解放戦争の戦況は、カレン騎馬隊を先陣に置く猛豚軍が優勢にあった。対する解放軍は人海戦術でこそ対抗勢力を上回っているものの、なにぶん募兵から成る増援が主力である為、軍の統率力に欠け、中には人型入植者らの武装勢力に寝返る者も出始め次第には劣勢に立たされていく。更には砂漠の死神ことショットリーパー率いるブラックガーディアンのレンジャー部隊がニャンゴラ戦線に介入。入植者による各武装勢力の援軍と称し、人型至上主義のイデオロギーを掲げ、水没林より獣人猫族を排除するという名目で参戦したショットリーパーであったが、その裏では解放軍の支援を務める暗黒商会と密会し、戦争被害の拡大を条件に、自軍への兵器及び物資の援助を約束させるのであった。この盟約により暗黒商会は各NGO団体から資金援助を受ける解放軍と、人型入植者らの武装勢力両軍に兵器を売ることが可能となる。一方ショットリーパーの真の目的とは戦争被害拡大につけ込み、入植者から成る武装勢力の指揮権を確立した上で、同勢力が保持する薬物依存及び幻覚作用の成分を含有する植物を栽培するプランテーションを強奪すること、そしてこの解放戦争に暗黒商会の影をちらつかせ、それに釣られてきたユクモクルセイダーズを殲滅することで丞相UBUを戦地に招くことであった。ショットリーパーは解放戦争と暗黒商会を利用し、利益を得た上でUBUへの報復を目論んでいたのだ。
~ニャンゴラ戦線

ヒュウウウウウウ・・・・ン

解放軍猫兵「またあの砲弾が落ちてくる音だニャ!!」
猫兵「全軍散開ニャ~!!」
ドガアアアアアアアアアアアアン

解放軍人型兵(元ハンターと思わせる組み合わせ装備にガンチャリオット(ガンス)を背負っている)「大丈夫か!!」シュウウウウ・・

猫兵「ニャンのこれしき!!ネコ式火竜車部隊、前進ニャ~!!」
猫兵「おお!!」ギュリギュリギュリ

人型兵「そうこなくっちゃな!前線は俺達が陣取る!!お前たちは後から続け!!行こうぜみんな!!」ガッシャーーン(ガンス抜刀)
人型兵「狩猟以外でハンター武具を活かせるとはな。出来ればスキルも試してみたいものだ」ジャキーン(同じくクロームレイザー(毒の大剣)を抜刀する全身金色装備の人型)
人型兵「狩猟に飽々してた所だ!!ギルドに属していては対人戦は無理だからな!!この戦場では心置きなくその鬱憤を晴らせるってもんだぜぇ!!」ジョイ~~~ン(ヤツザキ(ギザミの双剣)を抜く全身ギザミ装備の人型)
ヅゥオオオオオオオオオン!!
猫兵「また遠くから砲弾の音ニャ!!」
人型兵「また懲りずにナパーム弾ってか!?おいディーン!!てめぇの大剣と俺のガンスで砲弾をブロックだ!!」ガシッ

人型兵「任せろ。その後には接近戦に持ち込み、入植者のゴミ共を我がクロームレイザーの毒で斬り捨てよう」ガシャーーーン

猫兵「頼むニャ!強靭なモンスター素材で鍛造された頑丈なハンター武具が頼りニャ!」
人型兵「任せとけって!おめぇのどんぐり装備よか、硬度は遥かに上だからな!!」ガシッ(ガンスの盾を身構える)
ギュオオオオオオオオオオオオオオオン!!
(ジャングルの密林の間からガードする二人目掛けて迫り来る榴弾)
人型兵「ああ!?上からの間接砲撃じゃなく、狙撃(スナイプ) だと!?」
人型兵「徹甲榴弾か拡散弾の類だろう。それしき二人でガードすればなんてことはない」
人型兵「ったりめぇよ~!その気になりゃグラビームだってガードしちまう、おめぇらの武器特有の防御力をクソ軍人共に見せてやれぇ~!!」ブンブン(二人の後ろで双剣を振り回すギザミ装備の男)
ギュオオオオオオオオオオオオン!!
(風圧と重力を一切無視しながら密林を突っ切ってくる榴弾)
猫兵「来るニャ~~!!」
人型兵「慌てるな!おめぇらはガード後の発砲準備に集中してろ!!」
人型兵「来る・・!!」
ギュオ・オ・オ・オ・オ・オ・オ・・・
(スーパースロー。榴弾がガードする二人の間近に接近して行く)
人型兵「・・・・・・」(盾を構えながら歯を食いしばるガンサー)
人型兵「・・・・!!」(ガードする二人の背中で何やら息巻く全身ギザミ装備の人型)
チィーーーーーーーーーン
(榴弾の先端部がガンチャリオットの盾に触れる)

ドガアアアアアアアアアアアン!!
(武具ごとバラバラに散る元ハンター三人)
猫兵「ミャアアアアアアア!!」ブオオオオオオン

ボチャ!!ボチャッ!!
猫兵「!?」ちら(地面を見る)
ボヘーーーーーーーン

(すっ飛んできたギザミヘルムを被った首とその肉片)
猫兵「ムミャアアアアアアア

猫兵「ハンターの武具をバラバラにしたニャ・・!」あわわわわ
猫兵「榴弾の先端に接触信管を設置した炸薬弾だニャ!触れたら最後、凄まじい火力で対象物を破壊するんだニャ!!」
猫兵「そ・・そんな榴弾・・・どこの工房で作ってるニャ・・聞いたことないニャ・・」
猫兵「臆するニャ!!こっちにも補給されてきた焼夷弾があるニャ!ネコ式火竜車で一斉射撃開始ニャ!!」
ヅゥオオオオオオオオオン!!
猫兵「またさっきの砲弾の音ニャ!!」
猫兵「ミャアアアアア!!こうなったら打ち返すニャ~~~!!てぇ~~~~~!!」
ズドオオオオオオオオン

ズドオオオオオオオオオオン

ズガアアアアアアアアン

(横に並ぶネコ式火竜車部隊が一斉射撃を開始する)

ドガアアアアアアアアアアアン!!
(爆発で一斉に吹っ飛ぶ火竜車部隊)
プスプスプスプス・・・・・・

(火竜車部隊がいた辺り一面は瞬く間に焼け野原となり、硝煙だけがひたすらに立ち上がる)
猫兵「・・・・・ハァ・・ハァ・・・・」(うつ伏せで倒れる一匹の猫兵)
シュウウウウウウウウウ・・・・

猫兵「・・・・・・・・・・・・」ちら(目に映る景色は硝煙に覆われているが、所々にネコ式火竜車の残骸と仲間の遺体が転がっているのが確認出来る)
ザシュッザシュッザシュッザシュッ・・
(ゆっくりと迫ってくるブーツの足音)
猫兵「ハァ・・・ハァ・・・・・・」ちら(うつ伏せで倒れながらも片目でその足音の方向を睨む)
ショットリーパー「ほう。俺のメテオ拡散弾を喰らっても尚、生きてるとはな。そうか・・貴様ら特有の地中に潜って身を伏せる離脱法か。だがそれだけでは俺のメテオ拡散弾のキルゾーンからは逃れられないぜ」ザッ(黒の軍服を着たモヒカンの大男。顔は十字のスカーフェイスで右腕に老山龍砲を接合している)
猫兵「譲らない・・・・ニャンゴラは貴様ら人型には譲らないニャ!!」
ショットリーパー「知ったこっちゃねぇんだよ。そんなこたぁ」
猫兵「!?」
ショットリーパー「ニャンゴラの利権やら、てめぇらのちっぽけな民族魂なんざどうでもいいんだよ。俺の目的は、ユクモのクソハンターの命のみ。もちろん・・この傷の報復の為だ」クイッ(クロスに刻まれた顔を親指で指す)
猫兵「・・・・ならばなぜ・・この戦争に・・・」
ショットリーパー「正義感の強い偽善者共を、田舎からこのニャンゴラに引っ張りだす為さ。クルセイダーズのウジ共が戦地に入り次第、順に殺していき、そして最後にあのクソハンターをミンチにしてやるんだよ・・・てめぇらのノミの心臓と、ダニの主義主張は、その道標にしか過ぎねぇってことだ」
猫兵「・・・F×CK・・」ペッ(ブーツに唾を吐きかける)
ショットリーパー「よく言ったぜ。あの世でも負け猫でいな」
ガツーーーーーーン

(ブーツで猫兵の顔面を蹴り上げ、首がもげる)
ドサッ・・


(転がる猫兵の首が後続で待機する軍人のブーツの足元で止まる)
砂漠の軍人「総帥。アルファ、ベータ共にニャンゴラ前線軍を殲滅。後続の部隊はこちらの予想通りB地点まで撤退した模様です。猛豚軍もこれを機に前線から一時撤退したとのことです」
ショットリーパー「解放軍を追う。そして可能な限り先住猫民を殺せ。この地を我ら人類のものにするのだ」
砂漠の軍人「ハッ!!」
ショットリーパー「クックックック・・・(待ってろ・・クルセイダーズ共!!このニャンゴラを火の海と化し、必ず貴様らを戦場に引っ張りだしてくれるわ!!)」
「あたちのモンハン日記」
~猫民戦線~
~フォンロン、ギルド帝国軍本部

ニャンゴラ解放戦争にブラックガーディアンが介入した報告を受けたギルド帝国軍総帥、ラインハルト・クリスティアン・ローゼンクロイツ公は破竹の勢いでニャンゴラに自部隊を派遣させる。というのも、ギルド管轄外の地域内紛に軍を差し向ける正当な理由が見つからず、かねてよりニャンゴラの内紛を心苦しく思っていたラインハルト公は矢も盾もたまらない思いであったからだ。だが猛豚軍の侵攻に加え、ブラックガーディアンもニャンゴラに介入となれば話は別である。ラインハルト公はニャンゴラ内戦地区に対し「種族差別行為、領土拡大、利益及び権力を確保するために武力を用いる勢力に、大陸に代わり正当なる圧力を与える」と公言し、停戦支援部隊と称した精鋭軍をニャンゴラに送るのであった。この知らせはニャンゴラ解放戦争に関わる各支援団体にとっても重要な知らせであり、帝国軍戦地介入によりその補給ルートから本部への足取りが掴まれるのを恐れ、暗黒商会以外の支援団体はこれを機に戦地への補給及び資金援助を断絶。ニャンゴラ解放戦争は終結へとそのベクトルを傾き始めていた。一方、これらの情報を受けたユクモ村では・・・・
~わんぱくスーパーゴッド念力ハウス「あたちんち(通称「あたちハウス」)

劉珍「以上、隠密隊からニャンゴラの近況情報です」

UBU「うーん・・・ガーディアンの出兵を待っていたかのようにラインハルト公はすぐに動いたわね。さすが劉君の元上司といったとこかしら」(まあるい民族チックな模様の絨毯の上であぐらをかいて座ってる)
劉珍「うち(クルセイダーズ)だって褒められて然りの対応はしてるじゃないっすか。帝国軍よりも早くサムソン司令官と龍之君が率いる部隊を猛豚軍の水没林本隊後方に位置づけ、いつでも奇襲出来る様子をわざと見せつけることで警戒させ、少しでも連中がニャンゴラに援軍を遅れないように張り付かせているんすからね。最後に出兵した帝国軍ばかりに注目がいくのは納得いかないっすよ

UBU「それを立案したのが自分だから?」
劉珍「にやり

UBU「先の革命で生んでしまった猛豚軍というテロ組織を壊滅するのは、うちの義務であるかもしれない。それを一番感じているのは他でもない、聖猫騎士団を率いた鉄平に加え、忠臣であったアランさんや一也だもんね。ましてや同族同士の殺し合いを黙って見ていられる子達じゃない・・。だからこそ、その怒りの捌け口を任務という仕事を与えることで少しでも晴らしてやろうと、ニャンゴラに遊軍を送るべきだと提案したのも自分だって言いたいの?」
劉珍「にやり

UBU「それと同時に「解放戦争終結に後方から支援した勇敢なユクモ薔薇十字軍」っていう立派な風評を全土に知らしめることも出来る・・それが本当の狙いでしょ?」
劉珍「にやり

UBU「だったらいいじゃない。それで満足したら」
劉珍「

UBU「なにあんた、そんなに大陸後世に名を残したいわけ?それともあたちの褒め言葉じゃ満足出来ないっていうの?ええちみこら」
劉珍「そんなんじゃないっすよ。何でもかんでもギルドの名が関連する機関や施設だけが優遇される昨今の大陸情勢が陳腐に感じるだけっすよ

UBU「あら。あんたやけに反骨精神むき出しじゃないのさ。帝国軍を脱退しただけじゃなく、うちからも独立して反ギルド体制勢力でも発起する気?おお、こわいこわい」
劉珍「バカバカしい・・それと忘れないで下さいよ。猛豚軍に報復したいのは僕らも同じなんだってことを。敵の参謀、ニャン=ジュストは軍師なんて崇高な言葉を使うべき対象じゃない。あいつの策略は殺戮と破壊しか生まない血まみれの姦計なんだ。革命時、あいつの非人道的で死屍累々な「暴略」によって、僕の上官は殺された・・つまり猛豚軍は僕ら「元猫軍討伐隊」の敵でもあるんだ」
UBU「エリーゼ中尉やサムソン、それにミッチやゲルちゃんもみんな同じ気持ち・・。王国騎士団領でも猛豚軍はテロを起こし、ますますサムソン達の怒りを買った。その中心にいるのが革命の大天使といわれるルイ・アンドリュー・ド・ニャン=ジュスト」
劉珍「過激派猫主権主義者で策謀家。他種とは共有共存を望まず、物質世界における悪の根源は人にあるとする猫族の過激派思想「ネコーシス教」の支持者。ロベスニャエール宰相の描いた猫族の未来とは別の世界を大陸に樹立しようと、革命の亡霊である猛豚軍を影で操る忌まわしきネクロマンサー、それが奴っすよ」
UBU「ロベスニャエール宰相の秘書官だったんでしょ?」
劉珍「らしいっすね。けど自身が抱く野心と、ロベスニャエール宰相が描く大望との相違から決別し、同じ軍の遊軍であった、暴君ジャック・ルーの蛮族軍入隊を自ら志願した。そしてスミス少佐が率いる討伐軍への大虐殺を指揮したんだ・・・!」
UBU「・・・・・・・・」
劉珍「丞相さんの活躍でジャック隊は事実上壊滅状態に陥り、自ずと解散。だがニャン・ジュストはその後も革命で殺し足りず、もっと血を浴びたいと叫ぶ残忍極まりない破廉恥な暴徒の群れを、そのカリスマである猛豚を頭領にすることで軍を統制し、今に至る・・まったく!なんてずる賢く悪運の強い連中なんだ!!」
UBU「そうね。元凶であるニャン=ジュストを真っ先に叩きたいけど、なんて言ったって、あたちと芋助さん、それにアモンの三人がかりでも倒せなかった龍豚君の後ろに隠れているからね・・・実に難儀な作業だ

劉珍「狡猾で臆病な奴なんですよ、ニャン=ジュストって奴は・・だから長生きするんだ。それに引き換え、ロベスニャエール宰相は実に立派だった。彼は排他的に扱われるマイノリティな獣人種の主権確保の為に、人身御供の道を選び、同族が今後切り開いていく未来に必要である多くの思想や哲学、知的財産を残したんですからね。あの血と斬鉄の決戦地と化したニャンガス城の戦いにおいても彼は最前線に立ち、そして最期まであきらめず、その優れた頭脳をフル回転させ、敵を倒す策を僕らに残してくれたんだ・・その生命と引き換えに・・・丞相さん!やっぱり革命で生き残った僕らが猛豚軍を壊滅しなきゃいけないんすよ!!」
UBU「・・・・・生きることをまだ許された者の所以がもたらす責務・・・重過ぎも軽過ぎもしない言葉ね。それもまた、あたち達が背負っていかなければならない十字架なのかねぇ・・」
六本木「UBU!アンマン、アンマン。アンマン、サメルゾ」(部屋の隅に吊るしてある鳥かごからガラの悪いインコが喋る)
UBU「あ、そうだった。ほい、栗入りあんまん食べなさいな」スッ

劉珍「革命時のことを思い出すといつも思うすんよ。あんまん頂きます」はむっ

UBU「なにをさ?」はむっ

劉珍「ギルドの手の届かないクライムファイトを率先してやってるのに、僕らに対する世間の評価はいつまで経っても「田舎の自警団」扱いだ。もっと英雄視されてもいいのに、それともそんなもんなんすかねぇ~」はむっ

UBU「それでいいのよ。大っぴらに出来ないことだって現に、あたちやってるし」はむっ

劉珍「砂漠のホロコーストか・・正当性を超えた報復行為・・確かにありゃまずいっすけど・・


UBU「なにそれ。暴走したあたちを止めるのも自分達の仕事だって言いたいの?」
劉珍「にやにや」はむっ

UBU「ま、いいわ。うちはユクモ代表のクライムファイターズってことで、よしとしましょうよ。それにうちの軍事事情や内部構成を世間様に知られてごらんさいな?知的生命体種のモンスター達を操る凶悪軍団だなんて嘯かれるのがオチよ。革命の時は見事「三種共存の象徴(シンボル)こそ薔薇十字にあれ」ってことで上手く世間には流されたけど、時代が変われば世俗の見る目だって移り行くものでしょ?人類にとっての平和=(イコール)排他的モンスター思想、即ちハンター至上主義に繋がるのよ。だからその大陸の英雄であるハンターを統括するギルドが、最も大陸で信頼のおけるアソシエーションになる構図ってわけ。そんなのあんたの賢い頭なら疾うに承知でしょ」はむっ

劉珍「わぁ~ってますよ。僕が「年下の」丞相さん達みたいに器が大きくないこともね。だからっすよ。みんなの尽力を知っているからこそ、その努力を世間に知らせたいんです。もちろん丞相さんの評価も含めてね。あ、これ、当たりだな。栗が大きいや」(あんまんの中身をまじまじと見つめる)
UBU「あたちなんかはどうでもいいのよ。こうしてあんまん片手に軍議を行えるのもみんなのおかげ。うちの軍は皆皆にこそあれ。スペシャルなプリマドンナはいらないのよ。だってみんながヒーローなんだから。っちゅーことでより一層、本当のうちの軍力をまだ晒すわけにいかないのよ」ぱかっ

六本木「アンマン!アンマン!アンマンノ、カワ、クワセロ!」パタパタパタパタ

劉珍「うちの本当の軍事力・・というか正式なモンスター部隊の頭数を知ってるのって、軍内でも丞相さんをはじめ、ごくわずかっすもんね。カーブーさんなんて、まったく把握してないだろうし・・。自分が川村朝を立ち上げた時に連れてきた普通種のモンスターだってたくさん狩猟エリア外で匿ってるっていうのに、あの人はそういうの関係ないんだもんな。しかもこの大変な時に村にいないし」はむっ

UBU「だから魅力的なのよ。うちの軍もカーブーもね。その懐は、底知れぬこのあんこの味わい深さの様に・・なんてね。ほれ」ちろ(頭の上に止まってる六本木に薄く剥いたあんまんの皮を食わせてやる)
劉珍「うちは三種族から構成されてますからね。僕だって実際会ったことないモンスターだっているわけだし、確かにそれを一般大陸民が知ったらとんでもない秘密結社だって思うのも当たり前か・・。あ、そうだ。それよりニャンゴラですよ。丞相さんの今後の予想展開は?是非お伺いしたい」あ~ん(残りのあんまんを丸呑みする)
UBU「そうねぇ・・帝国軍の介入で水没林の内戦自体は一時停戦になることには違いないと思うわ。仮に猛豚軍本隊が援軍をニャンゴラに進軍開始させたのなら、後方に張り付かせてる遊軍のサムソン達で後ろから突付けばいいわけだしね。そうなったら帝国軍と、はさみ撃ち出来るかも。でもそう簡単にはさせてくれなさそうね。だって革命の大天使さんはその異名通り、新大陸に属する諸勢力を同士討ちさせるのが目的なんだから」あ~ん(残りのあんまんを丸呑みする)
劉珍「水没林に軍事力を持つ敵対勢力を引っ張りだして、兵力を削らせるのが狙いってことすか?」
UBU「今回の解放戦争はきっかけに過ぎないってことよ。ニャン=ジュストはまずこの戦争を機に動き出した各勢力の繋がりを調べ、序列を持って弱小組織から排除していくつもりなんでしょ

劉珍「でもそんなことをしたら新大陸中が戦火の海に・・・そうか、それこそがニャン=ジュストの求める大抗争劇なのか!」
UBU「騎士団領でのニャン=ジュストが起こしたテロの「演出」見れば一目瞭然・・・ギルドを含む武装勢力は彼にとって最高の演者(キャスト)なのよ。現に、まんまと血の気の多いブラックガーディアンはそれに引っかかってニャンゴラ入りしたわけだしね。最もぉ~、あんなクソモヒカン野郎を見に来る観衆なんているわけないけどねぇ~!あ~、あの傲慢なバカ面を思い出しただけでも腹が立つ!もっとアルレボで顔面斬り刻んでやればよかったわぁ~

劉珍「戦争屋である砂漠の艦隊がニャンゴラに更なる混乱を招き、より戦争被害を拡大させる・・そしてその戦争利益を求め、他の勢力も動き出す・・・既にアクアパラダイスモーテルも戦意喪失を促す違法パフュームをニャンゴラに物流しているという・・・となれば渓流の夢幻如来衆や、凍土のマフィア、エヴァーウィンターナイツが動くのも時間の問題・・・大抗争へのシナリオは既に完成しているということか・・」
UBU「だったらあたちがその惨劇のエグゼクティブプロデューサーになってやろうじゃないのさ!!いい!?シナリオなんていくらでも書き換えさせることが出来るんだから!!あのクソモヒカン野郎自ら出兵して、あたちを戦地に引っ張りだしたいんだろうけど、絶対にあんなやつの誘いになんか乗ってやるもんですかっての

六本木「UBU、オコッテル。UBU、オコッテル」
劉珍「・・・・・(ショットリーパーの先住猫民を中心とした挑発行為のホロコーストに、一番腹を立てているのは丞相さんと龍之君だろう・・。龍之君に至ってはガーディアンの現地入り前から、遊軍として水没林に出向いているから、奴らが戦争に介入した報告を受け、今頃、先住猫民を救援に行きたいと暴徒と化しているかもしれない・・。だがそれこそがショットリーパーの狙いだ。うちの誰かが動けば必ずガーディアンは解放戦争そっちのけで叩きに来るだろう。待てよ・・ってことは少数で連中を誘導して、密林を活かした伏兵で叩けば・・)」
UBU「我慢だよ、劉君」キッ
劉珍「・・・うっす・・(そうだな・・。ショットリーパーを殺すことは出来るかもしれないが、猛豚軍の追撃を食らい、水没林の部隊を真っ二つに切り裂かれたら糧秣も全て失う・・・そうなれば水没林の切り離されたどちらかの軍の壊滅は必至・・・それこそニャン=ジュストの思う壺だ・・・となると、やっぱり今は帝国軍に任せるしかないのか・・クソッ・・!)」
UBU「・・・・・・・・・・」(うつむいている)
劉珍「・・・・(それが悔しくて何も出来ず、ユクモに万が一のことがあっても対応出来るよう、村に残ってる丞相さんが一番憤りを感じている・・・ただでさえカーブーさんやロージーちゃんがいない今、彼女にかかる重圧が重すぎるんだ・・。そして前回砂漠の抗争で自分が仕掛けた報復を、同じ形でショットリーパーに再現されている。これもまた丞相さんを苛立てる要因なんだ・・・彼女のフラストレーションが爆発する前に別の任務を提案するか・・?それとも・・・・)」
??「ポッポー」
劉珍「ん・・鳩?」
パタパタパタパタ・・・ピタ

UBU「ほえ・・・・」
鳩「ポッポー」むん

UBU「ほえ・・・・ずいぶんマッチョな子だねぇ」
劉珍「鳩・・・伝書鳩っすよ!足に手紙が巻いてある!」
鳩「ポッポッポー」ちんまり(ほそっこい右足にリボンで結ばれた手紙が付いている)
UBU「ほえ・・・こっちおいで」
鳩「ポッポッポッポ」バタバタバタバタ

UBU「よしよし。ご苦労様・・って、誰からだろう?」しょりしょり(足のリボンを解いてやる)
劉珍「隠密隊やフランソワ隊の鳩じゃないっすね。だってこいつ、マッチョだもん」
鳩「ポッポー」むん

UBU「なになに・・・・」カショリコショリ(ちっさい手紙を読む)
劉珍「おいでおいで」
鳩「ポッ」ぷいっ(そっぽを向かれる)
六本木「ゼンチョウルイハ、ミナ、オマエノコト、キライ。オマエノコト、ミナ、ウトンジル」
劉珍「ちぇ・・。ハンターっていうのは動物愛護でもあるって?丞相さん、その文、なんて書いてあるんすか?」
UBU「ひっひっひっひっひ・・・・」(目は手紙の文章を追っている)
劉珍「はい・・?」
UBU「あたち達の出番よ、劉君!!」ガバッ

劉珍「へ・・なんすか」パタパタパタパタ・・(インコと鳩が劉珍の頭の上に止まる)
UBU「と言っても、あたちはユクモから動けないからぁ・・・」にやぁ~
劉珍「え・・なんすか・・

UBU「ひっひっひっひっひ・・・・むきょー

鳩「クルッポー!!」むん

劉珍「嫌な予感しかしない

To Be Continued




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それはそうと今回のお話に出てきた「鳩胸上腕二頭筋(はとむねじょうわんにとうきん)」って、どこの部位なのか?ですって?それはさておき、次回の「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードはぁ~・・
2/26(水)0時更新予定 猫民戦線~PART4
をお送りします♪密林で迷子のユーリ・アンナ・ディオマリアの目的や否や!?そして彼女の前に現れた怪しげなゲストとは・・次回も目が離せませんですわ
