~ニャー神殿正門....
ザアアアアアアアアアアア
(ピラミッド型神殿の正門付近で何やら密談をしている、青いどんぐりネコシリーズを装着した門兵二名と黒子猫二名)
門兵A「な・・そ、それでは人型の侵入者が陛下のお命を狙いに、神殿に来る可能性もあると申すのか!?」
黒子猫A「陛下だけではありません。宰相様もまた、敵の標的であることには違いないでしょう」ザアアアアアア・・(びしょ濡れになった頭巾の面隠しから茶色の毛並みが透けて見える)
門兵B「そ、それはまずい!!」
黒子猫A「聞けばこの神殿内は、以前にも人型の侵入を許しているとか・・。二度も失態を見せれば、神殿内の警護はあなた方、どんぐり部隊に代わり、ザザミ部隊が任せることになるでしょうな」
門兵B「ならん!!ザザミソごときにこの神殿の警備は務まらん!!」
門兵A「一刻も早く神殿内の仲間にそれを伝えよう!」
黒子猫B「お待ちを」ザアアアアアア・・(面隠しの下から編みこんだ長い顎鬚が透けて見える)
門兵B「なんだ!?早く伝えねば我らの首が危ういのだぞ!?」
黒子猫B「時間が時間です。あまり事を大きくしては陛下の安眠を妨げ、それはまた宰相様もお望みではないでしょう」
門兵B「う~む・・ではどうすればよいのだ?」
黒子猫A「まず陛下のお部屋前の警備兵及び、同じ階の警備部隊を増やしましょう。それから万が一に備え、神殿の外壁にも警備兵をあたらせるのが良いかと。内から、そして外から神殿を護るのです」
門兵A「それは名案だ!早速、警備隊長にそのように伝え、配置してもらおう!」
黒子猫A「警備の手際良さを見せつければ、お二人の名もまた、宰相様に届くやもしれません」スッ・・(御意の姿勢をとる)
門兵B「ハッハッハッハッ!私が警備長になったら、今は雑用のおぬしらも我が部隊に加えてやるぞ!では!」ザッザッザッザッザッ(足取りも軽やかに神殿内に消えていく)
門兵A「さぁ、おぬしらも中の警備兵達に伝言してくれ」
黒子猫A「ハッ」ガシッ
「あたちのモンハン日記」
~Dragon Destruction編~
ドドドッドドドッ!!ドドドッドドドッ!!
(土砂降りの林道を駆ける猫騎馬隊の進軍)
猫将軍「おのれ人型の侵入者め!!どこへ行ったぁ~!!必ずやひっ捕らえてやるぞぉ~!!」ドドドッドドドッ!!
ドドドッドドドッ・・ドドドッドドドッ・・
(林道に添ってエリアアウトしていく猫騎馬隊)
ザアアアアアアアアアア・・・
(密林内よりそれを見届けるあやしげな視線)
??「なんとか撒いたようだな」
??「ほみゃ~」
がさり・・
サムソン「我らも急ごう。早くグレン達と合流するのだ」
ゲルハルト「ほんみゃあ~(さっきのギルドナイトが問題だな)」
サムソン「ん?なんて言った?」
ゲルハルト「フフ・・・みゃ~って、フミフミ(やっぱりお前が一番落ち着くよ、サミュエル)」
サムソン「ほむ?」ザアアアアアアア
ゲルハルト「ほにゃらね(急ぐぞ!お前が風邪を引いちまう前にな!!)」ダッ
パシャパシャパシャパシャパシャ
(雨の密林エリアを颯爽と走る灰色のギルドナイト)
黄「・・・・・・(クルセイダーズの狙いも破壊工作・・・奴等の情報網はナイツにも劣らぬというが、一体どうやって太古のプロメテウスを鎮めるつもりなのか・・・・・っ」
カキーーーーーーーン!!
(突如目の前に飛んできたブーメランを刹那の抜刀術で弾き返す隻腕のグレーナイト)
黄「刺客・・・・出てこい。と言ってもそうはいかんか・・・」ザアアアアアア(降りしきる雨が深々被ったハットのつばを伝っていく)
ビョッ!!
(黄の背後から小太刀を持った黒い影が襲いかかる)
黄「甘い」
ブオオオオオオオオオン!!
(豪腕の右腕で大きく薙ぎ払った天上天下無双刀を空中で間一髪、回転回避する忍び猫)
ニャン蔵「・・・・・・・・・・」ヒュオオオオオオオオ(スーパースロー。逆さに回転しながら、太刀を薙ぎ払う黄の顔を目視する)
黄「・・・・・・・・・・・」ブオオオオオオオオオン(スーパースロー継続。薙ぎ払いの風圧により、灰色のハットが脱げると同時に左目の眼帯が外れ、ざんばら髪越しに不気味な混沌眼が赤く光る)
ニャン蔵「!!」
黄「串刺しになれ」
グンッ!!
(スーパースロー解除。薙ぎ払いの反動を利用し、刺突の構えをとる黄)
ニャン蔵「ハァアアアアアアアアア!!!!」バシューーーーーン(宙で逆さになったまま気組を注入しオーラを発する)
黄「!!」
ドオオオオオオオオン!!
(躊躇なく忍猫に渾身の突きの一撃を放つ黄。またしてもすんでのところでそれを回転しながら回避するニャン蔵。剣先より放たれた剣圧は竜巻状に旋回しながら通り過ぎていく)
ニャン蔵「フン!!」シュタッ
バギャアアアアアアアン!!
(着したニャン蔵の背後で剣圧を受けた大木が粉砕される)
黄「なるほど。ネコの胆力を極めることで、戦慄効果に打ち勝ったのか」ザアアアアアアア(雨に濡れた前髪が左目を覆っている)
ニャン蔵「貴様こそ、怪奇な異物を義眼にするとは考えたな」ザシュッ(小太刀を構える)
黄「いいだろう。相手になってやろう」スッ・・(右腕に持つ天上天下無双刀を無造作に下へ垂らす)
ニャン蔵「・・・・・・(無形の位・・・この男・・・・出来る・・!)」じりっ
ザアアアアアアアアア!!
(雨の密林エリアで対峙する灰色の剣客と忍猫)
黄「いつでもいいぞ。打ってこい」ザアアアアアアア
ニャン蔵「・・・・・・・・・・・・」じりっ
ザアアアアアアアアア!!
??「ちょっと待った!ちょっと待ったぁ~!!」
ニャン蔵「!?」
黄「・・・・・・・・・」やれやれ
サムソン「一世一代の斬り合い!!私が見届けてやるぞよ!!」バシャバシャバシャ(実に無骨な走り方でエリアに「イン」してくる初老のハンターとそのオトモ)
黄「ユクモの連中はどいつもこいつも場の空気が読めんようだな」パシャ・・(落ちていたハットと眼帯を拾い上げる)
ニャン蔵「あのハンターは王国騎士団領での・・・またしてもクルセイダーズか・・!」ザアアアアアアア
サムソン「さてさて。私も混ぜてくれるのかのぉ?」ザアアアアアアアア
ゲルハルト「・・・・・・(サミュエルにしては上出来だ。ここでこいつらを引きつけておけば、伯爵達に解体作業を任せられる)」
黄「時間稼ぎのつもりか?ご老体」フッ(再びハットを深く被り、眼帯を器用に右手のみではめる)
ゲルハルト「ほみゃ~~~(まったく嫌な奴だ)」やれやれ
ニャン蔵「・・・・・・・(どうしたものか・・・三つ巴を選ぶか・・・それとも・・・)」ザアアアアアアアア
サムソン「ほむ。久々に暴れようかのぉ~」ゴイン(煌黒堅鎚を抜く)
黄「とんだ茶番だ・・・・・ん・・!?」
サムソン「どうした?分かった。私がこわいのだな?」わかるぞぉ~
黄色「・・・・・・・・(なんだ・・・混沌眼が・・・・震えている・・!?)」カカカカカカ・・・(眼帯越しに小刻みに動く音がする)
ゲルハルト「ミャア!!」
サムソン「ほえ?」ちら
カクカクカクカクカク・・・
(左手に持つ煌黒堅鎚が微かに揺れ動いている)
サムソン「・・・・・・(アルメタが・・・怯えておる・・?)」カクカクカクカクカク
パァ~~~プゥ~~~~
(巨大な砲車と迅竜が並ぶ珍妙な密林エリアに角笛の警笛が反響する)
グレンジャガー「おい、ぶっ壊すなら早くやっちまわねぇと追手が来ちまうぞ」パァ~~~プゥ~~~~
サブ彦「ぶっ壊すとは・・この砲台をですかい?そりゃおやめになった方がいいですぜ」
マクシミリア「承知の上だ。だが破壊はしない。危険な化合属性を生み出す、このボイラーの中身を拝見するだけだ」
サブ彦「??」
ミッチ「なんとも簡単な仕組みだそうで。自分が心得ているっす」よいしょっとな(半壊された搭乗シートに乗っかる)
グレンジャガー「・・・・・・・・・・・・・」ザアアアアアアアアア(雨空を見上げている)
ミッチ「グレン殿。すんませんが自分をこのあんまんみたいに「まあるい」ボイラーの上に乗っけてくれませんか?」
グレンジャガー「・・・・・・・・・・・・・」ザアアアアアアアアア
マクシミリア「迅竜殿。如何された?」
グレンジャガー「・・・・・・・・・・・・・」ザアアアアアアアアア
ミッチ「グレン殿?」
グレンジャガー「お・・わりぃわりぃ。で、なんだっけ」ザアアアアアアア
ミッチ「この上に乗せて欲しいと言ってるっす」まったくもぉ~
グレンジャガー「お。そうかそうか。ほらよ」あんむ(ミッチの頭をまるごと「あまがみ」してボイラーまで運んでやる。はたから見れば獣人が迅竜に食われているような感じである)
ミッチ「ほっ」べちょ~ん(迅竜の唾液でべちょべちょになった顔面のまま、ボイラーの頂点に着地する)
マクシミリア「どうだ?ハッチがあるか?」
ミッチ「うっす。開けてみるっす」(足元に潜水艦のようなハンドル付きのハッチが見える)
サブ彦「だ、大丈夫ですかい」どきどき
マクシミリア「今は蒸気機関も止まっている。何よりもこの雨が冷却代わりになっているしな。どうだ?ミッチ」ギュリギュリ・・ギュリギュリ・・(ハットのハンドルを緩めている音が聞こえる)
ミッチ「あいたす」がぽ~ん
サブ彦「ひいいいいい」(伯爵の後ろに隠れる)
マクシミリア「どうだ?聞いた通りの構造か?」
ミッチ「うっす。コニー殿の情報通りっすね・・」ふむぅ~
ザアアアアアアアアア・・・・・
(ボイラーの内部を覗くと、下部から伸びる支柱によって固定されたあやしげな玉石が見える)
グレンジャガー「なにが入ってんだ?」ぬう(ミッチの頭上からボイラーの中を覗いてる)
ミッチ「これっすか?」ん~~(ボイラー内に手を突っ込んでる)
サブ彦「あわわわわわわわわわ・・」
ミッチ「恐暴竜の宝玉っす」チラぁ~ん(ボイラーより玉(ぎょく)を取り出す)
グレンジャガー「恐暴竜・・・まさひこのか?」ザアアアアアアア・・
ミッチ「うっす。このボイラーは、恐暴竜のその強さの秘密があるといわれる、この龍属性エネルギーの塊ともいえる宝玉に、蒸気機関の高火力から成る火属性エネルギーを衝突させることで、特殊な化合属性を作っていたんすよ」
グレンジャガー「化合属性・・・火の国で見たイコール・ドラゴン・ウェポンが腹ン中で作ってたものと同じやつか・・」ザアアアアアアア・・
マクシミリア「錬金合成ともいおうか・・そんな発想を考えたロイ・ファウラーという男は、余程優れた技師であったようだな」
ミッチ「そのロイ殿の奥さんであられるコニー殿の助言で、今回はこの兵器を食い止めることが出来たっていうわけっす。さぁ、グレン殿!これでこの砲車は、ただの動く砲台にグレードダウンしたっす!!思う存分、ぶっ壊していいっすよ!!」しゅとっ(下に降りる)
グレンジャガー「おっしゃ。こんなあぶねぇもん、こうしてやらぁ~!!」
ガシャーーーーーーン!!
(爪に付けた鉄製のネイルでボイラーを吹き飛ばす)
ミッチ「なんとか成功したっすね・・。コニー殿の話では、ボイラーの製造は可能でも、獣人がこの恐暴竜の宝玉を手に入れること自体が難しいので、大量生産は難しいだろうという話っす」ダオーーーーーン!!(次々と砲車を破壊していく迅竜を眺めている三人の獣人)
マクシミリア「だが、それも時間の問題だ。きっとニャン=ジュストは、この水没林の地の利を活かし、宝玉を外から密輸するに違いない。悪徳ハンターにゼニーを握らせれば、簡単な話だ。奴等がこのような殺戮兵器を最前線に送り込み、本格的な武力行使をする前に、この国の暴徒を食い止めなければならない」ガシャーーーーーーン!!
ミッチ「大丈夫っす。帝国軍と手を組んだんす。必ず・・・必ず革命の灯火を消してやるっす」バゴーーーーーーン!!
グレンジャガー「オラァあああああああ!!」ダシャーーーーーーン(必殺、尻尾叩き落としで砲身をへし折る迅竜)
サブ彦「この度は本当にありがとうございました。あっしはこれを機に、この国を出ようと思いやす」へこり
ミッチ「これを持っていかれよ」スッ(玉を渡す)
サブ彦「え・・」
ミッチ「売ればそこそこのゼニーに変わるはず。旅の軍資金にあてるがいいっす」
サブ彦「・・・・・ありがとうございます!この御恩は一生忘れやせん!!」へこり
ザアアアアアアアアア・・・・
(雨脚が強くなる中、玉を頭の上に掲げながらエリアアウトしていくメラルーを見送るミッチと伯爵)
ミッチ「しまった!今のメラルー殿に、ロイ・ファウラー殿のことを聞けば良かったっす!!」ガガーン
マクシミリア「コニー殿からのサブクエストか・・。今回は致し方あるまい。また、情報が取れ次第、接触してみよう」
グレンジャガー「・・・・・・・・・・・・・・」ザアアアアアアアアア(再び雨を見上げている迅竜)
ミッチ「グレン殿。一体さっきからどうしちまったんすか?」
グレンジャガー「いやな・・・俺は夜目が効くんだが・・・・この国の連中も作りやがったのか?」ザアアアアアアアアア!!(更に雨が強くなる中、真っ暗な雨空を見上げながら呟く)
ミッチ「何をっすか?」
グレンジャガー「イコール・ドラゴン・ウェポンをさ」
パァ~~~プゥ~~~~・・・・・・
(鉄格子の開き窓から雨音と共に牢獄内にも聞こえてくる警笛)
ロイ「・・・・・・・(領内で何かあったか・・?)」ザアアアアアアアア(うつ伏せになり、上から降り注ぐ水しぶきで頭を洗っている)
ブツブツブツブツ・・・・
(隣の牢獄から微かに聴こえる経文)
ロイ「まったく・・。不気味な夜だ」ザアアアアアアア
ブツブツブツブツ・・・・・
(雨音が響き渡る牢獄の隅で蹲りながら、何やら経文らしきものを唱えている黒衣のフードコートを纏った黒髪の女性)
ジーラ「水を煮立たす者、風を起こす者、木を薙ぐ者、炎を生み出す者、その者の名は・・・」パサッ(フードを拭い、真後ろ編みにした美しい黒髪を露わにする)
カッ
(鉄格子より差す稲光が、ジーラの後ろ首元を照らす。そこには邪龍を示す刺青が彫られている)
ジーラ「その者の名は・・・・ミラボレアス」ドシャーーーーーーン!!(落雷の轟音が牢獄エリアを劈く)
To Be Continuedランキング参加中なんだ!みんなの激アツ一票で応援してくれよな!!
次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?
9/12(月)0時更新 「Dragon Destruction編/PART12(完結)」の巻
をお送り致します♪よぉ!!そんじゃあさ、次回も咆哮をあげながら読も見ようよ
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「Dragon Destruction編/PART11」の巻
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