サアアアアアアア・・・・・
(微かに砂塵舞う静かな夜の大砂漠エリアの真ん中で、なにやら身を寄せ合い「ひしょひしょ」話をしている黒角竜、そして尻尾の斬られた轟竜)
バラン「気持ちはありがてぇが、俺一人で行くぜ」
アモン「モラルのない狩猟者への「躾」は心配していない。俺が気になるのは・・」ちら
・・・・・・・・・・・・(綺麗に切断された轟竜の尻尾を眺める)
アモン「絶対強者たる者の胸懐だ」
バラン「・・・・・・・(優子・・・)」サアアアアアア・・・
~7 days ago、sandy plains....
やああああああああああ!!
(日照りの強い砂漠エリアでティガノタチを振り回しながら、目の前の轟竜(サイズ目測、最大金冠同等)と「ひと狩り」しているレックスシリーズに身を包んだ女性ハンター。何故か胸部だけは装着しておらず、熱波の砂漠に似つかわしいブラトップ(これまた轟竜柄)姿が一際妖艶に見える。遠方には二人のハンター(バンギス、ナルガ。共に遷悠防具と思われるGX)の姿も見える)
バンギス(剣士)男ハンター「ハッハッハッハッ!!ほれ!頑張れ、優子!!」(背中に同じく遷悠武器のネロ=アングイッシュを背負い、見るからに仲間を見下したかのような野次を飛ばしている)
ナルガ(剣士)女ハンター「わざわざメゼポルタから、あんたの好きな轟竜の武器を持ってきてあげたんだから、そいつの尻尾くらい切り落としなさいよぉ~♪」(腰にヒドゥントンファーを下げながら、まるで人事の様に激励している)
優子「ええええええええい!!」ザシュッ(斬り上げモーション)
ひょい(それをなんなく交わす轟竜)
優子「あ~~~」
ずでぇ~~~ん(絵に描いたようなダメ狩人ステレオタイプなコケ方を見せる優子)
優子「まだまだぁ~!!」すっく(と砂埃を払いながら立ち上がる)
バラン「・・・・・・・(参ったな・・。ここのところ、ハンター不足だってお嬢さん達から聞いていたからな・・すっかり油断して、狩猟エリアで寝ちまったのが運の尽きだったな)」ふぅ~
バンギスハンター「おい。今、あの轟竜、溜息つかなかったか?」
ナルガハンター「嘘。蜃気楼の「ぼやけ」で、そう見えたのよ」ゴクゴクゴク(グーク型の水筒を飲む。おそらくクーラードリンクが入っていると思われる)
優子「いきますよぉ~~!!」ザッ
バラン「・・・・・・・(殺すのは簡単だ。問題は明らかに余所者のこいつら(狩人)を前に、如何にして普通種らしく振る舞うか・・だが・・)」
バンギスハンター「あいつ、結構デカイんじゃね?」ん~
ナルガハンター「メゼポルタじゃ勲章は貰えないからね。あんましサイズなんて気にしたこと無いけど、こっち(新大陸)の狩人には大事なんじゃない?」はぁ~あちぃ~
バンギス「聞いたかぁ~優子!!そいつを倒せばギルドからサーの称号を貰えるってよ!!」ハッハッハッハッハッ
優子「よぉ~~~し!!はぁああああああ!!」ダッダッダッダッダッ
バラン「・・・・・・・(この女は新大陸の人間か・・。なんだって余所者と同行してんだ・・?少し探ってみるか)」スッ(首を下げる)
優子「やあああああああああ!!」ダッ
ごつん(やさぁ~しく優子に頭突きを喰らわす轟竜)
優子「いたぁ~~~~い」ごろごろごろごろ
バラン「・・・・・・(駄目だ・・こいつ、ローゼンクロイツのお嬢さんより・・よえ~)」
ナルガハンター「ちょっと、コマン。助けてやったら?やっぱり優子じゃダメみたい」
コマン「お前こそ手伝ってやれよ、マリアーニ。だいたい優子はお前の幼馴染だろ?」
マリアーニ「ロックラックに帰省したついでに、優子を「コーディネーター」として雇っただけ。だいたい向いてないのよ。あの子にハンターなんて。ただ体が他の人より丈夫なだけで・・・やめりゃよかったのよ」ふん
コマン「優子の話じゃ、砂漠の都市では轟竜討伐のクエストは発令されてないそうじゃないか。だいのティガレックス好きなんだろ?優子は。だから張り切ってるのさ」
マリアーニ「ほんとバッカみたい。他所のギルドがある集会所に出向いて、こつこつ轟竜素材を集めて作ったレックスシリーズが、あと「ひと素材」で完成するっていうから、あの子の「ひと狩り」に付き合ってみたけど・・・見てらんない」ゴクゴクゴク・・(焼け酒を飲むように水筒を喰らう)
優子「いたたた・・・・」
バラン「・・・・・・・(なるほど。だいたい事情は飲み込めたぜ。レックス好きとは殊勝な心掛けじゃねぇか。少しくらいなら、俺の部位を「やって」もいいかな・・・なんつって)」フフん
コマン「尻尾が欲しいんだろ?轟竜の」
バラン「・・・・・・・(尻尾かぁ・・・生えるの時間掛かるんだよな・・昔、お嬢さんに「試し切り」されたことあるが、いてぇのなんの・・・)」
マリアーニ「だいたい変わってるのよ、あの子は昔から。そもそもレックスシリーズなんて、武具共々人気ないじゃない。見た目だっさいし、使えないし」
バラン「!!」ガガーーーーーーーーン
マリアーニ「なんかゴツゴツしてトゲトゲしてるし。女子にまるで人気なぁ~し」
バラン「!!!!」ガガガーーーーーーーーン
コマン「色もなんか「う○こ」みたいだしな」
バラン「!!!!!!」ガンガンガンガンガンガンガガリリーーーーん
マリアーニ「野蛮なレックス科、丸出しってデザインが品性に欠けるのよ」
バラン「・・・・・・・(ださくて使えなくて女子に人気なし・・おまけになんか「う○こ」みたいで野蛮な品性に欠けるレックス科・・・」ワナワナワナワナ
ブバッ(ショックのあまり鼻血が吹き出る轟竜)
ガクン・・(顎から地面に堕ちる轟竜)
優子「??」ぴちょぴちょぴちょ(足下に「轟竜の鼻血」が流れてくる)
バラン「・・・・・・(お嬢さんやボニー達も・・俺の事、そう思っていたのか・・・・いっそのこと、絶滅種になりたい・・・)」しょんげり
優子「あなた、どこか変わってる轟竜ね」じー
バラン「・・・・・・(おっと、いけねぇしょげてる場合じゃなかったんだ)」むくっ
優子「ひょっとして・・・私達の言葉が・・分かるの・・?」(首を上げた轟竜のでかい顔面を見上げる)
バラン「・・・・・・・・・・・」ちら
優子「・・・・・・・・・・」きらきらきらきら(純真そのものの瞳)
バラン「・・・・・・・・・・・」
コマン「優子!!今だ!!罠はって尻尾切っちまえ!!」
優子「あ、そうだった」がさりごそり(ポシェットをあさる)
バラン「??」
優子「ごめんなさい」ぺこり(ざっくり開いた胸元に御守らしきペンダントが見える)
バラン「??」
シュパパパパパ!!ぱんぱんぱんぱん
(ザ・高速罠設置で瞬く間に轟竜の足下にシビレ罠を仕掛ける優子))
バラン「あぎゃあああああああああ(あの御守は「罠師」のやつかぁ~!!だからハンターってのはぁ~!!)」ビリビリビリビリビリ
優子「え~っと・・そうそう。そのままね。すぐ終わらせるから」むん(尻尾の前に立ち、刀を振り上げる)
バラン「あぎゃあああああああ(このままでいてやるから、早く切れ・・!!)」ビリビリビリビリ
マリアーニ「あれ。意外と順調みたい」
コマン「ぶった斬れぇ~!!」
優子「えっと・・狩猟マニュアルによると・・確か切断面は・・・」じろじろ
バラン「あぎゃあああああああああ(仕方ねぇな・・・ほれ・・)」
ぴろ(痺れながら、それとなく切りやすい位置に尻尾を下げてやる)
優子「あった♪ここだ・・ええええええええい!!」ブオーーーーーン(力いっぱい太刀を振り下ろす)
ぶっち~~~~~~~ん!!
バラン「ほらみろ、やっぱり痛ええええええええええええ」ボギャアアアアアアア(声出して泣いた。咆哮効果大)
マリアーニ「嘘!?」
コマン「喋りやがった!!」
ドスーーーーーーン
(砂漠の大地に落ちる轟竜の尻尾。まだ「うねうね」してる)
優子「あなた・・・やっぱり言葉を喋るのね?」
バラン「・・・・・・・・・・・」ぷす~~~~ん(シビレ罠が解除され、同時にそっぽを向く轟竜)
優子「すごい・・・知的生命体種の轟竜なんて・・・・生まれて初めてみた♪」
バラン「・・・・・・・・・・・」(感激する人間の女の子を細目で見下ろす)
コマン「優子ぉおおおおお!!下がってろぉおおおおおおお!!」ダッダッダッダッダッ
マリアーニ「噂の知的生命体種を捕獲して、一獲千金ってねぇ~!!」ダッダッダッダッダッ
優子「マリアーニ・・・待って!!この子は!!」
バラン「心配すんな。あいつらには手加減しねぇ」キッ
優子「え・・・」
ボギャアアアアアアアア!!
(迫り来るハンター目掛けて大咆哮のソニックブラストを浴びせる轟竜)
マリアーニ「きゃああああああああああ!!」バギョオオオオオン(粉砕されていく遷悠防具と共に後方へ激しく飛ばされる)
コマン「ぐわぁああああああああああ!!」ズデェーーーーーーン(落下と同時にバンギスヘルムが真っ二つに割れる。中から出てきた顔はもちろん暑苦しいくらいのブサ面である)
バラン「だらしねぇな。チャンピオンベルトに相応しい狩人になってからその装備を着るんだな。着られてるうちはまだまだだ。着こなしてこそ、なんぼだってお嬢さんから聞いたぜ。人間のファッションってのは」ふん
優子「・・・・・・・・・・」じりじり・・(明らかに怯えている)
バラン「安心しろ。殺しちゃいねぇよ。そのくらいの「調節」、どうってことねぇ」じろ
優子「・・・・・・・・。どうして・・」
バラン「ああ?」
優子「どうして大事な尻尾を斬らせてくれたの・・?あなたなら、罠だって解除出来たはず・・」
バラン「・・・・・・・。さぁな。気まぐれだ。あんたこそ・・・・なんで轟竜なんだ?」ちら
優子「羨ましいの・・。恐れることなく、いつも元気に走り回ってるあの姿が・・」
バラン「・・・・・・・・・・」
優子「ほら、私、おっちょこちょいだし、他のハンターみたいにセンスもないし・・。ある人から教わったの。轟竜とソロで対峙出来て、はじめてハンターって呼べるんだって。クック先生同様に、轟竜も大事な試練のうちの一つだって・・・今までは他のハンターに手伝ってもらって、轟竜の素材を集めてきたんだけど、今日が初めてだったの。あなた(轟竜)とのソロ狩猟」
バラン「・・・・・・・・・・・」
マリアーニ「う~~ん・・・・」
優子「あ、マリアーニ!!」
バラン「手当してやんな。それから、俺の事は忘れろ。いいな」
優子「あなたと交わした会話も・・?」
バラン「・・・・・・・・・・・」
バッサバッサ!!バッサバッサ!!
(両翼を広げ、垂直浮遊していく逞しい轟竜)
優子「ねぇ!!またあなたに会える!?」バッサバッサバッサバッサ
バラン「砂漠は広い!!そして大陸はもっと広大なんだ!!分かるか、そんなこと!!」バッサバッサバッサバッサ
優子「探してみせる!!そしたらまたお話しましょう!!」
バラン「・・・・・・・・・・・・・」バッサバッサバッサバッサ
ギュオオオオオオオオオン!!
(乾いた風に乗り、一気に青空の向こう側へと飛翔していく轟竜)
優子「・・・・・・・・・・・・」ぎゅっ・・
アモン「砂原地帯、及び大砂漠フィールドにて、乱獲を行う男女のハンター・・・明らかにお前を探しているぞ。復讐の為にな」
バラン「俺の巻いた種だ。俺が決着をつける。お嬢さんや、ギルドナイトの手が回る前にな」ザッ
アモン「その尻尾をくれてやった、人間の女が心配だからだろ?」
バラン「・・・・・・・・・・」
??「バランちゃ~~~~~ん」
バッサバッサバッサバッサ
(月夜を背景に低空飛行してくる巨大な角竜。その両足には何やら巨大な竜頭型の兜をぶら下げている)
バラン「ディアベル・・・・」
ディアベル「よかった。間に合って♪」ドスーーーーーン(兜を蹴り飛ばしながら着地する)
ごろぉ~~~~~ん
(でっかい鉄製の兜がバランの足下に転がってくる)
バラン「これは・・・・」
ディアベル「丞相ちゃんからのプレゼント♪」
バラン「はぁ・・なんでだよ?」
ディアベル「メゼポルタから来た乱獲ハンターが、あんたのことを探してるって、アモンが丞相ちゃんに報告したの。そしたら以前よりあんたの為に開発しててくれた、このヘルムを被って、きっちり落とし前つけてこいってさ」
バラン「・・・・・・・」ちら
アモン「・・・・・・・・」(そっぽを向いている黒角竜)
ディアベル「カーブーちゃんの連れてきた、東方一のブラックスミスが作ってくれたのよ♪あたしと同じ匂いのする、とっても素敵な「彼」♪もぉ~、ユクモからここまで運んでくるのに苦労したんだからぁ~。でも少しはダイエットできたかも♪」
バラン「・・・・・・・・・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(見るからに鉄製の無骨な作りの竜頭型アーメット)
ディアベル「まだ試作段階だからデザインは気にするなって。あ、それと性能テストもしっかり報告するのよ?「弱点」の頭をちゃんと守れたかどうか」くすっ
バラン「フッ・・」
ガシッ(両前足でがっちりとヘルムを掴む)
ガチーーーーーーン!!
(鉄製のアーメットを被った知的生命体種の轟竜)
バラン「ほんじゃあ、お世話がせしに、ちょっくら行ってくるぜ!!」
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
ザッザッザッザッザッ・・・・・(月明かり照らす広大な砂漠エリアを歩く三人のハンター)
コマン「クソぉおおおお!!あの轟竜、何処に行きやがった!!」(怒れるバンギスの仮面はなんだか接着した痕が見られる)
マリアーニ「見つけたらただじゃおかないんだから」ザッザッザッザッ
優子「ねぇ、こんなことやめようよ!砂漠のモンスターを乱獲して、怒ったあの子を誘い出そうなんてやっぱりおかしいよ!!」(装備は以前と同じく、まだ胸部だけ装着していない)
コマン「うるせえ!!こちとらメゼポルタのハンターなんだ!!新大陸如きになめられてたまるかっての!!」
マリアーニ「それに相手は知的生命体種だよ?生きたまま捕獲して、連れ帰ってご覧よ?一躍ヒーロじゃん」
優子「ダメだよ、そんなこと!乱獲だって、もしギルドに知られたらライセンス剥奪になっちゃうかもしれないんだよ!?」
マリアーニ「うるさいよ!!」ドン
優子「ああ・・!!」ズデーーーーン
マリアーニ「モンスターをこの世界から、狩り尽くすのがあたしらの仕事なんだよ!?そんなに轟竜が可愛かったら、ハンターやめて保護団体にでも入ればいいじゃん!!」
優子「狩り尽くすだなんて・・・そんなのモンスターハンターじゃないよ・・」ぐすん・・
バッサバッサ・・・・
コマン「見ろ!!」
バッサバッサバッサバッサ
(満月を逆光に、羽ばたきながらエリアに「イン」してくる、兜を被った悪魔の様な轟竜のシルエット)
優子「あれは・・・・」
コマン「あの野郎だ!!クソ!!バケモンが!!兜なんか被ってやがる!!」
マリアーニ「よく見なよ、優子!!あれでも大人しいモンスターだっていうの!?あんなものを放っておくことこそ、危険なんだよ!?分かる!?」
優子「違うよ!!話しあえば分かるもの!!その為に私達は言葉を喋ることが出来るのよ!?あの子だって同じ!!だから・・」
コマン「黙ってろ!!」ドン
ドスーーーーーーーーーン!!
(狩猟団の前に着陸してきた黒鉄のアーメットを被った轟竜)
バラン「・・・・・・・・・・・・」じろっ
優子「・・・・・・・・・・・・」しくしく・・(泣きながらバランを見上げている)
コマン「探したぜ。お前、言葉が分かるんだろ?」ゴイン(ネロ=アングイッシュを抜刀して構える)
バラン「・・・・・・・・・・・・」ギロ
マリアーニ「どっちにしたって狩ってあげる。この前の様にはいかないわよ」
優子「ダメ・・・やめて・・・」
バラン「ボギャアアアアアアアア!!!!」(月夜に向かって吠える轟竜)
コマン「高級耳栓だ!!この野郎ぉおおおおおおお!!」ダッ(大剣を振り下ろしながら襲いかかる。その隣ではヒドゥントンファーを両手に飛翔するナルガGX装備の女ハンターの英姿も)
優子「やめてぇえええええええええ!!!!」
ゴギャアアアアアアアアン!!
(大剣の刃と一対の穿龍棍が兜に必中し、激しい重撃音をエリアに響かせる)
コマン「うおおおおおおおおお!!」グラッ(衝撃で退く男女のハンター)
バラン「毎度お騒がせしまぁあああああす!!!!」
グルン
(轟竜特有の旋回モーションに「巻き込まれ」、後方へ吹っ飛ぶ男女のハンター)
マリアーニ「きゃあああああああああ!!」
ドシャーーーーーーーン!!
コマン「・・・・・・・・・・・」ピヨピヨ・・
マリアーニ「・・・・・・・・・・」ピヨピヨ・・(仲良く抱き合いながら砂に埋もれている)
優子「・・・・・・・・・・」ちら(涙を流し、両膝をつきながら屈強な轟竜を見上げる)
バラン「・・・・・・・・・・・」(月明かりを背に逆光になっている為、その表情は正確には分からない)
優子「また・・会えたね・・」ぐすん
バラン「仲間を連れて今すぐ去れ。そいつらは砂漠の隣人を殺し過ぎた。仮にここで見逃そうとも、ギルドナイトがその二人を放ってはおかないだろう」
優子「え・・・なに・・それ?」
バラン「ギルドローによれば、乱獲した者には厳重な処罰が待っている。場合によれば、死という断罪が伴うケースもある。だからもう一度言う。早く消えろ」
優子「あなたは私達が知らないことも、たくさん知っている・・・頭がいいのね・・」
バラン「早く行け!!そうしないと、お前も巻き込まれるぞ!!!!」(その背後から忍び寄るナイトの影)
ガアアアアアアアアア!!
(飛びかかってきた黒い装束のギルドナイトを一瞬にして喰いちぎる絶対王者)
優子「・・・・・・・・・・・」ピシャッ・・(頬に血潮が付着する)
グッチャ・・グッチャ・・・
(滴る鮮血を垂れ流す人型を口に咥えた轟竜のシルエット)
優子「・・・・・・・・・・・」ぶるぶるぶる(泣きながら静かに後退していく)
ダッダッダッダッダッ!!
バッ・・・(気絶した男女のハンターを抱え、一目散にエリアから遁逃する女の子の健気な後ろ姿)
バラン「・・・・・・・・・・・・・・」グッチャ・・グッチャ・・(月夜を見上げながら人型を喰らい続ける轟竜の目に光る一滴の涙)
~7days later....
じりじりじりじりじり・・・・
(今日もいつものように馴染み深い日照りが続く大砂漠エリアを、仲良く歩く黒角竜とシルバーソル装備のベテランハンター)
サムソン「逃亡した例の乱獲者は、無事にメゼポルタで捕まったそうだ。ギルドが科した刑罰だが、ハンターライセンスの剥奪及び、五年間の大陸奉仕活動で決着がついたようだ。これで少しは生命の大切さを学ぶといいがな」ザッザッザッ・・
アモン「優子という女も一緒か?」ドスン・・ドスン・・
サムソン「誰だ?それは。私がロックアラックのマスターから聞いた話では、主犯は男女のハンター一組だけだったぞ?」
アモン「ならいい。バランが殺したナイトについては?」
サムソン「おいおい。私はギルドナイツのメンバーじゃないんだぞ?これは予想だが、おそらく乱獲者の捕縛を命じられた「下位」のナイトは、その場に「たまたま」居合わせた轟竜に遭遇し、運悪く殺されてしまった。大陸社会ではどんな油断も禁物。ギルドナイツもそれで落ち着くだろう」やれやれ
アモン「手間をかけたな。砂漠の部隊を代表して礼を言う。丞相は何か言っていたか?」
サムソン「おぬしらを信用しておると。いつもどおりだ」ふぁ~(汗を流しながらあくびをしてみせる)
アモン「・・・・・・・・・」(どこか微笑んだ様子の黒魔王)
サムソン「それはそうと、悲劇の事件の張本人はどうした?」
アモン「悲劇か・・。あいつにとっては本当にそうだったかもしれんな」
サムソン「??」
アモン「遭遇しなかったか?今頃、都市の近くを飛んでるさ」クッ(太陽光降り注ぐ広大な空を見上げる)
~ロックラックシティ、居住区エリア....
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(溢れんばかりの日差しがさす、とある一室のテーブル上には、きちんと並べられたレックシリーズの防具が並んでいる。その中で一際目立つ輝きをみせているレックスメイル。その向こう側では気持ちよさそうに机で寝ている優子の姿も・・)
ギュオオオオオオオオオン・・
(成層圏から雲をかすめて小さく見える砂漠の大都市上を雄大に舞う轟竜。その顔は実に清らかである)
バランに男の優しさを見た/完ランキング参加中です☆皆様の激アツ一票で応援して下さいね♪
次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事は
5/23(出た!ジャンプと同じ月曜日)0時更新 出た!なぁ~も決まってねぇです
をお送りいたします♪そしたらさ、次回も咆哮あげながら読もうよなっ
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「バランに男の優しさを見た」の巻
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