はなかったというわけか」
サフラ「何度も言いますが、そんなことはありえませんニャ。レポートを読む限り、そのミッション中、ウーメイ殿は持ち前の潔癖症から自我を失っていたと。気が動転して、通常の龍属性武器が発するアクションエフェクトと見間違えたんですニャ」
王羽美「そんなことありません!確かです!確かに私は、あのハンターが龍属性エネルギーを放っているのを感じました!そう・・・伝説の龍使徒の様に・・」
シリウス「・・・・・・・・・」ピクッ
サフラ「龍使徒?ドラゴンラスール?あなたまであんな大陸庶民が生み出した寓話の産物を信じるのかニャ?」やれやれ
王羽美「龍使徒は存在すると聞きます。現に超級賞金首のオクサーヌ・ヴァレノフだって・・」
サフラ「ただのマフィアの頭取ニャ。いいですかニャ?龍の力は、龍が使うから龍属性と呼ばれるのですニャ。属性武器を借りて、その「真似事」は可能ですニャが、人自身が龍属性エネルギーを発するなんてこと、竜人族だってありえないことなんですニャ~

ハロルド「そんな時代遅れな発想だから、ブラックの龍科学者に先をいかれるのさ」しっしっしっしっし

サフラ「にゃんてことを


王羽美「なんですか?我が師、オズワルド・バロンに問題でもあると?」キッ
シリウス「フッ・・」
サフラ「・・・・・・・」もじもじ
シリウス「気をつけろ。王は現ナイツの中でも一番キレるとたちが悪い」フフ
サフラ「結論から申しますと、人心を惑わすような虚像を、仮にもギルド一の傭兵集団である、あなた方が口にしちゃ組織内の士気にも関わるといいうことですニャ!!」ぷんすか

王羽美「・・・・・・」ふん

シリウス「やけにこだわるじゃないか。まぁ、それもそうだろうな。かつてギルドに所属し、やがて反旗を翻したという天才ハンター、オクサーヌ・ヴァレノフが、巷で神格化されている伝説の龍使徒だったなんて世間に公になったら、ギルドとしては困るものな・・・」フフッ
ハロルド「そうだね。あくまでも龍使徒は、ギルドに抗う存在ってことで「上」は認識しているんだもん。だからか。俺やウルが参加していたメサイヤ計画が頓挫したのは。大陸全土を脅かす、反逆者になるかもしれない子供達を仮にもギルドで育成していただなんて、世間にバレたらまずいもんね」
王羽美「第二のオクサーヌ・ヴァレノフを我が手で生むことはない・・・強いてはギルドを脅かす、龍使徒の逸材を確立させる必要もない・・大陸の主権はギルドにあり・・・そういうプロットですか」
サフラ「・・・・・・・。御三方の素晴らしい推論を聞けて光栄ですニャ。安心してくださいニャ。今の「仮説」は全部聞き流してあげますから

シリウス「俺達は愚かな不干渉主義者ではないということを、あんたに知ってもらいたかっただけさ。それと、各々に与えられたミッションの途中に、「つい」真実に遭遇してしまうのは、あんただって想定内だろう?」フフ・・
サフラ「我々はミッションの成功と忠誠心を期待しているだけですニャ。くれぐれも。くれぐれも、ですニャ」ピシっと(猫指を立てながら強調して言う)
シリウス「真摯に受けとめよう」スッ・・(不敵に微笑みながらハットを深く被る)
サフラ「・・・・・・・・・・・」つん
ハロルド「怒ってる。ウルがだったら「可愛いっチャねぇ~♪」って頭、撫でるよ」
王羽美「ふふふふ」(口に手を当てて笑う)
サフラ「むう

シリウス「本題に入れ。レオとウルをアサイラムに残したのは、そこで俺達の知らない何かが行われているからだな?」
サフラ「守秘義務ですニャ。勿論、アサイラムにいたハロルド君にも、一切の口外を禁じてありますニャ」
王羽美「・・・・・・・」ちら
ハロルド「へん。俺はお役御免。大陸中の異常犯罪者がうようよ閉じ込められてる、あんなイカれた地下施設にいたら、連中の強欲なイメージが頭に投影されてパンクしちゃうよ」ケケッ
シリウス「チームにも口外禁止とはな。よほどの機密事項らしい」
サフラ「そう怒らニャいでください。いずれ皆様方のお耳にも入りましょうニャ。それに今回のミッションは、その延長線上にあるものですニャ♪」
シリウス「勿体ぶるのはよせ」
サフラ「でわでわ」コホン

ハロルド「その演出がわざとらしいってんだ」ぼそ
サフラ「これより上位ギルドナイト一名を火の国に派遣。今回のミッションは、その現地で見たままの詳細を報告すること。以上」
王羽美「火の国へ・・・」
ハロルド「って・・それだけ?」
サフラ「そうですニャ♪戦争の介入は一切無用。ただ見て報告するだけの、にゃんて簡単なミッションですニャ~♪」わぁ~いわい

シリウス「現在火の国は、暗黒団と現地の反乱軍による戦闘により鎖国状態・・・その戦地に送り込んで何を考察しろと?」
サフラ「それが任務ですニャ。ひとつ付け加えるのならば、現在の新大陸は火の国だけにあらず、各フィールドの反勢力同志による諍いが絶えない状態。帝国軍も今だ駐留している水没林をはじめ、バトルフィールドと化したエリアには、ハンター達にも立入禁止令を勧告しましたニャ。それも踏まえ今回、我がギルドは火の国を正式に、テロ支援国家指定したんですニャ」
ハロルド「え?ずいぶん大げさじゃね?」ほじほじ
シリウス「入国出国共に禁止、自由貿易の禁止措置と対外施策を完全に断絶している為だろう」
サフラ「水没林の猫達みたいな、覇権主義の独立国家を興されたんじゃたまりませんからニャ。彼らに関しては、同族として悲しいばかりですニャ

シリウス「民族主義、古いしきたりのアニミズムに執着はしないというギルドの意向か」
サフラ「♪」
王羽美「・・・・・・・・」ふぅ~
シリウス「俺は下りる」ザッ(立ち上がる)
王羽美「え!?」
ハロルド「俺も。天廊からアサイラムの直行で疲れてんだ。だからパァ~ス」ぎゅむ(アイルー型のソファクッションを抱いて顔を隠す)
シリウス「黄はまだ前回のミッションでの傷が癒えていない・・」
サフラ「ということは?」ちら
王羽美「・・・・・・・・・」
シリウス「頼んだぞ、王」ポン

王羽美「・・・・・・・・・」
サフラ「では早速、旅支度を♪」
王羽美「もう!!ずるぅ~い!!」
サフラ「あ、必要な支給品があれば、私が受付にリストを渡しておきますニャ

王羽美「分かりました!!行けばいいんですよね!?火の国に!!」ぷんすか
パァ~ん

王羽美「なんか腑に落ちない

To Be Continued



次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事雄は~
8/26(水)0時更新 素晴らしくもなんにも決まってないでショー

をお送りいたします♪現地リポート込で(嘘)そんだら次回も大声出して読もう


