こしょり・・(物陰から砂埃舞う移民エリアのバラックが立ち並ぶ居住エリアを「夜目」を頼りに覗き見る)
ビュオオオオオオオオオ・・
(加えてモンスーンの砂埃により、かなり視界不良だが、手持ちの双眼鏡を覗くと同じく向かいのバラックの陰に隠れながら、対面に見えるボロ小屋を警戒している遊撃隊員の姿が確認できる)
ムーア「いた。きっとあの小屋の中にケイシー達が入っていったんだ」チャッ(と隣で身を伏せているキンババに双眼鏡を返す)
ヴィルヘルム「どうする?一気に突入かますか?」
ムーア「ダメだよ。そんなことしたら大事になっちゃう」じーー(とボロ小屋を見つめる)
ヴィルヘルム「だよな。俺もまったく同じ事を考えていた。じゃあどうする?」
ムーア「まずはあのガーディアンをここから遠ざけないと。できる?」
キンババ「ええ!?僕が!?」
ムーア「ヴィルヘルムと協力して。二人で注意をそらしている間に小屋へ入る」
キンババ「その後、僕らはどうすればいいの?」
ムーア「ガーディアンの応援部隊がエリアを包囲する前にロージーを救出すればクエスト達成よ。ロージーさえ助けちゃえば、犯人は誰であろうが関係ないでしょ?」
ヴィルヘルム「逃亡したことにしてやるってわけか。だが身代金はどうするんだ?」
ムーア「置いて逃げるよう説得してみる」
キンババ「確かにそれならビリー達は捕まらないけど・・・なんか腑に落ちないなぁ」
ムーア「ビリー達に借りを作ったと思えばいいんだよ。さ、早く」
キンババ「でもどうすれば・・」
ヴィルヘルム「俺様に任せておけ」バッ

むにゃむにゃむにゃ・・(と、両手を前に出し「ゾンビポーズな千鳥足」で居住エリアを彷徨い歩くヴィルヘルム)
ムーア「どうするつもりだろうか・・」
むにゃむにゃむにゃ・・(突然現れたヴィルヘルムに気づいた遊撃隊員がすぐさま彼のもとに駆けつける)
キンババ「僕にはなんとなく分かった。あとは頼むよ、ムーア」
ムーア「そっちもね」こちん

タッタッタッタッタッタッ

(ヴィルヘルムのもとに駆けていくキンババ)
キンババ「もぉ~駄目じゃないか。すみません、彼は夢遊病なんです」(と遊撃隊員に説明している)
城塞遊撃隊A「事情はあとだ。さぁ、こっちへ」むにゃむにゃ・・ここはどこだ?(とヴィルヘルムの迫真の演技)
タッタッタッタッタッタッ・・(遊撃隊員に促され、居住区をあとにする一行。道中、キンババがこちらに向かってウィンクしてくる)
ムーア「親友って最高。さて・・突入してやるか」パン

Recollection No.5_46
バッ!!(一気にボロ小屋に駆けつけ、身を伏せる)
そそぉ~~~(と隙間だらけの壁を覗く)
ハッハッハッハッハッ!!
マジですげぇ大金だぞ!!
(と、家具もろくに置かれていない殺風景な小屋の中央で鞄の中身に夢中になっている三バカトリオの姿が見える。おそらくこの小屋は昼間目撃した建設中のものなのだろう)
ムーア「ロージーは・・・・」(小さく呟きながら小屋の中を見渡す)
このガキはどうする?(と、小屋の隅で横たわっている「昼間と同じ服装をした」ロージーの姿が見える)
ロージー「・・・・・・・・・・・・・」(目を凝らしてロージーに注目すると、寝息をたてていることから、おそらくは眠らされたのだろう。同時に視点の主の安堵のため息がもれる)
ビリー「金は手に入ったんだ。放っておけ。すぐにキャロルムーアがここに来るさ。その後、街の警備隊も来るはずだ。そうすれば、真っ先に疑われるのはあいつだ。そのすきに俺たちはロックラックを脱出。完璧なシナリオだぜ」
ムーア「やっぱり・・。単細胞め」こそっ
ケイシー「でもよ、外は危険じゃないか?」
ビリー「馬鹿野郎。砂漠になんか逃げたらモンスターに襲われちまうだろ?奪うんだよ、飛行船を」
デービス「ええ!?誰が操縦するんだい!?」
ビリー「昼間、船乗りたちがやってるのを見たろ?真似すりゃできるさ」
デービス「だいじょうぶかなぁ・・・」
ムーア「絶対だいじょぶじゃない

ビリー「急ぐぞ。警備隊が来る前にとんずらするんだ」バッ

ムーア「それを持って行かせるか」ダッ!(ドアの方へ踏み込む)
バーーーーーーーーン!!
(一気にドアを蹴り開けると驚愕したビリー達の姿が)
ムーア「約束どおり一人で来たぞ!!」
ビリー「チッ・・お前らがもたもたしてるから予定が狂っちまった!」そんなぁ~

ムーア「それだけじゃないよ。今頃はガーディアン達がこのエリアを包囲してるはずだよ。つまり、あんた達はおしまいなわけ」クッ(首を掻っ切るポーズをしてみせる)
ビリー「なっ・・・てめぇが呼んだのか!?」
ムーア「バカだね、ビリー。あんたがこの街きっての令嬢であるその子を誘拐して、脅迫状なんかを出した時点で、すでに大人たちは大騒ぎなんだよ?捕まりたくなかったら、ロージーとそのお金を置いて宿屋に戻って。そうすればあたちは黙っててあげる」
ビリー「俺を脅す気か・・?」じりっ
ムーア「違うよ。大事にしたくないだけ。これだけのことをしたんだよ?下手をしたらロックラックに投獄だって・・・」
バオオオオオオオオオオ!!
(突如、街の外から巨大なアポカリプティックサウンドが鳴り響いてくる)
ムーア「なっ

ビリー「どけ!!」ドン

ムーア「ダメ!!街に行ったら捕まっちゃう!!」バオオオオオオオオオ!!
ビリー「捕まってたまるもんか!!」ダッダッダッダッダッ!!(街の外の方へ駆けていく)
ムーア「ビリーのバカ!!そんなことをしたらほんとうに・・」ダッ!!
バオオオオオオオオオオ!!
(再び「音割れ」したオーバードライブな大騒音によって小屋が激しく揺れ動く)
ムーア「耐震が入ってて助かった

キンババ「ムーーーアーーーーー!!」ダッダッダッダッ!!(ヴィルヘルムと共に走ってくる)
ヴィルヘルム「再び夢遊病を装って警備をまいて来た!無事か!?」
ムーア「うん。ロージーも無事。でもビリー達が・・・」(小屋の中で眠っているロージーを見て安心する二人)
ヴィルヘルム「俺たちと一緒にいたガーディアンは、駆けつけてきた仲間と合流した。エリアが包囲されるのも時間の問題だぞ」
ムーア「それをビリーに警告したら逃げちゃったの。しかも街の外の方へ・・」
キンババ「そりゃ大変だ

バオオオオオオオオオオ!!
(三度耳をつんざくような大音量の怒号がロックラック全体を震え上がらせると同時に砂嵐も共鳴したかのように荒れ狂う)
ムーア「なんだ!?これ!!さっきから

キンババ「ガーディアンから聞いたんだ!!この声の正体を!!」バオオオオオオオ!!
ムーア「え!?」バオオオオオオオオオ!!
キンババ「モンスーンが吹き荒れ、砂嵐と共に現れる古龍の話!!」バオオオオオオオオ!!
ムーア「なんだそりゃ!?」バオオオオオオオオ!!
ヴィルヘルム「峯山龍!!ジエン・モーランだってよ!!」ビュオオオオオオオ!!(一陣の風が砂塵と共に突き抜けていく)
ムーア「ほえ・・・じえん・・・も~~らん?」ゴシゴシ(と砂が入った目をこする)
To Be Continued

★次回ストーリーモードは3/9(月)0時更新予定です★