~渓流山道、夜....
ゲゲゲゲ・・ゾゾゾゾ・・・
鉄平「あんだよ!この辺りにはゲゲゾンしかいねぇじゃねぇかよ!!ほら、もう一杯、千里眼の薬飲め!!」ぷんすか(片手には小瓶に入った怪しい液体を掲げている)
UBU「うぷ・・・ぼうお腹いっぱい・・ぼう水分いらない・・」うう・・(明らかに顔が青ざめている)
鉄平「人様の赤ん坊の病気に関わることなんだよ!!ほら、飲め!!」ぐいぐい
UBU「飲んだって、渓流に生息する野生のモンスターしか「感じ」ないわよ!!それにこんな気持ち悪い状態で上手に探知出来るわけねぇでしょうよ!!あほ!!」ばち~ん(口元に押しやられてる小瓶をはたき落とす)
ぱりぃ~~~~ん
(地面に叩きつけられた小瓶が割れ、中の怪しい液体が漏れると同時に、すかさず全身が鮮やかな黄色とピンクの縞模様をした、蜘蛛とサソリを足してニで割った様な節足動物門の群れがそれを舐めに来る。おそらくゲゲゾンであると思われる)
鉄平「ああ!最後のひとつを・・馬鹿野郎!!」ズガッ(ぐうパンチで仮にも主人の横っ腹を殴る)
UBU「うぷっ」
おええええええええええ(木陰でひっそり吐く、おお!哀れなあんまん女)
鉄平「今夜中に、阮さんの言っていた龍を見つけるんだ!!いいな!?」
UBU「手がかりがそれしかないんじゃ、いくら探したって・・・ぎゃああああ!!ゲゲゾンがいっぱい!!気持ちわりぃいいいいいいい!!!!」びょ~~ん(木に抱きつく)
鉄平「まじめにやれよ!!」ガッブーーーン
(足下のゲゲゾンを一匹掴み上げるとそれをUBUに向かって投げつける)
UBU「まじめにやってるわよ!!ヒントが少なすぎってこと!!ぎゃああああああああ!!」ぼさっ(頭の上に落ちてくるゲゲゾン)
鉄平「おめぇには分からねぇかもしれねぇが、俺とフラワーにとってバステトは命より大切な子供なんだ・・!親なら我が子に・・自分たちの姿を見せてやりてぇだろ・・・」ガクン・・
UBU「・・・・・・・・」(木にしがみついたまま、切ない表情で話を聞いている。その頭の上をゲゲゾンが這っていく)
鉄平「あいつの目が治るなら・・少しでも治る可能性があるなら、それをしてやるのが父親である俺の努めだ!!」ガツーーーーン(地面を殴りつける)
UBU「鉄平・・・・」
鉄平「付き合わせて悪かったな。お前はお前で、なるべく村を離れたくねぇんだもんな・・・いいよ。俺一人で探すから・・」ザッ
UBU「待ってよ。闇雲にこの広い渓流地区を探したって時間の無駄。アマテラスとスサノオに事情を説明して手伝ってもらおう」
鉄平「渓流部隊のメンバーは、みんな水没林に行っちまったのか?」
UBU「うん・・」バッ(木から飛び降りる)
鉄平「向こうの状況はそんなにまずいのか?」
UBU「心配いらない。信じて」
鉄平「・・・・・・・・。本当は一也や伯爵達にもバステトを見せてやりてぇが・・・わかってるよ。浮かれている場合じゃないってのは。でもよ・・・」
UBU「・・・そうだ!邪羅尼の婆さんに何か知らないか、聞きにいってみようよ!?カーブーを叩き起こして一緒に連れてけば、あの婆さん、力になってくれるかも!!」
鉄平「カーブーも目が見えねぇんだよな・・。想像してみろよ・・バステトやカーブーの脳裏には暗闇しかないんだぜ・・?」
UBU「・・・・・・・・・・・」
「今しがた、赤眼を畏れぬハンターが月明かりに照らされ墜ちていくのを目撃した」
UBU「え・・・・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(暗がりの木々の向こう側から、真赤な閃光を放つ2つの赤眼がこちらを覗いている)
鉄平「あいつか・・・刻竜ってのは・・」
UBU「カーブーを近くで見たのね?」
こくり・・(森の奥で真赤に光る2つの視線が、ゆっくり上下に動く)
UBU「月明かり・・・・ここからだと、あそこの断崖地帯が一番、見晴らしがいいわね・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(高台の山道越しに、UBUが見下ろす視点の先に映る景色は、断崖に四方を囲まれた森林地帯であった)
????「闇を恐れぬハンターよ。何かを探し求めているのなら、そこに行ってみるがよい。答えが見つかるかもしれない」ドスン・・ドスン・・(振り返り、再び闇の中に帰っていく刻竜の黒いシルエット)
UBU「あんたは行かないの?」
????「俺の求めるものは、そこにはない」ドスン・・ドスン・・
UBU「フフ・・。ありがとう、ノウン健一」
????「礼を言われる道理もない」ドスン・・ドスン・・・・(足音は次第に聴こえなくなる)
鉄平「なんだぁ~?あいつ。可愛くねぇ」
UBU「居心地がいいのかもね。彼も・・そしてもう一頭の龍もね」
鉄平「もう一頭って・・・居場所が分かったのか!?」
UBU「多分ね。ほんと、とんだ龍客ばかり・・あまりにも普通に馴染んでるから気が付かなったわよ」
鉄平「ほにゃら?」カサカサカサ・・(ヘルムの上をゲゲゾンが這っていく)
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
~カーブーんち(実家)....
サアアアアアアアア・・・・・
(渓流地区から穏やかな葉音が聴こえる中庭で、白いモフモフの猫の赤ちゃんを抱きながら立っているフラワー)
フラワー「あなたにも聴こえるかしら?これがユクモの夜の音よ」サアアアアア・・・・
バステト「・・・・・・・・・・・」じー(何処か神秘的に見える白濁化した瞳で夜空を見上げている)
フラワー「・・・・・・・・・・・」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・・
(目が見えないバステトが向いていた夜空には、美しい満月が優しい光を大陸全体に照らしている)
バステト「・・・・・・・・・・・」じー
フラワー「見える・・?」
バステト「・・・・・・・・・・」きょろきょろ(自分に問いかける声が、何処から聴こえるのか探っている様子である)
フラワー「・・・・・・・・・・・」ぎゅっ(我が子を強く抱きしめる)
バステト「ほみゃ~~~~」
フラワー「さぁ、もう中に入りましょうね」にこ
カーブー「う~ん・・・・」ザアアアアアア・・・
ファイヤージンガー「起きろよ、クソ兄貴」ぺんぺん(顔面の上に乗ったまま、葉っぱのお手でヘルムを叩く)
カーブー「この音・・・滝が近くにあるのか?それからこの背中の感触・・・苔か・・・森に落ちたのか?俺達は」ザアアアアアアア・・・
ファイヤージンガー「ああ。しかもとんでもねぇ秘境にな」ちら(上を見上げる)
ザアアアアアアアアアア・・・・・
(ドスビスカスが見上げる景色は、おそらく人の手に触れられてはいないであろうと思われる、断崖植物群落が生い茂る岩壁に四方を囲まれており、その丘の上からは清らかな滝が流れ落ちている秘境エリアであった。また、真上から差す満月の仄かな光が、この原生林地帯をより神秘的に照らしている)
ファイヤージンガー「お嬢と散々渓流フィールドは探索したつもりだったが・・・やっぱり大陸ってのは広いもんなんだな、クソ兄貴」(うっとりと360度に広がる景色を堪能している)
カーブー「頭打ったら喉乾いた」(仰向けのままぼやく)
ファイヤージンガー「はぁ・・?」
カーブー「滝があるなら近くに滝壺があるだろ?だから、俺、水飲みたい」
ファイヤージンガー「・・・・・・。俺、初めてお嬢が恋しく思えてきたよ」よいしょっとな(茎の脚を上手に動かし、ドボルの左肩に移動する)
カーブー「わははははは(から笑い)まぁそう言うなよ」よいしょっとな(ドボルヘルムにバカな表情を浮かべ起き上がる)
ずるぅ~~~~ん
(と艶やかにコケる、おお!我らが悲しきドボル)
カーブー「うぎゃああああああ」ずでぇ~ん(後頭部から着地)
ファイヤージンガー「なぁ。もう家に帰ろうぜ」(同情の眼差し)
カーブー「駄目だ。お水が飲みたい。ん・・・」むにむに(大の字になりながら、なにやら両手で地面をむにむにと確認している)
ファイヤージンガー「水って言ったって、辺りには滝壺なんか見えねぇぞ」きょろきょろ(辺りは「低め」の木々で囲まれている)
カーブー「今いる場所を詳しく教えてくれないか?」むにむに
ファイヤージンガー「断崖絶壁に囲まれた森林地帯だが・・・ん・・・・よぉ~く見ると、なんだか丘の上みたいだな。下にも木々が見えるぜ」ん~~
カーブー「俺達がいる場所は全体的に、なんだか「ぽっこり」してるか?」むにむに
ファイヤージンガー「そういやそうだな・・・なんか「まあるい」物の頂点にいる感じだな。きっと」
カーブー「ロージーがUFOを見たっていうのは、どうやら本当だったようだ」むにむに
ファイヤージンガー「はぁ?どういう意味だよ」
カーブー「モンスターの上だぞ。ここ」
「おりゃあああああああああ!!」
カーブー「ん・・この声は・・・」
ファイヤージンガー「丘の上から誰か落ちて来るぞ!!」
UBU「でりゃあああああああああああ!!」ギーーーン・・・ギーーーン・・
(紫洸を放つ煌黒大剣を溜め斬りモーションで振りかざしながら、落下してくるUBU。背中には鉄平をおぶっている)
ファイヤージンガー「ユクモのお嬢さんだ!!」
UBU「はちょおおおおおおおおおお!!!!」バショーーーーーーン(溜め完了のエフェクトを全身に迸らせながら急降下してくる)
ダギャアアアアアアアン!!
(カーブーが寝ている真横の大地に渾身の一振りを浴びせるUBU。その衝撃で宙に浮くカーブー)
カーブー「流石、UBUさん」ふわぁ~(浮きながら称賛する)
UBU「あんたの嗅覚もね」にや
ファイヤージンガー「なんだってんだよ!?」どすん(再び背中から落下するカーブー)
いたぁあああああああい!!
(悲痛の叫びが秘境エリアに反響しまくる)
ファイヤージンガー「おおおおおおおおおおお!?」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!(叫びと同時に地面が激しく揺れ動く)
鉄平「的中だ!!阮さんの言っていたゲストってのは、こいつだったんだ!!」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!
ファイヤージンガー「おい!!なんか浮いてねぇか!?マジかよ!?」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!(地響きと共にゆっくり浮上していく大地)
カーブー「安心しろ、これは現実だ。幻覚キノコは食べてないだろ?」フフ・・(仰向けに寝たまま大地の振動を愉しんでいる様子)
UBU「さぁ!!姿を見せなさい!!古龍目、岳龍亜目・・」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ!!
ドゴオオオオオオオオン!!
UBU「ヤマツカミ科の龍客さん!!」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・
ファイヤージンガー「って、ことは・・この下が・・・浮岳龍ぅ~~~~!?」(その真横では仰向けで高らかに笑うドボルヘルムの横顔)
UBU「それも、あなたと同じインテリジェンス・スピーシーズのね♪」(ギクッとするジンガー。それを受けて更に笑うカーブー)
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事は!?
7/16(土)0時更新 秘密。それは秘密(なんも決まってない)
をお送りするだわさ♪ほいだらばさ!!次回も「運搬スタイル」でお買い物の袋をへっこらへっこらと運びながら読もみようよ
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「ほんと、とんだ龍客ばかり・・」の巻
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