ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・!!
(振動が続く旧居住区内の公道で円陣を組むように募る反乱軍兵士達。その頭上からボニーを頭に乗せたアイオロスが覗いている)
ゼキ「敵が市民を人質にしているのはこの交差路です。なので僕らはその四方を囲う建物に潜伏して機会を伺います」ジャリッジャリッ(片膝をつき、砂の地面に簡単な地図をハンターナイフで刻んで説明している。その周りを囲う純平、ゲルハルト、そして反乱軍兵士達)

ゾフィ「チャンスが来るまで大人しく見てろってのか?」(ゼキの隣で同じく片膝をつき地図を頭に入れている様子)

ゲルハルト「ミャ~ン、ニャニャん、にょ(敵は市民とカイルスを人質にしているんだ。迂闊に救出はできないぞ)」

純平「敵の総大将、ハンス・ハンニバルは冷酷無比だ。人質を盾に俺達を一網打尽にしようという作戦だろうが、言い方を変えれば、人質として市民が機能しているうちは、そう簡単に手は出さないという見方も出来る」

ボニー「警部はその道のプロなんだろう?なんとかおしよ!」パァ~ん


アイオロス「僕はネゴシエーターじゃないの!時間稼ぎくらいなら出来るかもしれないけど・・それにしたって人質の数が多過ぎるよ」とほほ

反乱軍兵士「ということはカイルスさんと一緒にいたソネルも捕まっている可能性が高いな・・」
反乱軍兵士「ああ。しかしあのカイルスさんが捕まるなんて・・一体何があったんだ・・」
ゼキ「・・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
ボニー「みんな!今はボクらでなんとかするしかないんだ!なんとしてもみんなで人質を救出するよ!!いいね!?」パンパン

ゾフィ「そういうこった。その為にこいつの頭脳があるんだろ?説明してやれよ、なぁ」グイッ(雑にゼキの頭を掴む)
ゼキ「いたたた

ボニー「オブリ・・なんだい?」
ゾフィ「竜人族の爺さんがやってる酒場だよ。な、ゼキ!」バシーン

ゼキ「ぎゃあああああ

ボニー「太古の森・・グレンの故郷だね」
ゼキ「それとこの際、第四地区で待機をしている市民にも撤退してもらいましょう。その誘導を反乱軍のみんなにお願いしたいのです」
反乱軍兵士「そうだな。これ以上、市民を巻き添えにするわけにはいかない」
反乱軍兵士「ゼキ、お前たちも気をつけろよ」
ダッダッダッダッダッダッ・・・
(数名の反乱軍兵士が町へ消えていく)
純平「・・・・・・(ヤウズの奴は無事に女達を避難させたのだろうか・・・)」
アイオロス「どうしたんだい?ス・ズ・キさん」
純平「ん・・なんでもない。続けてくれ」
アイオロス「ププ・・」
純平「・・・・・・・・・」
ボニー「??」
ゼキ「問題はどのタイミングで市民を避難させるかなんですが・・」
ゲルハルト「モミャ~(敵の注意を引くイベントねぇ・・)」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
ゾフィ「もう既に地震っていうアクシデントは起きてるしな。それ以上に度肝を抜く大イベントでもねぇ限り、敵の注意は逸れねぇだろうよ。にしても、なっげぇ~地震じゃね?」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
アイオロス「仮に市民が逃げれても、この地震じゃね・・敵が撃ってきたらひとたまりもないよ。唯一の救いは市街地だってことくらいだね」
純平「居住区を抜けて移動すればいいさ。敵は俺達が引きつける」
アイオロス「鈴木さん、昔から射撃が得意だものね」フフフフ
純平「とにかくだ!ここでこうしててもしょうがない。敵に気づかれない様、それぞれの配置につくんだ」ザッ
ゾフィ「待てよ、鈴木」
アイオロス「ププ・・鈴木だなんて・・」ククッ
純平「なんだ?」
ゾフィ「敵に隙が出来たとして、市民退去の合図は誰がとるんだ?俺達には敵が持ってる様な謎の通信機はねぇからな」
純平「敵の総大将を俺がシュートする。そうすれば敵陣は混乱するに違いない。そしたら一斉に反撃開始だ。市民を退避させる」
ゲルハルト「ミャ~(よし、それでいこうぜ)」(頷く残りの反乱軍兵士達)
ゾフィ「うっしゃ!そうと決まったら行こうぜ!!俺はおめぇとだったな。行くぞ、ゼキ!!」バッ

反乱軍兵士「大丈夫かな・・ゼキのやつ・・死ななきゃいいけど・・」
反乱軍兵士「俺達も所定の位置に行こう!では!!」ダッダッダッダッダッ・・
ゲルハルト「モミャ~(後で会えたらいいな。先、行ってるぜ)」バッ

ボニー「さて、僕らも・・」ちら(下を見下ろす)
ひしょひしょひしょ・・
(何やらアイオロスの大きい顔に近寄り、小声で話をしている純平)
純平「おい、さっきのどういうつもりだ、アイオロス」こそこそ
アイオロス「別にぃ~。君がギルドを抜けてから久々の再会なんだ。別にいいじゃない」こそこそ
純平「まったく・・唯一、本当の姿を知らせているボニーにだって、事情は話してないんだ。それに他の連中に知れたら元も子もない・・それともお前は俺の邪魔をするつもりか?」
アイオロス「そういうわけじゃないけど。今日、仕留めるつもりなのかい?」
純平「そのつもりだ。ハンスは確実に俺がやる」チャッ(片手に持っているAK11型ボウガンを握りしめる)
アイオロス「復讐が終わったら・・戻ってくるのかい?それとも・・・」
純平「・・・・・・・・・・」
ボニー「おおおおおおおい!!!!何をこしょこしょ話ししてるのさ

純平「その回答はまず、この戦いを終わらせてからだ。じゃあな、警部!」ダッ
アイオロス「まったく・・・昔から君はそういうやつだよ。ラファエラ」
ボニー「なにブツブツ言ってんのさ!!」パァ~ん

アイオロス「はいはい

ドドドッドドドッ

(しぶしぶと揺れ続ける市街地を走り去る雷狼竜)
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・!!
(捕虜にされている市民達は地震に怯え、頭を抱え地面に立ちすくむ者も多数見られる)

エリオット「ねぇアシュリー。やっぱりこの地震、どこかおかしいよ」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
クイーン「不吉な予兆がするとでもいいたいわけ?どうやら君は、頭の中身もモンスターに冒されてしまったようね」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・(鎧竜の頭殻上で、振動を気にもとめずしゃがみ撃ちの姿勢を保ったまま標的を捉えている)
エリオット「そういう第六感とかじゃなくて、そのぉ・・そう、もっと科学的な根拠がある前触れというか・・え~と、なんて説明すればいいんだろう・・」(コクピット内で頭を抱える小柄の黒人青年。もちろん顔は上からのアングルなので見えない)
クイーン「もう地震はこの通り起きているのよ?これ以上、何かが起こるとでも言いたいわけ?そんなことより前の獣竜種から目を離さないで。あっちの方がよっぽど脅威よ」
エリオット「うん・・・」ギュリッ(操縦レバーを握りしめる。斜め下からのアングルなので操縦レバーが邪魔して、もちろん顔だけ見えない)

BBB「おっさん達、何かいいプランは浮かんだか?」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・

アングリーアッシュ「貴様こそ。この状況を覆すアクシデントでも起こしてみせろ。あの女ハンターの様にな」

ジョー「残念だがUBUは別任務だ。今は他の仲間がこの状況に気づいてくれる様、少しでも時間稼ぎをした方がいい。そのつもりで質問を投げかけたんだろう?砕竜」

タイタンラス「うむ・・だが敵の総大将もそうそう頭が悪いわけじゃなさそうだ」ゴボゴボゴボ・・(ガテラルボイスをより濁らせる)

ハンス「どうしたぁ!?要求を飲まないというのならば、人質の一部を殺すぞ!!」
アングリーアッシュ「やってみろ!!それと同時に貴様を轢き殺してやる!!」
ハンス「時間稼ぎか・・・おい!!人質を一人連れて来い!!」(後方の兵士に向かって叫ぶ)
BBB「おいおい。あいつの加虐属性に火をつける様な真似すんなよな」
アングリーアッシュ「人型がどうなろうと俺の知ったことではない」
暗黒団兵「連れて参りました」ザシュッ(連行してきた年寄りのちいちゃい婆ちゃん(行商婆タイプ)を押し倒し、ハンスの前に跪かせる)
婆ちゃん「殺せるもんならやってみんかい!!その瞬間に、あんたはあのモンスターにやられちまうだろうけどね!!」
ハンス「口の減らねぇババアだ」スチャ(ハンドガンタイプの小型銃を婆ちゃんの頭上に突きつける)
タイタンラス「アッシュ。奴は本気だぞ」
アングリーアッシュ「・・・・・・・・・」
BBB「おい、冗談じゃねぇぞ。確かにうちの前でいつも突っ立てるネコバァとはよく喧嘩するが、ネグレクトは許せねぇ。寝付きが悪くなる前に、とっとと降伏しちまおうぜ」
アングリーアッシュ「・・・・・・・・・・」
ハンス「三秒だ。その間に仲間を呼んでくる奴を選べ」チャ
BBB「おい」
アングリーアッシュ「・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・
ハンス「3・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・!
ジョー「本当に殺されるぞ」
アングリーアッシュ「・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・!!
ハンス「2・・・」チャッ・・
タイタンラス「アッシュ」
アングリーアッシュ「・・・・・・・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!
ハンス「1・・!!」
婆ちゃん「こいつらの言うことなんか聞くんじゃねぇぞ!!火の民が畏れるのは火の神様だけじゃ!!この地震は火の神がお怒りになられている証拠!!今に見ておれ、悪党共!!必ずや火の神様は貴様らに相応しい死を与えるじゃろう!!」
ハンス「残念だったな、クソババア。その火の神がうちのボスなんだよ・・」チャ・・(トリガーを猫指で引こうとする)
婆ちゃん「・・・・・・」(一切怯えず毅然としている)
アングリーアッシュ「待てぇ!!」
ハンス「・・・・・・・・」
アングリーアッシュ「この大猪を仲間のところに向かわせる!それでいいか!?」
ハンス「命拾いしたな、婆さん」
婆ちゃん「お前さんこそな」ふん
ハンス「お前たちはこっちに来い!!捕虜になってもらう!!」クイッ(ハンドガンを傾け指示する)
BBB「うちの主人に代わり礼を言うぜ、アングリーアッシュ。あんたは寛大な爆鎚竜だ」
アングリーアッシュ「ふん。老いぼれの血を見たくなかっただけ。ほんの気まぐれだ」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・
BBB「頼んだぜ、ジョー」ぴょれっ(飛び降りる)
ジョー「任せろ。UBUと作戦を練って、必ずや帰って来よう」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
(緊張感漂う、揺れるボーダーラインの交差路を少し離れた屋上より眺める視線)
ゾフィ「やっぱりな・・鈴木の予想通り、俺達をかき集めさせ、人質を盾に一気に叩くつもりだ」(建造物の屋上の縁に身を隠しながら下の様子を見ている)
ゼキ「鈴木さんが狙撃を開始するまで、誰も殺されなければいいんですが・・・」
純平「・・・・・・・・・・」チャ・・(別の居住区の屋上で俯せになり、AK11型ボウガンのスコープを覗き標的をロックしている)
・・・・・・・・・・・・・・・・
(スコープ視点のクロスヘア上に映るハンス)
純平「・・・・・・・(クソ・・・人質さえ近くにいなければ・・!!)」プルプル・・(トリガーに触れる指が震える)
アイオロス「交渉成立のようだよ。それにしてもこれだけの人質がいて逆に助かったね。なんていたって敵さんには、ハンターの千里眼の能力を応用した生態レーダーがあるからね」じー(遠くの街角から考察している)
ボニー「そっか。これだけ人が多いから、そっちにばっかり反応しちゃって、ボクらの存在には探知しないってことか・・・でもどうすんのさ?BBBの奴・・癇癪を起こさなければいいけど・・・心配だなぁ・・」
アイオロス「奇跡を起こせ・・またはそれを待つしかないかな」
クイーン「カール。辺りの建物に生態反応は見えるかしら?」
エリオット「それがダメなんだ・・人だかりの熱量が集中しちゃってるからね・・空なら分かるんだけど・・」
クイーン「頼りないわね。空路から侵入出来るモンスターは確認されてないでしょ?それに神出鬼没の金獅子はこっちの手にあるのよ?つまり敵は陸にしかいない」
エリオット「ならいいけど・・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
ハンス「どうした!?早く行け!!」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
ジョー「俺が仲間を連れて戻るまで、人質に手を出すなよ!!」
ハンス「貴様らこそ。無駄な抵抗、或いはあまりにも到着が遅いようなら、即刻人質を殺す。早く行け!!」
ボニー「ジョーが移動したら合流しよう。一度作戦を練り直すんだ」
アイオロス「そうしたいけど・・・彼が黙っているかな・・」
ハンス「さぁ!!早く行け!!」(スコープ視点に映るハンス)
純平「はぁ・・・はぁ・・・・・」カチャリ・・
・・・・・・・・・・・・・・
(スコープ越しに映るハンスの姿)
純粋「はぁ・・はぁ・・・(今ならやれる・・・だが・・!)」
ハンス「・・・・・・・・・・」ちら(スコープ視点越しにこちらを見るハンス)
純平「!!(殺気に気づいたか!?)」
ハンス「・・・・・・・・・・」(察知した何かの確証を得ようとしているのか、以前としてスコープ越しにこちらを見ている)
純平「ハァ・・・ハァ・・・(いや・・気づいてはいないが・・・やるなら額をこちらに向けている今がチャンス・・!!)」
ハンス「・・・・・・・・・・・・」きょろきょろ
純平「ハァ・・ハァ・・・!!」ぎゅりっ
ハンス「・・・・・・・・・・・・」
純平「死ねぇい!!ハンス!!」
チャッ
ドガアアアアアアアアン!!
純平「なんだ!?」バッ(辺りを確認する)
ボボボボボボボボボ・・・・!!
(遠方に見える山が噴火しているのが見える)
純平「噴火・・・そうか・・ハンスはあれを・・・・」
ワアアアアアアアアアア!!
(噴火に気づいた火の民が一斉に悲鳴をあげる。すかさず銃口を向ける暗黒団兵達)
ハンス「ええい・・!こんな時に・・・軍曹!!落ち着かせろ!!」
クイーン「了解。静かにしなさい!!動くと撃つわよ!!」スチャッ(鎧竜の頭殻上からカノン砲の様なヘビィを下に向ける)
ゼキ「ジャバルサマーン山脈が・・・噴火した・・!!」
ゾフィ「なにやってんだよ!!鈴木の野郎!!今がチャンスじゃねぇか!!」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!
ボニー「どうすんのさ!?噴火に気を取られてる今がチャンスじゃないの!?」ワアアアアア・・・!!
アイオロス「待つんだ!!まだだ・・・まだ一手足りない・・!!」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!
ハンス「ええい!!喚くな!!動くと撃つ!!」ズガーーーン

BBB「おい!!どうするよ!?」ワアアアアアアア・・!!
アングリーアッシュ「好機かもしれんな・・!!」ザシュッ
ジョー「待て!迂闊に動けば人質は・・・・んっ!?」
クイーン「動かないで!!本当に撃つわよ!!」
エリオット「待って、アシュリー!!レーダーに巨大な龍エーテルの反応あり!!」
ボニー「もう我慢出来ないよ!!行こう、警部!!」
アイオロス「待て!!この感覚・・・・何か来る!!」
クイーン「どこ!?」ワアアアアアア・・!!
エリオット「・・・・・空だ!!」
クイーン「え・・・・」ちら
ジュドオオオオオオオン!!
(四機の鎧竜が立つ場所目掛けて、一瞬にして落ちてきた流星の様な閃光)
ハンス「なんだぁああああああ!?」ブオオオオオオ

シュウウウウウウウウ・・・・・・・
ハンス「ハァ・・・ハァ・・・・・・」ちら
モクモクモクモク・・・・・・
(硝煙の中からゆっくり姿を見せる人型のシルエット)
ハンス「!!」

シュウウウウウウ・・・・・
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
カーブー「さぁ、反撃開始だ」
To Be Continued



次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?
10/29(木)0時更新 「悪かったな。クソビッチじゃなくて」の巻
をお送りいたします♪そしたらさ、次回も読もうよ
