~ユクモ村、村長宅、朝....
ちゅんちゅん ちゅちゅんちゅん
ガイウス「思いの外、厄介になってしまった。村から受けた恩徳の数々、決して忘れないだろう」
スッ・・(コーネリアスと共に「ピカピカな」木床の上で並んで座礼し、深々と感謝の念を込めた合手礼をみせるガイウス)
村長「どうか頭をお上げになってください。礼をしなければならないのは我々の方です。ガイウスさんが村に与えてくださった見識の数々に比べれば、大したもてなしもしてさしあげられず・・子どもたちに代わり、礼を言わせてください」スッ(こちらも深々と合手礼で返す)
ガイウス「はて・・子どもたち・・?」(頭を下げながら自分に問う)
村長「トンコさん達ですの。毎日、ガイウスさんと一緒に登下校し、学園生活を共にしたことで、大変多くのことを学ばせて貰っていると・・UBUちゃんから聞きました。彼女もまた、ガイウスさんにはとても感謝していると」スッ・・(頭を上げ、笑顔で応える)
ガイウス「・・・・・・・・・・」(その隣で同じく頭を下げたまま微笑んでいるコーネリアス)
村長「ユクモでの日々は、ガイウスさんにとって有意義であられましたか?」にこ
ガイウス「村人の温情という庇護を受けながら、温泉では心身を癒やし、旅宿では毎日が祝宴のような御造作にあずかり、毎夜、快適な睡眠をとることが出来た。学園では様々な種族から成る教師、そして生徒諸君らの厚い支援により、大変意義深い教示を賜ることができた。到底、他の書士では体験出来ない記憶と心象が、確かに私とコーネリアスの中に芽生えたのもまた事実。これもひとえにユクモの加護があればこそ。誠に感謝致す」スッ・・(再度、礼を示す二人)
村長「ユクモは寛容です。ガイウスさんからそのように評して頂いたことは、我らユクモの民ならず、学園の生徒たちにとっても大きな財産となりましょう。子どもたちには、今日発たれることは?」
ガイウス「子どもたちに告別の辞を示すのは性に合わない。村が活気づく前に発つつもりだ」ス・・(コーネリアスと共にゆっくりと頭を上げる)
村長「そうでしたか・・。すあまちゃん達・・どんなに悲しむことでしょう・・」
ガイウス「・・・・・・・・・・。私がいれば、学園に・・そして村にも被害を齎しかねない。どうかご理解頂きたい」スッ・・(顔を上げたまま目を閉じることで、その意志が固いことを示す)
村長「その憂虞もまた、UBUちゃんから聞きました」にこ
ガイウス「なに・・?」
村長「自分がもっと早く手を打てていれば、今回の騒動、そしてガイウスさんの離別を止めることは出来ただろうと・・・昨日の晩、彼女がここに来たのです。彼女なりに、私に心配させないよう、学園で起きたこと、そしてガイウスさんが今日、出発することを教えてくれました」
ガイウス「・・・・・・・・・・」
村長「彼女もまた、今のガイウスさんと同じくらい悲哀に満ちています。どうかそれだけは分かってあげてください」
ちゅんちゅん ちゅんちゅん
(微笑む村長に対し、深々と礼をするガイウスとコーネリアス)
ザッザッザッザッザッ・・・・(湯けむりが朝霧のように覆い尽くす断崖に挟まれた道から、村の中心部へと抜けてくるガイウスとコーネリアス)
コーネリアス「この独特な景観を歩くのも、今日で最後ですね・・」モワモワモワ・・
ガイウス「・・・・・・・・・・・」モワモワモワ・・
コーネリアス「本当に・・素敵な所です」モワモワモワ・・
ガイウス「うむ」モワモワモワ・・
ザッザッザッザッザッザッ・・・
コーネリアス「ん・・あれは・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
(橋の向こう側から、村長がいつも座っている長椅子に腰を下ろしながらこちらに向かって手を振っているオレンジ色の撫子衣装を纏った少女と、ロックラック衣装を纏った男性狩人の姿が見えてくる)
コーネリアス「お見送りでしょうか・・」
ガイウス「どうかな」ザッザッザッ・・
ロージー「あはははは。やっぱり来た来た」(手を振るその左肩からの上から、同じく葉っぱの手を振るドスビスカス。体(胴体部)が痒いのか、なんだかもじもじしている)
ガイウス「やっぱり?」ザッザッザッ・・
ポール「旅館に行ってみたんですよ。そしたら今朝早く、チェックアウトしたって聞いたもので。村長さんの家か、或いはここかなと思って」ちら(奥に見える「あたちハウス」を見る)
ガイウス「・・・・・・・・・・。見送りならいらん」ザッザッザッ(足早に立ち去ろうとする)
ファイヤージンガー「可愛くねぇおやじだな。追っかけろ、お嬢」ぐいっ(前髪を引っ張って「起動」させる)
ロージー「あ~ん!待ってよぉ~」したたたた
ガイウス「でかい声を出すな。家主が起きたら事だ」ザッザッザッザッ(あたちハウスの前を横切り、階段を下っていく)
ポール「仕方ないでしょ?ここを通るしか、正面口には行けないんだから。なぁ?」
ファイヤージンガー「くすくすくすくす」(一緒に笑うコーネリアス)
ガイウス「だからこの時間を選んだ」ザッザッザッザッ・・
ロージー「挨拶・・いいの?UBUちゃんや、トンコさん達に・・。今日も学校は休校だから・・中にいるよ?」タッタッタッタッ
ガイウス「・・・・・・・・・・・」ザッザッザッザッ・・
コーネリアス「・・・・・・・・・・・・」ザッザッザッザッ・・(足早に歩く主に続きながらも、どんどん遠くなるあたちハウスを振り返って見ている)
ガイウス「お前たちこそ何をしに来た。まさか、最後の護衛というわけでもあるまい?」ザッザッザッザッ
ポール「森の中に飛行船を隠してあるんでしょ?万が一、道中に雷狼竜にでも遭遇したら、それこそ「事」だ。お供致しますよ」パチりん(実に憎らしいイケメンウィンクをかます。朝陽を浴びて白い歯がチラりと光る)
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
ザッザッザッザッザッザッ・・・
(村を背景に山道を歩くガイウス一行)
ロージー「お願い!龍結核について何か知ってることがあれば教えて欲しいの!」このとおり~
ガイウス「なるほど。それが聞きたくてあそこで待っていたのか」ザッザッザッザッ
ロージー「え・・・そりゃ勿論、お見送りもかねてだけど・・・ねぇ、何か知っているんでしょ!?昨日のUBUちゃんのことはあたしが謝るわ!だから教えて!」タッタッタッタッ
ガイウス「彼女は自分の戒律を守っただけに過ぎん。だから私も無理にそれを破ろうとはしない。それだけだ」ザッザッザッザッ
ポール「そりゃないでしょ。UBUはこれ以上、あなたがこっち(新大陸)にいることで、多くのことを知ってしまい、またいつあなたが襲われるか分からないから、あなたの質問に対し、わざと冷たくしているんだ。当然、クルセイダーズにも秘密主義はある。だからこそ、あまり深入りするのは・・」
ガイウス「私は真実を知りたいだけだ」ザッ(ポールの行く道に立ち塞がる)
ポール「その愚直さが彼女に迷惑をかけている。クルセイダーズの調査なら、分野が違うはずだ。それは別の機関に任せることだ」
ガイウス「私が愚直だと?まるで己自身がギルドの諜報員みたいな台詞だな」
ファイヤージンガー「お、激アツな展開♪」おろおろ(と、睨み合う二人の狭間の中で困惑しながら、大人達の顔を交互に見上げるロージー)
ポール「俺はただ、俺自身、ユクモに来てから学んだことを今ここで言っているつもりだ」おろおろ(するロージー)
ガイウス「ならば私も同じだ。知的生命体種の研究をすることが、大陸の未来に繋がると思っている。それが叶わないのならば、別の場所に行くまで」おろおろ(するロージー)
ポール「むざむざ殺されに、凍土にでも行くつもりか?」フッ(嫌味を言うポールに対し「よしなよ、ポールさん」みたいな顔で見上げてるロージー)
ガイウス「そうなればお前たちは、己の無力と無慈悲に嘆き苦しむだろうな」フン(反論止まないガイウスに対し「そんな意地悪を」みたいな顔して見上げるロージー)
ポール「そこまでの価値が、ご自分にお有りだと?」フフ・・
ガイウス「生命に優劣をつけるな、狩人。大陸にへばりついて生きている人間は、みんな自然を崇拝する。それは謙虚という美徳を知っているからだ」
ポール「ならばご教示願おうか。真のモンスターハンターたるは?」
ガイウス「それは・・」
「不言実行の志を胸に抱き、瞞着せず生命に忠節を尽くしながら大陸に敬意を払い、清貧篤敬にして誠実を貫き、時には人目を憚らず仲間と共に快哉を叫び、危険を顧みず他人の苦難のために奔走する遊侠の狩人・・それが真のモンスターハンターが目指す徳望の姿よ」
コーネリアス「UBUさん!」
UBU「どう?二人共。今の答えで満足した?つっても、理想論だけどね」(山道端の林から姿を見せるあんまん女。その傍らにはバステトを抱いた鉄平の姿も)
ガイウス&ポール「ふぅ~~~~~~~~~~」(自制を取り戻す一呼吸)
UBU「今の台詞、書き記しておけ。コーネリアス。なんちって」ちろっ(姦邪な蛇のような舌を「やっちゃいました」的な感じで出しておどけてみせるUBUに駆け寄るコーネリアスとロージー)
ロージー「良かった♪やっぱりガイウスさんをお見送りに来たのね?」
鉄平「まぁな。隠しておいた飛行船の準備はしといてやったぜ」ちら(林の奥には、いつ乗り込んでも飛び立てるように準備されている小型飛行船が見える)
ガイウス「そんなに早く追い出したいか」ふん
鉄平「そうスネんなさんな。あんただって、俺達に挨拶もかまさないで出発するつもりだったんだろ?」
コーネリアス「そういうのが苦手なんです。昔からガイウスさんは」くすっ(鉄平の耳元で囁く)
バステト「みゃんみゃん!」(「あんまん」と、UBUに睨みを利かす)
UBU「分かってるわよ。ガイウスさん。この煌黒大剣の秘密を知りたいんでしょ?」ゴイン
ガイウス「・・・・・・・・・・・・」むす(っとしながら頷く)
ポール「素直じゃないんだから・・」やれやれ
UBU「ガイウスさんの想像どおり、この大剣は煌黒龍の実態から手に入れたものよ。そしてカーブーに力を与えた瑠璃色の龍玉もまた同じ・・。納得した?」にこ
ガイウス「ふぅ~~~~~~~~~~」(しかめっ面をしながら受け入れがたい言葉をどうにかして飲み込もうとしてる)
ポール「・・・・・・・(実態・・・彼女は一体、何を喋っているんだ・・?)」
ガイウス「ロックラックで火の国を訪れたアカデミーの書士と会い、報告を受けたと前に話したな?」
UBU「ああ・・「コードネームはまだない」でお馴染みの人だっけ」
ガイウス「彼の者の話が嘘でなければ、神域地区で起きた異変、そしてアルバトリオンの実態の倒したのは・・UBU、お前だな?」
UBU「そんな話し、一体誰が信じるっていうの?煌黒龍が「絶滅」した今、それ以上の立証は出来ないでしょ?」ちろっ
ガイウス「・・・・・・・クックックッ・・・ガッハッハッハッハッハッ!!」
ポール「なんだぁ・・」
ガイウス「いやはや、ポール・ベインズ!そなたの言うとおり、我々はモンスターの生態調査が仕事だ!それ以外は分野外だったな!?」バンバン(ポールの背中を叩く)
ポール「はぁ?」バンバン
ガイウス「知能啓発とは限りを知らない強欲なもの。私とてまだ命は惜しいということだ!ジョンがアカデミーにいればな・・・・こんなに口惜しいことはないぞ。UBUよ」(真剣な眼差しでUBUを見つめる)
UBU「どうかな。もはや普通に狩りが出来ない体質になっちゃってるからね。そういう意味じゃ、ガイウスさんと同じかも」にこ
ガイウス「そうだな」フッ
ファイヤージンガー「なんだぁ?おっさん、急に機嫌が良くなったな」ぼりぼり(葉っぱの手で胴体を掻いている)
ロージー「仲良しはいいことよ♪」
UBU「さて、今度はガイウスさんの番よ」
ガイウス「うむ」
ポール「何も知らないんじゃなかったのか?」
ガイウス「さっきまではな。だが、今のUBUの話を聞き、長年抱き続けてきた空想と仮説が、現実に思えてきた」
UBU「??」
ロージー「なんでもいいの。ヒントになるようなことであれば、それを試してみるだけ」
ガイウス「何故そこまで追い詰める?」
ロージー「あたしのお母さん・・・龍結核で死んじゃったの・・。それが理由じゃ・・ダメ?」(真っ直ぐな目で見上げる)
ガイウス「・・・・・・・・・。父の遺言・・・残念ながら、龍結核の直截的な医療法に繋がるかは分からん。だが、関連するフィールドなら見つけることが出来るかもしれない」
ロージー「え・・・・」
ガイウス「龍結核の元凶である、龍粉を撒き散らす邪龍が棲むと云われるねぐらについてだ」
UBU「!!」
To Be Continuedランキング参加中なのです
ひと狩りひと読みしたらポチっとな
次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?
2/3(金)0時更新 「無論」の巻
をお送りいたします♪ほんだらばさ!次回も「ヘラクレスの豪腕」ばりの力でマウスを握りしめながら読も見ようよ
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「こんなに口惜しいことはないぞ」の巻
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