ウル「ワガハイのユニークスキルを・・その身で覚えるっチャ!!」(顔は泣き崩れながらも陳景の背後から喉元にナイフを突きつけるのを止めない緑色のギルドナイト装束を纏ったちいちゃい少女)
ゾフィ「いてててて・・鼓膜が破れると思ったぜなぁ、ユーリィ。あいつのユニークスキルって、今の咆哮みてぇなでけぇ声ってことか?」
ユーリィ「・・スクリーモ・・・おそらく・・金切り声・・」ちら(ウルの足元を見る)
モス「ブッブッブ・・・・」クラクラ(目眩状態)
猫陳景「・・・・・・・」くらくら(同じく気絶状態)
ゾフィ「陳景さん!!」
ユーリィ「・・スタン・・・あの子の声・・スクリーム(金切り声)による・・音響障害・・」ザッ(構える)
「あたちのモンハン日記」
猫民戦線
ウル「さぁ口の悪いおねえちゃま!!謝るっチャ」ぷんすかちん
ゾフィ「参ったぜ・・あのガキ、怒りながらもちゃんと陳景さんの背後から離れねぇでやんの。余程普段からギルドに「調教」されてんだろうな」
ユーリィ「・・大丈夫・・あの子の任務は・・橋を破壊すること・・だけ・・」
ゾフィ「え・・?」
ユーリィ「・・自分の刃で・・ターゲットを殺す様に・・指示はされていない・・から・・」
ウル「どうしたっチャ!悪巧みをしても無駄っチャよ!!そんなことよりぃ~~~~・・謝れぇえええええええええええええ!!!!」
ギャイイイイイイイン!!
(ウルを中心に音波が放出される)
ゾフィ「うげえええええええ!!声、うるせええええええええ」
ユーリィ「・・・!!・・」バッ(耳を塞いだ)
ウル「耳を塞いでも無駄っチャ!!
ンバアアアアアアアアアアアア!!!!」
ギャイイイイイイイイン!!
ゾフィ「うげえええええええええええ頭が・・・割れ・・るぅ~~~~」パタ~ん
(咆哮に押されぶっ倒れる)
ユーリィ「・・・・・(耳を塞いでも・・直接・・脳に・・・衝撃が・・)」パタ~ん(尻もちをつく)
グラングラングラングラン
(橋が波を打ち大揺れしている)
ユーリィ「!!」
ウル「おねえちゃま、ウルチャマが橋をどうやって壊すか聞いていたっチャね?」グラングラン(大きく波を打ち、揺れる橋の上で気絶した陳景を背後から支えている)
ユーリィ「・・・なるほど・・そういう・・こと・・」ブンブン(頭を横に振る)
ゾフィ「かぁっ~~!!どういうことだよ!?」ガバッ(片膝をついて立ち上がる)
ウル「それがその答えだっチャ!!」スゥ~~~~(胸が膨らむほどの息を大きく吸い上げる)
ゾフィ「いっ!あの野郎!!また叫ぶつもりだぞ」
ユーリィ「・・困った・・」グラグラ
ウル「ンババアアアアアアアアアアア!!!!」
ギャイイイイイイイン!!
ゾフィ「い~~~~~~~~~~~」すてぇ~~~ん
ユーリィ「・・・うひー・・・・・」ころり~~~ん
グラングラングラングラン!!
ゾフィ「いちちちち・・・うお!?橋が波打ってやがるぞ!!おっとっと」グラングラン!!
ユーリィ「・・音波っていうのは・・個体をはじめとする弾性体や媒質を振動して・・伝わる弾性波という縦波・・・て、本で読んだ・・・つまり・・あの子自体が立派な・・・音波兵器ってことなわけで・・」グラングラン(波打つ橋の上で仰向けのまま喋ってる)
グラングラングラングラン!!
(大きく波打つ橋の上に立つ緑色のギルドナイト装束を着た少女)
ウル「さぁ・・謝るっチャ・・!!」(その目は怒りに満ち溢れている)
ゾフィ「橋をどうやって破壊するかやっと分かったぜ・・・爆弾の火薬を使った爆破じゃ、架け橋を結ぶロープに焼痕が残っちまうからな・・。あのクソガキが放つ「音波衝撃」で橋を自然破壊に見せかけ、より確実な方法で証拠を残さず俺達を橋諸共、奈落の底に落とそうって魂胆か・・!」ザッ(片膝をついてバランスを保つ)
ユーリィ「・・・おそらく・・橋が壊れる寸での所で・・小生達が逃げれないよう・・音波衝撃で・・妨害するつもりかと・・」むくっ(仰向けで上半身だけ素早く起こす)
ゾフィ「で、自分は海岸側の陸地に飛び移るって魂胆か・・クソガキめ。どうする?ユーリィ。あと何発かあいつに叫ばれたら、橋を繋ぐロープがぶった切れるぞ・・それに頭が割れる様にいてえ・・!」ぶんぶん(頭を振る)
ユーリィ「・・人的音響外傷・・・困った・・」ピヨピヨ(目眩状態)
グラングラン!!
(依然として橋は大きく揺れ動く)
ウル「さぁ、ブタ吉。いつまでも寝てねぇで起きるっチャよ」フィ~~(指笛を吹いた)
モス「ボフッ!?」はっ(起きた)
ウル「いい子ンバ。ワガハイは指笛で音を操ることが出来るっチャよ。それでお前が起きる高音波を鳴らしたんだっチャ。犬笛みたいなもんだっチャ」
猫陳景「いやはや・・大陸自然界にはまだまだ驚くべきことばかりですな」ぱちっ(ウルに背中を支えながら目を覚ます)
ウル「なんだっチャ。「ついで」に博士も起きたっチャか。なら自分で立つっチャ。ウルチャマは「まだちいちゃい」から獣人猫族とはいえ、支えてるのはちょっと辛いンバ」グン(背中をちょっと押して前にやらせる)
猫陳景「あなた、その技術を奇面族から教わったのですか?」グラグラ(目線は揺れる橋の地面を見てる)
ウル「ンバ。ワガハイ達が住んでいたフォンロンの高山には、古龍種をはじめとする危険なモンスターがたくさんいたっチャ。だからそいつらから身を隠すため、気配を消す動作の練習や自然調合素材のみで罠を作成する方法、それに指笛でモンスターをなつかせたり退避させたりするといった、野生の大陸社会で生きる術を家族達から学んだンバ」
猫陳景「特殊なパルス波でモンスターを制御出来るとは学会で聞いたことがありますが・・まさかそれを自在に操るハンターがいたとは驚きです」
ウル「ウルチャマはサバイバーのギルドナイトでハンターじゃないっチャ。あんなものと一緒にするなっチャ!」
猫陳景「・・・・(この子にとっては狩猟者の存在とは人狩り(マンハント)そのものなのか・・)」
ウル「だからっチャ。ワガハイを助けてくれた時のレオみたいな救世主になって、多くの大陸で迫害されている奇面族を救いたいと決心したからこそ、この緑の装束を纏ったっチャ」とん(胸に手を当てる)
猫陳景「その緑は・・大地を象徴するカラーなのですね・・・とても素敵ですよ」にこ
ウル「・・・・・・。博士に恨みはないっチャ。でもウルチャマは同じギルドの竜人族でもハンターの名前がつく者はみんな嫌いっチャ。それが博士の様にプラントハンターだとしても、あの時、ワガハイの家族を皆殺しにした外道共の仲間には違いないっチャ。現にこの解放戦争をいいことに未開拓地に潜入したのがいい証拠だっチャ!なにもしていないのに迫害され、殺されていく先住猫民のことも気にかけず、何が採取だっチャ!!恥を知るっチャ!!」
猫陳景「・・否定は出来ませんね」
ウル「ギルドナイトは大陸に粛清をもたらすもの・・理由は何であれ、私利私欲で大陸社会を破壊する者達への断罪・・・それがウルチャマ達、ギルドナイツに課せられた大義なんだっチャ!!」
猫陳景「あなたはつくづく、素敵なお仲間に囲まれているようですね」
ウル「ンバ。ナンバー2のシリウスは少し無愛想だけど、まだちいちゃいウルチャマにいつも教養と戒律を与えてくれるっチャ。ナンバー4のウーメイは極度の潔癖症だけど、いっつも汚れて帰ってくるワガハイと一緒にお風呂に入ってくれる優しいおねえちゃまだっチャ。ナンバー3は無口でちょっとおっかない奴だけど、ウルちゃまに剣術を教えてくれる武士道な奴っチャ。そしてワガハイ達のナンバーワンであるレオは・・・いつも体を張って、背中を見せてはみんなを引っ張ってくれる勇敢な騎士(ナイト)だっチャ」
猫陳景「・・・あなたの階級は?」
ウル「今はまだ5番だっチャけど、早くウルチャマもレオに肩を並べるナイトになりたいっチャ」ふふん
猫陳景「・・・・(聞いたことがある・・・ギルドナイトに龍使徒の逸材と思われる子供が入隊したと・・・それがこの子であったのか・・・・。大陸に処す断罪を、龍に変わり裁きを下す大致命者として、どの大陸史文献にも共通して登場する龍使徒・・。その資質を持った、天然の大地が生んだギルドナイト・・それがこの子であったか・・。大陸自然を愛するプラントハンターの私が、この子の手によって死んでいくのも・・また何かの縁だろう・・)」スッ(目を閉じる)
ゾフィ「勝手に死に際を決めるんじゃねぇよ、陳景さん」
猫陳景「ゾフィさん・・・」ぱち(目を開ける)
ウル「ちっ・・スタンから覚めたっチャか」
ゾフィ「言ったろ?あんたは俺が絶対に守ってやる。それが契約だろ?」にんまり
猫陳景「・・・・・・・・・・」つぅ・・・(涙が溢れる)
ゾフィ「しっしっしっしっし。泣くのはまだあんたが生に執着があるっていう立派な証拠だぜ?ってことは、あんたもまだこの世界にやり残したことがあるってことだ」
猫陳景「ゾフィさん・・・あなたという人は・・」
ゾフィ「待ってな。すぐに俺達が終わらせてやっからよ。な、ユーリィ」
ユーリィ「・・それが・・お仕事・・だから・・絶対に退けない・・」スッ(静かに妹の横に並ぶ)
猫陳景「そうですな。私もまだ戦い続ける姿勢を忘れないことにしましょう」にこ
ゾフィ「そういうこった!!そのガキの過去に同情も理解も何もねぇ!!分かってるのは俺の依頼人(クライアント)のクエストを邪魔する障壁ってことだ!!それはてめぇも同じだろう!?クソガキ!!」
ウル「よく言ったっチャ。口が悪いわりには理(ことわり)を得ているっチャね。さすがは犯罪都市に住むトラブルシスターズといったところっチャ」
ユーリィ「・・お褒めの言葉・・感謝致す・・」スッ(御意の姿勢)
ウル「さぁ、ブタ吉。橋を渡って密林に帰るっチャ。お前を落とすわけには行かないンバ」
モス「ブヒィ・・・・」すりすり(ウルのブーツに顔面をこすりつける)
ウル「さぁ、行くっチャ。ワガハイもすぐに後を追うっチャよ」にこ
モス「ボフ・・・」ちら
ユーリィ「・・小生も・・あなたを巻き込みたくない・・」
モス「ボヒィ・・・・」しょんげり
ユーリィ「・・わかって・・」
モス「・・・・・・・・・・」
へっこへっこへっこへっこ・・・
(肩を落としながら橋の上を歩いて行く一匹のモス)
ユーリィ「・・ごきげんよう・・ブタ吉・・」
ウル「ンバ。これで心置きなく・・」
ズキューーーーーーーーーン
ゾフィ「!?」
ユーリィ「!!」
ウル「・・・・!?・・・・・・・!!・・・・・・・・・ブタ吉!!」くるっ
モス「・・・・・・・・・・・・」(血を流し倒れている)
ウル「ブタ吉~~~~~~~~~!!」
ゼット「誰だぁ~!?ブタを撃ったのは!?俺はあのガキのど頭を狙えって言ったんだぜぇ~」(ジャングル側の橋の入口に立つ猫騎馬隊の群れ。皆、手には騎兵銃型ボウガンを持っている)
ゾフィ「あの野郎・・・!!こんな時に現れやがって・・!!」
ユーリィ「・・・・ウル・・・」ちら
ウル「うわああああああああああああああん!!ブタ吉ぃ~~~~~~~!!」ガバッ(モスに駆け寄る)
ゾフィ「今だ!陳景さん、こっちに!!」
猫陳景「え、ええ」サッ
ズキューーーーーーーーーン
(陳景の行く先が発砲される)
ゼット「お~っと!あんたはこっちにそのまま来い!!そこの豚耳女とヒーラーの女は動くんじゃねぇぞ!!俺達が用があるのはその博士だ!余計な動きをしたら二人とも撃ち殺すぞ!!」ジャキーーン(騎馬に跨る猫達がボウガンを構え、狙っている)
ゾフィ「クソ猫共が・・・!!」
猫陳景「ゾフィさん・・・・」
ゼット「ちっこいギルドナイトも聞こえてんだろ!?てめぇも余計な真似をしたらそのブタみてぇに撃ち殺すからな!!いいな!?」
ウル「・・・ブタじゃないっチャ・・・・」ふるふる(うつむきながら答える)
ゼット「ああ?」
ウル「草食種、偶蹄目、モス科・・キノコがとっても大好きな子達で、その胞子を身体に付けてエリアを移動することによりキノコ種の生息範囲を拡大し、繁栄の手助けをしている大陸自然界にとってかけがえのない存在・・それがこいつら・・・モスだっチャ!!」(うつむき号泣している)
ユーリィ「・・・ウル・・・・・」
ゼット「あ~!?聞こえねぇな!?なんだって!?」
ウル「お前達の様な大陸自然を破壊することしか考えていない、猫の皮を被った悪魔もまた粛清の対象だと言ったっチャ」すくっ(背を向けたまま顔を拭い、静かに立ち上がる)
ゼット「おい!動くんじゃねぇ!!」スチャッ(銃口をウルに向ける)
ウル「冷酷非道な畜生ども!!覚悟するっチャよ!!ギルドナイツナンバー5のウルチャマが、ギルドナイトの名に懸けてお前たちを断罪してやるっチャ!!」
To Be Continuedユーリィ「・・ランキング・・参加中・・・それつき・・皆様のクリック一票で・・応援・・・・よろしく・・・。そんだこんだの次回「あたちのモンハン日記」・・ストーリーモードは・・
3/10(月・大安)0時更新 「猫民戦線PART8」
を・・お送り・・。傍若無人な猫さん達に・・憤慨したウルが大地の雄叫びをあげる・・その怒りの咆哮は戦局に終止符を打つのか・・・そして小生達の任務達成は果たせるのか・・。ニャンゴラジャングルに・・少女達の決死覚悟の勇が舞う・・。次回も・・読んで欲しい・・もん・・♪」
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猫民戦線~PART7
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