~ユクモ名物集会浴場(毎週火曜日は定休日)....
カネコーーーーーーーーー!!
(集会浴場の中より聞こえてくる、明らかにインコの「小高い声」)
金子「・・・・・・・・・」(うつ伏せのまま倒れている王族カナブン。可哀想に、背中からは後翅がだらしなく出てしまっている)
六本木「カネコ!!カネコ!!」
金子「・・・・・・・・・」
六本木「カネコ!!シヌナ!!」
金子「・・・・・・・・・」ぐぅ~~
六本木「・・・・・・・・」
ぺちょぺちょぺちょぺちょ
(横倒れになっている小瓶から流れ出ている「緑色」の液体を必死に舐めているカナブン。その光景を温かい目で見守っているインコ)
六本木「ドウダ?「カイフクヤク」ノ、アジハ」
金子「カナカナ」ぺちょぺちょぺちょしょきぃ~~ん
(口先から「ゲバっ」と出た二本のブラシ状の突起物を使い、回復薬を上手に舐めながら回復していく)
こいつら(甲虫目>コガネムシ科>ハナムグリ亜科>カナブン族)というのは、口先から飛び出た二本の触覚、正確には細い管状になった物体(毛細管)で蜜や樹液に触れ、その管の中を上昇してきた液を吸い取っているんだ。人間の生活でわかりやすく例えるなら、水の入った洗面器の中にタオルを入れると、タオルを伝って洗面器の外に水が漏れる現象と同じだ。この物理現象を『毛細管現象』というんだぜ。ちなみに、チョウやセミ、蚊などは、2本の長い管で出来た口を使い、この毛細管現象であがってくる液を吸い取っているんだ。はたから見れば、舐めたり吸っているように見えるが、奴等からすれば「触覚を通して伝ってくるのを待っている」といった認識なんだろう。更に余談だが、俺たちインコには「歯がない」んだぜ?なぜなら強靭な嘴があるからだ。笑っちゃうだろ?
六本木「シンパイシタゾ。カネコヨ」
金子「カナケッショ」へこり(舐めながら頭を垂れる)
どうやら金子は「パンツ探し事件」に関係ないようだ。安堵からなのか、なんだか俺も腹が減ってきた。早くパンツを見つけて、あんまんの皮でも突きたいものだ(「グ~~」と腹がなる)
六本木「オサワガセナ、カナブンメ」コラァ~
金子「ケケケケケケ」(触覚をケナケナさせながらわろうてる。よくみると、おでこになにやら「茶色固形物の欠片」が付着している)
待て・・。まだ金子が事件に関係ないと断定するには早いかもしれない・・。奴のおでこに付いている「茶色の固形物」・・。これは・・まさか・・・
テケテケテケテケ・・
調べる>どこを?>金子のでこ
くんくん・・(カナブンの金子にしてみれば遥かにでかいインコの顔面を近づけ、おでこの匂いを嗅ぐ六本木)
六本木「コレハ・・・」くんくん
金子「??」(口周りを緑色にぺちょぺちょさせながら、バカな顔して見上げている)
六本木「ダメダ。ワカラン」
そう。俺たち鳥類の嗅覚は極めて弱いんだ。その代わり、他の哺乳類に比べれば視覚はいいのだが・・。あの色と形いい、あれはおそらく・・・
テケテケテケテケ・・
触る>なにを?>金子のでこについている「う○ち」
おそるおそる・・(片足で器用に立ち、もう片方の足でおそるおそると金子のおでこに付いた茶色の固形物に触れる)
金子「??」(口周りを緑色にぺちょぺちょさせながら、バカな顔して見上げている)
つん・・ぽとり・・(金子のおでこから、茶色の固形物が取れる)
金子「カナケッショ!?」(自分のおでこから落ちてきた物体を見て、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してる)
六本木「カネコ、ソレハ、ナンダ?マサカ・・モンスターノ・・・フンカ?」しょっしょっ(と、爪を床で拭いている)
金子「・・・・・・・・・・」あ~~(と、前脚でぽんと手を打つ)
六本木「??」
金子「バウワウ」
六本木「BOWWOW・・・・イヌ・・・ソウカ!ドッグフードカ!」
金子「ケケケケケケ」
なるほど。金子は空腹のあまり、ドッグフードを盗もうとしたのだろう。そして返り討ちにあったに違いない。金子の姿がボロボロだったのは、ドッグフードの「おわん」の中に侵入した虫を追い出そうとした、「犬」にやられたものだったのだ!そしてその犬こそ、ビーのパンツをゴミ捨て場から盗んだという犬に違いない!!
テケテケテケテケ・・
聞き込み>誰に?>金子
六本木「カネコ。ソノ、ドッグフードハ、ドコニアッタモノダ?」
金子「カナ~・・・・」はて・・
六本木「オモイダセ。ダイジナコトナンダ」
金子「カナ~・・・・」はて・・
テケテケテケテケ・・
詰問する>誰を?>金子
六本木「タノム、カネコ」
金子「カナ~・・・・・」はて
六本木「・・・・・・・」イラッ
蹴る>誰を?>金子
ガッ
(前脚の鋭い爪を利用して金子のボディを蹴り上げる六本木)
六本木「ドウダ?オモイダシタカ?」
金子「カナカナ」こくり(口元から少し泡が出てる)
六本木「イウノダ。イヌガイルバショヲ」
金子「カナカナカナ。カナケッショ、ケソーン」(身振り手振り説明するカナブン)
六本木「ニワ・・イシヅカサンチノ・・」
なるほど。そう言えばこの前、UBUが言っていたな・・・「石塚さんちにアホみたいな顔した犬がきた」と・・。どうやら今度こそ、トレジャーアイテムをGET出来そうだ。
テケテケテケテケ・・
移動する>どこへ?
1.あたちハウス
2.カーブーんち(実家)
3.釜飯専門店「禅」
4.石塚さんち
もちろん、石塚さんの家だ!!
六本木「マタアオウゾ!カネコヨ!!」
バサバサバサバサバサバサバサ!!
(のんきに手を振る金子をバックに、颯爽と集会浴場を飛びだつ六本木)
「あたちのモンハン日記」
~ハードボイルド★バード探偵シリーズ~
~石塚さんち、裏庭....
ボフッ・・
(マスカット色の毛並みをしたブルドッグが、実に気持ち良さげな表情を浮かべ、裏庭の真ん中で日向ぼっこをしている。また、首には「ものすごい鋭利な」棘状型のパンキッシュな首輪を付けている)
六本木「・・・・・・・・・・」(古民家の屋根上から犬を捉えているインコ)
あいつか・・。見るからに危険な哺乳類だ。どこぞの王国では、犬に家畜を「狩らせた」後、屠殺する方が肉の味が良いと考える風習が馴染んでいると聞いたことがあるが・・どうやら、その仕事を請け負っていたのが、あのしかめっ面をした犬種なのだろう・・。その血腥い遺伝子を何世代も受け継いでいった結果、あのような「小憎らしい」顔面に進化したのだろう・・。
チラリぃ~~~ん
(ブルドッグが首からぶら下げているネームプレート(ギター型)には「BULLOGA(ブルオウガ)」と書かれている)
ジンオウガならぬブルオウガとは・・・石塚さんめ。なんとも危険な愛玩動物を飼いならしているつもりなのか・・。
ブルオウガ「・・・・・・・・・・・」ちら(屋根上に目をやる)
六本木「・・・・・・・・・・・」
ばっちり目が合ってしまった・・。普通の鳥類ならば、危険を察知し、この場を離脱する選択をするのだろうが、あいにく俺はインテリジェンスでね・・。貴様が放つ「威嚇レベル」にたじろぐほど、俺は小心者じゃあない。だからと言って、己の鳥類としての能力に過信するほど、自信家でもぉ~ない。ここは一発、単刀直入に聞いているか・・。
テケテケテケテケ・・
一発聞いてみる>誰に?>ブルオウガ
六本木「パンツヲ、ゴミステバカラ、トッテイッタノハ、オマエハダナ?」(屋根上より甲高い声で質疑する)
ブルオウガ「ガルルルルルル・・!!」こくり
ほぉ・・。犬というのは非常にインテリジェンスが高いと聞いたが、どうやら本当のようだ。俺を警戒し、捕食したい衝動を見事に自制心で抑えつつ、しっかり言語に対しても反応を示してみせた。やるじゃないか、ブルオウガ。
六本木「オマエガ、モッテイッタ、パンツハ、オレノユウジンノモノナノダ。カエシテハクレマイカ?」
ブルオウガ「ガルルルルルル・・!!」ぺちょり・・ぺちょり・・(よだれがすごい)
六本木「タノム。マジナンダ」
ブルオウガ「ウウウウウ・・・・!!」ひょっひょっ(顔は六本木を見上げたまま、犬指をもって遠くの地面を指し示す)
六本木「ム・・?」
そうか・・。犬は野生動物から食事を守るため、地面に「隠す」という種族本能があるというが、まさかパンツも隠すとはな・・。潔癖症のボニーが聞いたら、さぞ大騒ぎするだろう。フフ・・
テケテケテケテケ・・
調べる>どこ?
問題は、穴をほじくり返す俺=鳥を見て、あいつが黙っていられるかだが・・。
ブルオウガ「ガルルルルルル・・!!」ぺちょり・・ぺちょり・・
もはや理性の限界がきているようだ。だが、俺には奇策がある!
六本木「・・・・・・・・」ひょっ(背後に隠しておいたテニスボールを前脚で掴み上げる)
ブルオウガ「!?」
そうだ。その顔だ。お前たち(犬)は、このまあるく、よく跳ねる、不思議な物体が大好きなのだろう?
ブルオウガ「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」(早く投げてくれ!!と言わんばかりの催促を示す呼吸の乱れ)
六本木「ホラ!!トッテコイ!!」ケリィ~~~~ン(ボールをキックする)
ひょうううううううううう
(何軒か先の古民家の方へ飛んでいくテニスボール)
がしゃーーーーーーん
「きゃあああああ!!なにぃ~~~~~!?」(明らかにロージーの声が聴こえる)
六本木「GO!ブルオウガ!!」バッ(羽を広げて指示を出す)
ブルオウガ「ハッハッハッハッハッ!!」(よだれを垂らしながらGOする)
びゅうううううううううう
(ものすごい勢いでカーブーんち(実家)に突入していくブルドッグ)
「ぎゃああああああ!!犬~~~~~~!?」
六本木「サテ、イマノウチニ・・」バサバサバサバサ
しゅとっトットットットッ・・
(着地の勢いを殺すように、上手にほっそい二本足で優雅に歩くインコ)
六本木「タシカ、コノアタリダ」
ザッシュザッシュ
(あの鋭い嘴を利用し、みるみるうちに穴をほじくり返していくインコ)
六本木「ドウダ?」
ぼへぇ~~~~~~ん
(穴の中には、棒状の骨をはじめ、カラ骨、獣骨、大きな骨、なぞの骨、竜骨、いにしえの龍骨、黄金骨、各種骨髄、そして異形の骨までもが、ぎっしりと詰まっている)
六本木「・・・・・・・・・」(鳩が豆鉄砲を食ったような顔してる)
妙だ・・。ブルオウガが立派な「ボーンコレクター」であることには違いないが、肝心のパンツが見当たらない・・。いくら骨が白いからといって、パンツと同化して見えないほどでもあるまいて・・。
六本木「ム・・!?」
ぺちょりぃ~~~ん・・
(棒状の骨に付着している「何かしらの蜜」)
六本木「アレハ・・ハチミツ・・・」
考えろ、六本木。そのインテリジェンスをフル回転させるんだ・・!骨にはちみつ・・はちみつ=はちみつ工房、はちみつ工房=あたちファーム・・・分かったぞ!!農場にいる「はちみつ好きの誰か」が、「口に蜜を付けたまま」、パンツ欲しさに穴をほじくり返し、その時、棒状の骨にこびりついたに違いない!!と、なれば・・・
テケテケテケテケ・・
移動する>どこへ?
1.ロックラック
2.いっそのことドンドルマ
3.あたちファーム
4.ポーカーをする
六本木「ノウジョウダ!!」バサバサバサバサ(勢い良く飛び立つその背後では、ロージーのけたたましい悲鳴とブルオウガの怒涛の呼吸音が村に反響している)
~あたちの農場(通称「あたちファーム」。「わんぱく激アツスポット」として先日、ユクモ村観光名所に認定。第二、第三月曜日は一般開放休み。各アトラクション(猫トロッコ、激アツ大ジャンプシーソー等)のメンテナンスが理由)....
ととととと・・・
(シーソーの上を歩くインコ)
六本木「・・・・・・・・・・」ちら(真上に広がる御神木の枝枝を見上げている)
俺の推理に間違いがなければ、「農場一のはちみつ好き」が、この木のどこかにいるはずだ。ここはオトモアイルー達の見よう見まねで・・
スッ・・(シーソーの上で決死の表情を浮かべ、虫あみを手にするインコ)
六本木「・・・・・・・・」グッ
バサバサバサバサバサバサバサ!!
(枝枝の中に飛んでいくインコ)
六本木「ハッ!!」
ファサファサファサファサ
(木の中で一心不乱に虫あみを振り回すインコ)
六本木「ドウダ!?」ひゅうううううう(落下していく)
しゅとっトットットットッ・・
(着地の勢いを殺すように、ほっそい二本足で優雅に歩く六本木)
六本木「ドレ・・」ちら(虫あみの中を見る)
ぽへぇ~~~~~~~ん
(網の中で絡まっている一匹のドスヘラクレス。胴体より長い角は反り返っており、リーゼントのように見える。また、上翅(じょうし)は黄金色に輝いており、表面に「レウスのドクロ型タトゥー」をいれている)
六本木「ジェイムズ。オマエニ、キキタイコトガアル」
ジェイムズ「だからって虫あみは勘弁してくれよなぁ~」
こいつの名前は知的生命体種のドスヘラクレス、ジェイムズ・ヘットフィールド(♂)だ。自称「御神木の守護神」を名乗っており、この「虫の木用シーソー」の大木に募る虫達のリーダー的存在だ。見た目はかなりワルを気取っているが、面倒見のいい、仲間思いの激アツヘラクレスなんだ。唯一の欠点は、少しばかり「手癖」が悪いことくらいだな・・。
ジェイムズ「で、俺っちになんのようだ?」シュタッ(網より這い出て、地面に着地を決め込む)
六本木「オマエ、ケサ、マタUBUノ、ハチミツヲ、カッテニナメタナ?」
ジェイムズ「うっ・・や、やってねぇよ!!」スッ・・(すかさず白を切り、虫用の葉巻を咥える)
六本木「ココハ、キンエンダ」ケリィ~~~ン(葉巻を前足で蹴っ飛ばすインコ)
ジェイムズ「あっ・・」
コロコロコロコロ・・(転がった葉巻がキノコ畑の方へ転がる)
ジェイムズ「くそったれ!あれじゃあ「キノコの胞子」がくっついちまって、香りを楽しめねぇじゃねぇか!!」
六本木「シツモンニ、コタエロ。ハチミツヲ、「ヤッタ」ナ?」
ジェイムズ「・・・・・・・・・・」こくり(渋々と頷くドスヘラクレス)
六本木「UBUハ、イマダニ、タイセツニシテイル、ハチミツコウボウノ、シンニュウシャヲ、サガシテイル。ミッコクシテモ・・イインダゾ?」ちら
ジェイムズ「ちょっと待った!!それだけは勘弁してくれも、もしも、あのイカれた女にバレちまったら、俺は絶対に殺される!!」
六本木「アンマンムシキノケイ(あんまん蒸し器の刑)・・ダケジャ、スマナイダロウナ・・」ガブッ(キノコ畑のアオキノコを勝手についばむ)
ジェイムズ「あんたと俺の仲じゃないか!?なぁ、何をすればいいんだ!?要件を言え!!」
六本木「オマエノ、ヌスミハ、ハチミツダジャア~、ナイ」あむあむあむ・・しょきぃ~ん(アオキノコを咀嚼しながら小回復をみせる)
ジェイムズ「な、なんの話しやら・・・」
テケテケテケテケ・・
ひっくり返す>誰を?>ジェイムズ・ヘットフィールド
ぐりぃ~~~~~~~ん
(両翼をもって、ドスヘラクレスを豪快にひっくり返す六本木)
ジェイムズ「うわぁ~!!助けてくれぇ~~~~!!」あたふたあたふた(腹部を見せながら懇願する)
六本木「イエ。パンツヲ、「ヤッタ」ノハ、オマエダナ?」あむあむあむ(咀嚼しながら哀れなドスヘラクレスを冷酷な眼差しで見下ろす)
ジェイムズ「ああ、そうだ!!今朝、石塚のところの犬っころが、パンツを咥えて歩いているのを目撃したんだ!!奴が自慢げにパンツを穴に埋めた後、金子が襲われてる隙に、ほじくり返して頂戴したんだ!!」あたふたあたふた
六本木「ナゼ、ヤッタ?」あむあむ・・ごっくん
ジェイムズ「ポイントだ!!」あたふた
六本木「ワカルヨウニ、イエ」ガッ(甲虫目の弱点である腹部を軽く踏む)
ジェイムズ「ぎゃあああああああ!!ユクモポイントだよ!!パンツと交換しようとしたんだ!!」あたふた
六本木「ウソヲツケ。ポイントハ、「トウノムカシ」ニ、ハイシニナッタハズダ!!」ぐりぐり
ジェイムズ「ぐわぁああああああ!!それがまだ「やってるんだ」!!あんたも知っての通り、現在、この農場の土地の所有権はUBUにある!!ユクモポイントを交換していた「旧農場管理人」は、その職をUBUに奪われ、挙句、村を追放された!!ここまではUBUのプロット通りだった!!だが、旧農場管理人は、渓流の森奥に潜む山賊共の仲間に入り、そこで密かにユクモポイントの交換を行っているんだ!!」
六本木「ヤミコウカンカ・・・ゲスイナ・・」むん(と、足でドスヘラクレスを元通りにひっくり返してやる)
ジェイムズ「ハァ・・ハァ・・。俺は以前からユクモポイントに興味があったんだ・・。だが、ハンターではない俺に、その資格はない・・。おまけに、憧れだったユクモポイント制度は、UBUの野郎がハントでコツコツ溜めた資金を元手に農場を買い占めたことで廃止になっちまったんだ!!」ザシュッ(前脚を地面に叩きつける)
六本木「・・・・ソノ「ハライセ」ニ、UBUノ、ハチミツヲ・・?」
ジェイムズ「・・・・・・・(小さく頷く)欲しかったんだ・・。なんとしかして、ユクモポイントを・・・欲しかったんだ!!」
ガクン・・(膝から崩れ落ちるカブトムシを冷静に見下ろしているインコ)
六本木「ソレデ、ポイントニ、ナッタノカ?」
ジェイムズ「・・・・・・・(首を左右に振る)たった一言で追い返されたよ。「パンツはポイントになりません」ってな・・。苦労して手に入れたパンツも水の泡さ・・・」ちら(河の方を見る)
六本木「・・・・・・・!!」バッ(同じく河の方を見る)
ジェイムズ「役に立たねぇパンツなんざぁ、水に流しちまえ・・。今頃は・・・」
六本木「ハヤマッタコトヲ!!」バサバサバサバサ
ちょろちょろちょろちょろ・・
(緩やかに流れている川辺に立つ六本木)
六本木「クソ・・!!ドコダ!?クソ!!」きょろきょろ
ジェイムズ「無駄さ・・・。今頃、モガの釣り人が「ハズレ」を引かされているだろうよ」(諦めたように首を左右に振る)
六本木「クッ・・・!!」
考えろ・・考えろ!!六本木!!お前のその名前は、生まれ故郷だった、六本の松の木があった地名から受け継いでいるんだ!!立派な六本の松の木に恥じない、賢いインコになるって誓ったはずだ!!だから考えるんだ!!必ず突破口は・・・・
ババーーーーーーーン!!
六本木「アル!!」ガシッ(身の丈よりも大きい網を持つ)
ブーーーーーーーーン
(網を広げて川にぶん投げる六本木)
ジェイムズ「おお・・!!」
バシャーーーーーーーン
六本木「カカレ・・カカッテクレ・・!!」ぎょりぎょり・・!!(翼で網を微調整している)
ジェイムズ「無駄だ!パンツは流れる!!パンツは流れるものなんだ!!そういうふうに出来ているんだ!!」
六本木「カカレェエエエエエエエ!!!!」
ザバァ~~~~~~~ン
(全身全霊で網を引き上げる六本木)
六本木「パンツハ!?」きょろきょろ
びたんびたん・・
(サシミウオやらカクサンデメキンやらが陸地で跳ねている)
六本木「・・・・・・・・・・」
ジェイムズ「あんたはよくやった。よく・・やったよ・・」ぽん
六本木「・・・・・・・・・!!」
ぽへぇ~~~~~~~ん
(魚に混じった一個の『うなりうねり貝』が見える。そしてその螺旋状に巻き上がった先端には白い布状の物体が突き刺さっている)
六本木「パンツ・・・・」
ジェイムズ「フォーーーー!!奇跡だぜ!!あんた、最高のラッキーバードだ!!」
はっはっはっはっはっはっはっ
(川岸で抱き合うドスヘラクレスとインコ)
~夜、あたちハウス....
ゲゲゲ・・ゾゾゾ・・
BBB「な!?最高の履き心地だろ!?」(その後ろではUBUが大盛りのピザを「かなりでかめ」の皿に乗せ、運んでくる)
大塚さん「やぁ~、ほんと、あったかいなぁ~」(ヴォルネコシリーズを着た獣人が、白いブリーフを穿き、鏡の前でポーズをとっている)
BBB「似合ってるぜ、大塚さん。な、チェルシー」
チェルシー「うふふふふふ♪」(部屋の隅でエンボスメタルシールを手に、ニヤニヤしている)
こうして無事にパンツは「あるべき場所」に帰ってきた。ビーも、チェルシーも、そしてUBUもいるこのあたたかい場所に・・。
六本木「ヨカッタナ、チェルシー」(いつもの鳥かごに入ったまま話しかけている。その蓋を開け、餌をやってるUBU)
チェルシー「しょれもこれも、六本木のおかげにょ♪ありがとうにょ」へこり
BBB「俺も礼を言うぜ!!お前が大事なパンツを探してきてくれたから、今、こうして大塚さんは「試着」出来ているんだからな!ありがとうよ!六本木!!」
六本木「・・・・・・・・」(インコの顔はどこか誇らしげに微笑んで見える)
クエストなんて呼ぶほど大事じゃあない。
大塚さん「う~ん・・でも、少し濡れているような・・・」う~ん
六本木「・・・・・・・・」ぷい(顔をそむける)
だが、どんなに小さいクエでも・・
BBB「そんな小せえこと、気にすんなって!穿いてりゃ、そのうち暖かくなるのが、パンツってもんだ!!パンツってのは・・」
六本木「ソウイウモノダ」
あははははははははは
(満点の星空の下、あたちハウスから聞こえてくる「あたたかい」笑い声)
俺は解決してみせる
~パンツとピザとイケてるインコ/完ひと読みしたならポチっとな
皆様の一票が励みになるのえす
次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎは!?
3/27(月)0時更新 たぶん「なぜなに★あたモン」のおコーナー
をお送りいたします♪ほいだらさ!次回も甲虫目みたいな顔しながら読も見ようよ
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「パンツとピザとイケてるインコ/後編」
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