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「オブストラクションでしょ」の巻

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~第三地区ボーダーライン....


へっこへっこ・・ふぉふぉふぉふぉふぉ・・
(廃屋と瓦礫に囲まれた旧居住区内を歩く、豚耳フードを被った女狩人と茶釜スカートを履きこなした獣人種)


ゾフィ「ぶわぁ~~~。ねみぃ・・・」へっこへっこ(テッセンを背負い、ここぞと言わんばかりの猫背で歩く)

$あたちのモンハン日記
純平「ここへ来てから戦闘と緊張の連続だからな。先に戻って休むか?」ふぉふぉふぉふぉふぉ(Mk12型ボウガンを構えながら、茶釜スカートで上手に歩く)

ゾフィ「いんにゃ・・体動かしてる方が楽だ」へっこへっこ

純平「そうか(表面にこそ出さないが、姉さんが心配で居ても立ってもいられないのか・・)」

ゾフィ「それによ、あんなハンターもどきの寄せ集めにだけ、大事な警備を任せていらねぇだろ?」

純平「まぁそう言ってやるな。お前やUBUが特別なんだ。反乱軍の連中だって立派に戦っている。それは認めるだろ?トゥーシザー」

ゾフィ「俺を脅かす双剣使いはいねぇがな」しっしっしっしっイシシ

純平「お前もよくやってるさ。どうだ?これを機にチームに入るってのは?」

ゾフィ「ケッ。誰があのクソビッチの命令なんて聞くもんか。おめぇらと俺達は契約だけの付き合いだ。報酬がなきゃ、こんなゴーストタウンに好んで居やしねぇよ。お前こそ、フリーになって俺のオトモになれよ。そしたらそのガスマスク引剥がして、毎日、頭、撫でてやるぜ」しっしっしっしっ

純平「それだけは勘弁だ。うちの主人にもさせたことはないんでね」

ゾフィ「そりゃ残念だ・・ふぁ~あ。食うか?」ほれなめる(ぐるぐるキャンディーを頭のフードの中から取り出す)

純平「気持ちだけにしておこう。甘いものは苦手でね」

ゾフィ「ポルタキャンディよりうまいのに。にが虫エキス配合だし照れる」ぺりぺり(不服そうな顔でキャンディを覆う包み紙をちまちまと剥がしてる)

純平「お前と姉さんを見てると、まったく少女なのか大人なのか、年齢という概念に疑問を抱かされるよ。最も、それがお前たち双子の魅力なんだけどな」

ゾフィ「やっぱり。お前はよぉ~く俺達を理解してるな。だから数多いサザンゴッドのフリーランスの中から俺達を抜擢したか。なるほどな。そうかそうかにこっ」あ~む(ごきげんでキャンディをまるまる口に入れる)

純平「紹介さ。気を悪くするなよ」

ゾフィ「む・・誰のよ?」レロレロレロレロ

純平「肉まんだ」

ゾフィ「へぇ。おめぇ、あいつのこと知ってんのか」

純平「古い付き合いといえばそうだが・・・・止まれ。誰か来るぞ」

ゾフィ「・・・・・・・」ひょいひょい手(呑気にキャンディを咥えながら、すぐ横の廃屋を指さす)



タッタッタッタッタッタッタッ・・・・
(硝煙が霧の様に仄かに立ちこめる公道を駆けてくる人型カップル。女は質素なヒジャブを纏い、その外見から火の民だと見て取れる。男はアイアンガンランスを背負い、GXハンター装備を纏った反乱軍の兵士である)



ヤウズ「少し休むか?ディララ」

ディララ「はぁ・・はぁ・・・ごめんなさい、ヤウズ・・」スッ・・(廃屋の壁にもたれ掛かって休憩する)

ヤウズ「構わないさ。お前はハンターじゃないんだからな。それにここまで逃げてくれば平気さ。今や第三地区は反乱軍の手中にあるんだからな」ふう~(ディララの横で腰を下ろす)

ディララ「もし・・反乱軍の人達に見つかりでもしたら・・」

ヤウズ「大丈夫だよ。連中はまだ誰が密告者か気づいていないんだ。そりゃソネルには悪いと思っている・・だが、奴との絆以上にお前が心配だったんだ」ぎゅっ(座りながらディララの手を握る)

ディララ「ごめんなさい・・・私一人の為に、あなたを裏切り者にさせてしまった・・」

ヤウズ「情報を少しリークしただけだ。反乱軍の逃走ルートに臨時拠点の場所・・・それから、あの金獅子の弱点をな・・」

ディララ「そのせいで多くの人を・・・・」ううう・・

ヤウズ「いや。逆に教えたからこそ被害が最小で済んだんだ。連中が予想外の軍事力をもって、この国に侵攻してきた時点で、俺達の願いは絶たれたんだよ・・。遅かれ早かれ、みんな死んでしまうんだ」

ディララ「援軍ではダメなの?」

ヤウズ「アルルが救援を求めた連中のようだが、その一部しか火の国に来ていないらしい。今は戦局を押し返しているようだが、数が違い過ぎる。再び暗黒団が優勢になるのは時間の問題だよ」

ディララ「・・・・・・・・・」

ヤウズ「だが俺は後悔はしていない。なぜならその情報を最後に、お前を開放してもらったんだからな」にこ

ディララ「ヤウズ・・・・。これからどうするの?あのハンスという獣人が、何もしないで私達を逃すとは思えないわ」

ヤウズ「心配するな。ハンスは俺の最後の情報を聞くなり、自ら軍を率いて金獅子を捕らえに行ったんだ。逆に逃げるなら今がチャンスなんだぜ?」

ディララ「・・・・領外へ行くつもりなの?」

ヤウズ「ああ。地下道を使う」

ディララ「地下道・・?」

ヤウズ「ああ、そうさ。連中には教えなかった、反乱軍の緊急退避ルートだ。そこを通って行けば、太古の森の近くまで一気に行ける」

ディララ「私達だけ逃げるなんて・・・みんなに悪いわ・・」

ヤウズ「何言ってんだ!この国に残って何の意味があるっていうんだ!?例え内紛が起きなかったとしても、ハンターと認められた俺は、生贄になる間、種馬として利用されるだけなんだ!そんな俺の短い人生に希望を持たせてくれたのが・・お前なんだ、ディララ!!」ガシッ(立ち上がって両肩を抱く)

ディララ「シェルターでハンターの資質がないと分別され、街に戻ってきた私に、いつもあなたはこっそりシェルターを抜けだしては会いに来てくれた・・・なんだか遠い過去の話しみたい」くす

ヤウズ「逃げよう。戦いはソネル達に任せて・・・二人で遠くに逃げよう」ぎゅっ

ディララ「・・・・・・・。ねぇヤウズ。お願いがあるの」

ヤウズ「なんだ?」

ディララ「地下道を使って、他の市民も連れていきましょう」

ヤウズ「・・・・ダメだ。数が多過ぎる」

ディララ「だったらせめて、第二地区で囚われている女性達を助けて!!」

ヤウズ「ここまで来て出来るもんか!!地下道まで、あと少しなんだぞ!?」

ディララ「お願いヤウズ!!彼女たちは今も酷い目にあわされているのよ!?やっぱり私だけ逃げるなんて出来ない!!」

ヤウズ「贖罪を背負う覚悟で生き抜くんだ!!そうでなければ俺達も死ぬぞ!!」

ディララ「そんな生き方なら死んだ方がマシだわ!!」

ヤウズ「ディララ!!」バッ(平手打ちをしようと右腕を振りかぶる)

ディララ「お願い・・・ヤウズ・・・・」つう~(両頬を涙が伝う)

ヤウズ「・・・・・・・・」

ディララ「・・・・・・・・」

ヤウズ「分かったよ」スッ(振り上げた右手でそっと恋人の左頬に触れ、涙を拭ってやる)

ディララ「じゃあ・・・」

ヤウズ「連れてくればいいんだろ」

ディララ「ヤウズ・・・」

ヤウズ「だが、第二地区に行くのは俺だけだ。その間、お前は地下道のある場所で待機してるんだ。いいな?」

ディララ「心配だけど・・分かったわ。これ以上足手まといになりたくない・・・何処に行けばいいの?」

ヤウズ「よくソネル達とシェルターを抜けだしては、アルルやお前と合流した、あの思い出の場所さ」

ディララ「竜人族のおじいさんが経営してる、あの居酒屋さんね!」

ヤウズ「ああ。ベルケル爺さんの酒場だ。爺さんはかねてより国の制度に反感を抱いていたからな。内戦後、ソネルの提案を快く受け入れ、地下道への入り口を作らせてくれたんだ」

ディララ「おじいさんは今も?」

ヤウズ「店にいるよ。戦争だろうがなんだろうが、あの頑固ジジイのことだ。どんな狩猟武器を向けたって立ち退きはしないだろうな」

ディララ「じゃあ、そこで待っていればいいのね」

ヤウズ「出来るだけ早く戻る」

ディララ「ええ・・・愛してるわ、ソネル・・」

スッ・・(優しく抱き合うキスをする二人)

ヤウズ「爺さんの言うことを聞くんだ。いいな」

ディララ「あなたもどうか無事で・・・」

ヤウズ「必ず戻る」


タッタッタッタッタッタッタッ・・・
(再び霧の様な硝煙の中に消えていくヤウズ)


ディララ「・・・・ヤウズ・・・。こうしてはいられないわ。私も早く行かないと」


タッタッタッタッタッタッタッ・・・
(ヤウズとは反対方向に消えていくディララ)



ぬう・・・・(二人が密談をしていた廃屋の開き窓から顔を見せる豚耳女とガスマスクを着用した獣人猫)


ゾフィ「とんでもねぇスクープを入手しちまったな」メロメロメロメロ(舐めてるキャンディはまだ元の大きさまのまま)

純平「ああ。反乱軍にとっても・・俺にとってもな」

ゾフィ「んあ?」メロメロメロメロ

純平「お前はあのディララという娘を追ってくれ。娘が店内にいる竜人族と合流したのを確認したら、このことを拠点にいるアイオロス警部に伝えるんだ」

ゾフィ「いいけどよ・・やけにあのギルドの犬っころを信頼した様な言い方じゃねぇか」

純平「益者三友・・ってなわけでもないんだがな」ぼそ

ゾフィ「んあ?」メロメロメロメロ

純平「とにかく急を要する。俺はヤウズを追跡する。頼んだぞ」バッ煙(開き窓から颯爽と身を乗り出す)


タッタッタッタッタッタッタッ
(硝煙の霧の中に消えていく茶釜スカートの獣人)


ゾフィ「ん~。なんにしても嫌だねぇ。密告者ってのは」ぺちぺちぺち(食べかけのぐるぐるキャンディに再び紙をかぶせる)

ぽすっはぁ(それを無造作にフードの中にしまう)

ゾフィ「さて。俺も急ぐか。尾行なんて、まるで姑息なクソナイツ共みたいで嫌だが・・これもあんまんの為だ」バッ煙(開き窓を飛び越え、外に出る)


ダッダッダッダッダッダッダッ



・・・・・・・・・・・・



シュトッ煙
(廃屋の屋上から着地してくる白い影)


王羽美「悪かったですね、姑息で」ぷんすか


キュッキュッ(清潔感あるハンカチで白いグローブの上から手を拭く)


王羽美「でもそれが我々のお勤めです。嫌われてなんぼ。そうシリウスさんもよく言っています」


スッ・・(ハンカチ綺麗に畳んでポッケに丁寧にしまう)


王羽美「さて・・。この戦地で見たものを、不干渉かつ、そのまま報告するという任務ですが・・・人命に関与しないというのはなんとも辛いミッションですね」


きょろきょろ(公道の左右を見渡す)


王羽美「どちらを追跡したものか・・・悩みますね・・」うーん


シュッジャンプ(決断したかのように飛び上がり、フレームアウトするホワイトナイト)






「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~







~王宮内、王妃室....

・・・・・・・・・・・・・・・
(王妃室という名前とは裏腹な、実に質素な家具やベッドを背景に、空間の中央に配置されたテーブルに腰を下ろして談話する王妃とあんまん姫。テーブルの傍らには煌黒大剣アルレボと青い番傘が立てかけられている)


セウダ「あなたの要件は理解しました。つまりあなたが和平の使者、というわけですね?ユクモのUBU」



UBU「いえ~すいえ~す。和平いいことね。それ分かったら、とっとと盟約の書類にサインするよ」た~んびっくり(テーブルに誓約書を叩きつける)

ナイトクルーガー「いつの間にそんなもん作ったんだ?」(UBUの蒼毛頭の上で足を組んで座っている)

UBU「即席よ~にま~」にんまり(テーブルの上の誓約書には、ただ一言「反乱軍と和解します」とだけ書かれている)

セウダ「私の一存でそれにサインをすることは出来ません。ですが、あなたの気持ちも分かります。堂々と和平の使者だと申して、王宮に入れてくれる国王ではないですからね」

UBU「そうでしょそうでしょ。だったら、とっととこれにサインするよろし」た~んびっくり

ナイトクルーガー「東方の胡散臭い行商人でも、今どきそんな言葉使わないぜ」

セウダ「疑念は抱いていましたが・・暗黒団が大陸で名の知れた武器商人の私設軍隊だったなんて・・・」

ナイトクルーガー「それに関しちゃ、ギルドに在籍するこの俺が保証するぜ、クイーン・セウダ」ひらり(優雅な礼を示す光蟲)

セウダ「その暗黒団をこの国より追放する為、あなた方が参上した・・・それもアルルの懇願を受けて・・」

UBU「そうよ。あなたの娘さんは危険を顧みず、ユクモを訪れただけでなく、村を手助けする尽力も見せてくれた。とても立派なお姫様よ」

ナイトクルーガー「どっかのじゃじゃ馬と違ってな」ぱしーん手(言ってる側から「お手」が飛んでくる。それをなんなく交わす光蟲)

セウダ「アルルはあなた方と一緒に国に帰還する道中、ストームに飲まれ所在不明に・・・なんということでしょう・・」

UBU「平気よ。だってあの子、常日頃から大事そうに、恋人から貰った御守を首から下げているもの。その御守効果にはね、着地術をはじめとする、ハンターでも有り難い恩恵を受けることで有名な秘術が込められているんだから。それにあたちの有能な仲間が一緒だもの。そのうち何としてでも、領内に入ってくるわよ」

セウダ「恋人とは反乱軍のリーダー、ソネル・スナイですね?」

UBU「大正解ざましょ」(実にむかつく顔)

ナイトクルーガー「どうしてそれを?」

セウダ「アルルは幼少期より、王宮を抜けだしては都に社会見学に行っていました。あの子の父親である国王は、その行為を何度も咎めていましたが、私は国王に代わり、あの子の行動を影から支援していたのです」

ナイトクルーガー「するってぇとクイーン、あんたはアルル姫のやってることには賛成ってことなのか?」

セウダ「あの子がこの国の未来を、私達国王夫妻に代わり、直視してきたことには敬意を払います。そこで出会った現反乱軍のハンター達との絆も重々承知しております」

UBU「なるほどね。ソネルとの仲も、「尾行」という護衛を付けることで知ったってわけか」

セウダ「そのことはアルル本人から聞きました。アルルが反乱軍の嘆願を何度も国王に代弁し、堪り兼ねた国王はアルルを部屋に監禁したこともありました。塞ぎこむあの子の口から、それを聞き出すのは容易ではありませんでしたが、そこは私とて一人の母です。子供の悩みを聞いてあげるのも親の務めでありましょう」

ナイトクルーガー「それを国王に伝えたことは?」

セウダ「もちろんあります。国王も儀式行為への疑念は口にせずとも感じています。ですが過去、この規律を覆そうとした国王は、悉く国に天災を招き入れ、市民を危険に晒してきました。あなた方も知っての通り、この国の秩序と混沌は、火の神に握られているのです」

ナイトクルーガー「問題はそこだ。ギルドとしてはその天災の原因と追求をしたいんだが・・・この国は独立国だからな。ギルドローだけじゃ踏み込めないのが現状だ。そこでだ。数々の自然災害を目の当たりにしてきた、現場のハンターとしては、この国に続いている不可解な現象をどうみる?お嬢さん」

UBU「確かにただの偶然でないことは、アルルやこの良識を持つお母様の話を聞けば、嘘でないことが分かるわ。それに領外でも連日に渡って続く天災・・・あたち達を領内に入れまいと、まるで意志を持つかのように現れた巨大ストーム・・・確かにその元凶はいる」

ナイトクルーガー「古龍種の存在・・・か」

UBU「もっと位が高い意念」

ナイトクルーガー「なに?」

UBU「ハンターズギルドの宿敵よ」

ナイトクルーガー「・・邪龍・・・マジかよ!?この火山に邪龍なんて存在・・・」

UBU「近いのなら・・いるでしょ?」ガチャリ(煌黒大剣アルレボの柄を握る)

ナイトクルーガー「煌黒龍アルバトリオン・・。でもよ、それならとっくに王立古生物書士隊がその存在を確認し、ハンターに討伐させてるだろ?」

UBU「それよそれ。一体連中はどこから湧いてきて、姿を見せるわけ?」

ナイトクルーガー「・・・・・・・・」

UBU「古龍種に関する詳細は今も明らかにされていない。こと邪龍に関しては、謎が多いまま。ギルドでもほんの一部しか知らないトップシークレットでしょ?」

ナイトクルーガー「確かにな・・。いつの間にか、次々と新しいモンスターが大陸で確認され、邪龍の存在は薄れていったのは事実だ・・。それを思い起こさせる様に、バルバレのハンターに討伐指令が出されたのは記憶に新しいが・・・あんたはそれもギルドの仕組んだプロットだっていうんじゃねぇだろうな」

UBU「ハンターを使って調査したいって意図は確かでしょ。それにあんたの所属するギルドも、ひと昔前と違った巨大組織へと変貌したのも事実。揺ぎないのは、今も昔もギルドの創始者達は存在し、宿敵と見なしている邪龍の根源を断つことなのよ?」

ナイトクルーガー「・・・・・・。あんた、まさか上層部の回しもんじゃねぇだろうな」

UBU「まさか。経験上の話し」

ナイトクルーガー「??」

UBU「閑話休題。さてお母様。火の神という強大な存在を暴くことよりも、まずはこの国に居座る暗黒団を追放する方が先。いつまでも戒厳令を敷いて、連中の好きにさせれば、近い将来、火の国は、晴れてテロ支援国家に指定されるわよ?もちろんギルドによってね」

セウダ「・・・・・・。ことの重大さは十分承知致しました。自ら宿痾を招いたしまった事実をです。あなたの言うとおり、暗黒団がこの国を傀儡化し、新たな軍事拠点とし、市民を隷属化させ、労働力とすることで多くの資金を生産する・・・そんなことは決してさせません。私はあなた方の言うことを信用します」

UBU「お母様・・・」

セウダ「あなたの目の輝きは、国を死滅に導く野心にあらず。もっと尊い、犠牲心があなたを支えているのでしょうね。さぞあなたを育てたご両親は立派なお方だったのでしょう。あなたを見れば分かります」にこ

UBU「二人共、死んじゃったけどね」(少し微笑みながら下を向いている)

セウダ「・・・・・・・・」スッ(席を立ち上がりUBUの前にそっと立つ)

UBU「??」

ぎゅっ(椅子に座っているUBUを優しく抱く王妃)

セウダ「決して復讐の怨嗟に身を汚すことのなく、その罪業を消し去り給え・・」

UBU「・・・・・。ふふ・・へんなおまじないね」(王妃の胸に抱かれながら問う)

セウダ「火の国に古来より伝わる祈祷の一種です。我が子を生贄に捧げてしまった自分自身を許せない親に、少しでも慈悲の心を与える為です。あなたの強い信念からは、それ以上の深い自責を感じます。どうかご慈愛を」ぎゅっ

UBU「ふふ・・その言い方じゃまるであたちが罪人みたいじゃない」ぐりぐりぐりぐり(子供のようにセウダの胸に蒼毛を擦らせる)

セウダ「まぁ、決して咎めるつもりではないのですよ」にこ

UBU「うん・・・分かってる・・」スッ(目を閉じる)


ナイトクルーガー「ふう・・・・・」(撫子帽子の中に隠れ、気配を消している)


セウダ「改めて歓迎致します。ユクモのUBU」スッ・・(UBUの手をそっと握る)

UBU「こちらこそ。誠に光栄に存じます」スッ(仰々しく礼をしてみせる)

セウダ「ふふふふふふ」

UBU「あはははははは」


ダッダッダッダッダッダッ・・・・
(部屋の外より明らかにこちに向かって走ってくる足音が聞こえる)


ナイトクルーガー「また心配症の旦那さんかな?」ひょこ(帽子から姿を見せる)

UBU「どうだろ。ひとまずまたタンスに隠れよう」

セウダ「さ、こちらへ」


ガチャリ・・・(二本の大剣を抱えながら大きいタンスの中に隠れるUBU)


セウダ「・・・・・・・・・・」


コンコン(部屋のドアがノックされる)


セウダ「どうぞ」


ガチャリ


国王軍兵士「伝達であります」

セウダ「なにか」

国王軍兵士「ハッ。たった今、反乱軍首魁、ソネル・スナイを捕えたと伝令を受けました」

セウダ「!!」

国王軍兵士「現在、王宮広場にて拘束。公開処刑を行うとのことです」

セウダ「・・・・・・・。国王様には?」

国王軍兵士「別の者が報告をしに行っている頃かと」

セウダ「分かりました。もう下がっていいですよ」

国王軍兵士「ハッ。失礼致します」ビシッ


ガチャリ・・・


セウダ「・・・・・・・・・・・・」

UBU「まずいことになったね」ガチャリ(自らタンスを開けて出てくる)

セウダ「ソネル・スナイをここで処刑してしまっては、和平どころか、反乱軍、そして反乱軍側についている市民を半永久的に敵へと回すことになるでしょう」

UBU「参ったね」ぽりぽり

ナイトクルーガー「呑気にしてる場合か?早くしねえと何も知らねぇ国王様が、公開処刑をおっ始まっちまうぞ」

セウダ「国王を止める方法はただひとつです」

ナイトクルーガー「なんだ?なんだ?」

セウダ「私をお使いなさい」

UBU「・・・・・・・・」

ナイトクルーガー「どういうことだい?」

セウダ「私を盾にして、ソネル・スナイとの身柄交換を要求するのです」

ナイトクルーガー「確かにそりゃ明暗だが・・万が一、あんたが共謀者だと王宮側の連中に知れたら、大問題だぜ?」

セウダ「今は一刻を争います。それに、あなたに捕まるのも何かの運命でしょう」ちら

UBU「お母様・・」

セウダ「さ、早く私の身柄を拘束して・・」

UBU「気持ちだけ、受け取るわ」にこ


シュッはぁ(口元に何やら布を当てられる王妃)


セウダ「・・・・・・・・・・・・」クラッ

ナイトクルーガー「おい!何を!?」

UBU「睡眠薬に浸けたハンカチ。いち大陸市民には効果てきめんでしょ」たしっ(倒れてきた王妃を支える)

ナイトクルーガー「眠らせちまってどうすんだ?その間に盾にしようってのか?」

UBU「まさかでしょ。この寛仁なる王妃様を、演技とはいえ危険な目に晒したくないだけ」スッ(お姫様抱っこした王妃をそっとベッドの上に寝かす)

ナイトクルーガー「って、ことは・・」

UBU「アルル姫も、お母様も泣かせはしない」ガション煙(テーブルに立てかけてる二本の大剣を両刀に持つ)

ナイトクルーガー「やっぱり俺達だけでやるのか」やれやれ(言うものの顔は笑っている)

UBU「オブストラクションでしょ。なんとしてもソネルを救うわよ」ガチャリドキッ(二本の大剣をそれぞれ両肩に乗せる)


To Be Continued




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10/11(日)0時更新 「向こうで会えたらいいな」の巻


をお送りいたします♪そいだらさ、次回も読もうよにま~





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