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初夏の贈り物/後編

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ファビオ「真相はそんな理屈じゃねぇ。もっとそう・・・崇高な動機からだ」

サムソン「・・・・・復讐・・か」

ファビオ「ああ。と言ってもオクサーヌの私怨によるものじゃねぇ。大いなる意志の下によるパニッシュ・・それが大致命者となった龍使徒(ドラゴンラスール)、オクサーヌ・ヴァレノフに課せられた新たな宿命だったんだ」





「あたちのモンハン日記」
~初夏の贈り物/後編~






ジリジリジリジリ・・・・晴れ

サムソン「龍使徒・・どういうことだ?」ジリジリジリ・・汗(額の汗が光る)

ファビオ「フフン♪」ちょいちょいパー

サムソン「これでどうだ」ジャラキラキラン(取り上げた鉱石の一部をカウンターテーブルに広げる)

ファビオ「もう100g」ぷん

サムソン「がめついやつだ」ジャラキラキラン

ファビオ「OKOK。取引ってのは公平な利益還元にあり、だろ?遠慮なくいただくぜ」スッ(鉱石を自分の方によせる)

サムソン「では聞かせろ。なぜオクサーヌがギルドに背いたのか」

ファビオ「その前に知っておくべきことがある。オクサーヌがどうしてフォンロン古塔に立てこもったか、だ」

サムソン「ほむ・・・そう言われてみれば確かに疑問はあるな」

ファビオ「だろ?それにはオクサーヌ・ヴァレノフというハンターの経歴も知っておく必要がある。いるか?」クイ(酒瓶を見せる)

サムソン「ほむ。ちと長くなりそうだからな・・貰おう」

ファビオ「安心な。こいつは店のおごりだ」トットットット・・(ショットグラスにテキーラを注ぐ)

サムソン「ずいぶん気前がいいな、マスター」

ファビオ「少しくれえ酔ってないと受け入れられない話しだからさ」ダンッ(グラスを置く)

サムソン「面白い。聞こう」ガッ(一気に飲み干す)


ジリジリジリジリ・・太陽


ファビオ「オクサーヌ・ヴァレノフ。出生は旧大陸最北の島アクラ。当時のシュレイドで起きていた「シュレイドの竜人狩り」により、アクラに逃遁してきた竜人族の男と人型女性の間に生まれる。辺境であったが故、自給自足の生活を余儀なくされ、物心つく頃にはてめぇで狩猟もしていたそうだ。もちろん両親を食わせるためにもな」

サムソン「長い前置きと修飾語ならばいらんぞ」ヒック(少し顔が赤くなってきた)

ファビオ「ちっ・・結論ばかり求める能なし上官じゃあるまいし・・わかったよ。オクサーヌがギルドに属するきっかけになったのは、その極寒のアクラの辺境に、ギルドの地質調査員が訪れたからだ」

サムソン「スカウトか」

ファビオ「そうだ。調査員がそこで見たアクラの辺境の子供は、悠々と獰猛なモンスター相手に立派な狩猟をしていた。それがオクサーヌだったというわけさ。こうしてオクサーヌは至上最小年齢でギルドと契約を交わした。その歳なんと7歳でだ」

サムソン「ほぉ・・よく親元を離れる気になったもんだな」

ファビオ「それについては詳しいことは分からねぇが、オクサーヌ自信の強い意志だったみたいだぜ?旧大陸本土に出て、自分で稼いだ金をアクラの両親に送っていたとも聞く。っと、ここまでは健気な話しなんだがな」トントン(カウンターテーブルの上でタバコを叩く)

サムソン「意味深だな。続けろ」しょりしょり(偉そうに生やした口ひげを触る)

ファビオ「オクサーヌはその天賦の才能を活かし、若干11歳にして大陸上のモンスター全てを制した。そのことから「メサイアの妖精」と呼ばれ崇められる。たった一人の少女がどんなモンスターだろうが古龍だろうが、たちまちクエストを敢行しちまうんだからなふん大陸一般市民にしてみりゃ、神よ神」

サムソン「ふん。私とてハンマーならばソロで同じことが出来るわ」ひっく

ファビオ「妖精たる所以は、オクサーヌが常に微笑を浮かべながら狩りをしていたことからだという。11歳の天才少女ハンターにしてみりゃ、狩りは遊戯の一環、それに必要なハンター武具もお洒落の道具にしか過ぎなかったのさ。ここまでが世に伝わる「オクサーヌサーガ」の序章だ」シュボッ火(木製カウンターを利用してマッチに火をつける)

サムソン「羨ましい限りの才能だな」ふん

ファビオ「大陸をそんな穢れ無き少女が華麗に狩りに舞うんだ。その姿はまさに大陸市民の救世主(メサイア)、そのものってわけだったのさ」フカァ~もくもく煙

サムソン「ギルドでの彼女の待遇はどうだったのだ?」

ファビオ「オクサーヌ様様よ。ギルドの知名度、好感度、信頼度を大陸中に拡散するには、これとないプロパガンダ、つまりイメージガールだったわけよ。それだけじゃなくギルドはオクサーヌの意見を元に、彼女専用の武具も製造していたらしい。戦乙女がもたらすのは人型の平和だけにあらず、ギルドの革新的な勢力拡大、成長にも貢献したというわけさ」ふぅ~

サムソン「天才少女の前置きはもう良い。真相を話せ」クイッ(ショットグラスを持ちテキーラを要求する)

ファビオ「やだねぇ~ふん若い世代の才能に対する年寄りの嫉妬と理解力の欠落。これほど悲しくて愚かな感情と障害は他にはねぇよ。ほらよ」ダンッドキッ(新しいショットグラスを叩きつける)

サムソン「ふん。私だって若い時はそれなりにハンターとしてだな・・」カッ(グラスを手に取る)

ファビオ「オクサーヌの話し!!」

サムソン「んごっびっくり」ゴクリ(変な飲み方してしまう)

ファビオ「セニョール同様、世間のハンターの妬み、嫉みなんぞオクサーヌは一切気にもとめず、純真に狩猟を愉しみ、大陸自然と分かち合った」

サムソン「ゴホゴホッ・・殊勝なことだ」

ファビオ「そんな折、少女は重大な古代文献の存在を知り、次第に心惹かれていく・・・それが「まぼろしの書」だ」

サムソン「・・まぼろしの書といえば、「終焉の書」「伝説の書」「古龍の書」三編から成る史書のことだな?」

ファビオ「そうだ。そしてその三編を解読したのが他でもないオクサーヌ・ヴァレノフなんだよ。更にはそれをまとめあげ、ひとつの文献にしたものがかの有名な「祖龍の書」ってわけさ」

サムソン「なんと・・しかしよくギルドや王立書士隊よりも早く解読したものだな・・」

ファビオ「その答えは簡単さ。オクサーヌは竜人族の血を引く人型とのハーフだからさ。現在大陸で出回ってるまぼろしの書はみんなレプリカ、つまり複製品だよ。オクサーヌがまとめたオリジナルのな」

サムソン「なんとも、文化向上にも貢献したというのか。そうなるとますますその少女がなぜギルドに背くことになったのか気になるな」

ファビオ「オクサーヌは3つの書を読み解くことで、ひとつの結論を見出した。それはフォンロンの塔に姿を現すという白い龍の存在についてだ」

サムソン「白き龍・・・まさか、祖龍か!?」

ファビオ「いい食いつきっぷりだぜ?セニョール。年をとっても情熱だけは忘れちゃいけねぇ。そう、大陸の始祖とも云う、祖龍に惹かれてしまった穢れ無き少女の様にな・・」

サムソン「ではオクサーヌは・・」

ファビオ「そう・・オクサーヌはまるで予言に導かれるかの様に、旧大陸とギルドに別れを告げ、フォンロンへと姿を消した・・これがオクサーヌが古塔に行った動機と理由だ」


ジリジリジリジリ・・太陽


ファビオ「また気温が上がりやがったな・・汗」ぱたぱた(手で扇ぐ)

サムソン「ギルドを離れたことに関しては、本部は何も口出さなかったのか?」

ファビオ「ドンドルマ本部は、オクサーヌがまぼろしの書に興味を持ちだしたあたりから、ナイトに監視させていたそうだ」

サムソン「監視・・なぜそこまでする?ギルドだって祖龍の実存証明を求めていただろうに」

ファビオ「殺すためにな」

サムソン「・・・・・・・・・」

ファビオ「ギルドの宿敵は今も昔も邪龍一点にある。大陸を支配する為にな。まったく、人型ってのは竜大戦時代から何も学んじゃいねぇんだよ。特にギルドの連中の支配欲ときたら底抜けなのさ」

サムソン「つまりギルドはオクサーヌを使って祖龍の所在を明らかにした・・あわよくばオクサーヌに祖龍を討伐させる為に・・」

ファビオ「すべての龍族の始祖である祖龍・・ミラルーツを倒すことが出来れば大陸を支配したも当然。それ以下の邪龍及び古龍討伐の知識や戦術といった足かせにもなる。ギルドにしてみればシナリオ通りだったのさ。だが、ここで問題が生じた」

サムソン「なにが起きた?」

ファビオ「オクサーヌ追跡を命じていたナイトが古塔で返り討ちにあったのさ。もちろんそんなこと、「とっくに」承知だったオクサーヌの手によってな」

サムソン「・・・・・。なぜ手を下したのだ?」

ファビオ「自分と共にいた祖龍の姿を、そのナイトに目撃されたからだろう」

サムソン「・・・・・・・」

ファビオ「命からがら古塔よりドンドルマに逃げ帰ったナイトの証言は次のようだ・・・「オクサーヌ・ヴァレノフがギルドに対し謀反を起こした。オクサーヌは白の支配下に加わった」とな・・」

サムソン「白の支配下・・・?」

ファビオ「祖龍の手に降った、という隠喩さ」

ポロ・・(火がついたままのタバコの灰が静かに物音を立て落ちる)

サムソン「なぜそう断言出来るのだ?」ぽすっふん(落ちた灰をすかさず掌に乗せる)

ファビオ「オクサーヌ自身が口にしたそうだ。自分の意志は祖龍と共にあるが故、ギルドに帰ることは出来ない・・とな。古塔の最上階でそう語る少女の背後には、深淵の紅い目をした巨大な白い龍が浮いていたそうだ・・まるで我が子を守る親の様にな」

サムソン「・・・・・・・・」サッサッ(手についた灰を落とす)

ファビオ「それを裏付けるかのように、オクサーヌの右目もまた、祖龍と同じ深淵の紅い色に染まっていたらしい。いわゆるオッドアイってやつだ」

サムソン「・・・・・(間違いない・・・我々が永久凍土で出会ったあの少女だ・・)」

ファビオ「おそらく・・」

サムソン「ん・・・・?」

ファビオ「オクサーヌは祖龍に選ばれたのさ」

サムソン「・・・・・・・・・」

ファビオ「龍使徒・・ドラゴンラスールにな」


ジリジリジリジリ・・・・・太陽


サムソン「・・かつて大陸中を滅亡へ誘った、竜大戦時代の産物・・と聞いているが?」

ファビオ「龍使徒・・・人間が竜種に働く無礼に対する、龍の憤りと罰の擬人化が龍使徒であり、その目的はパニッシュ・・・龍属性の適合率が最も高い者しか成れない龍人・・それが龍使徒(ドラゴンラスール)だ」

サムソン「オクサーヌはその始祖である、ミラルーツの意志の下・・ギルドに背く決心をしたと?」

ファビオ「そういうことだ。そしてそれを知ったギルドはオクサーヌを正式に反逆者とみなし、古塔にギルドナイツを総動員させ、フォンロンのラグナロクが勃発した・・・っていうのが、オクサーヌがギルドと完全離別した理由だ」スウ・・(タバコを吸引する)


ちりちりちりちり火花(静かな店内にタバコが引火していく音だけが聴こえる)


サムソン「ラグナロクの結果は・・確かギルドナイツの全滅・・で終わったのだったな。そしてその「最強の反逆者」がこの新大陸の永久凍土に逃遁してきたと?おぬし、この話しを誰に聞いた?」

ファビオ「おっと。その経緯については別料金だ。それとここから先の話しはまだ時が熟していねぇ。ワリィがセニョール。今はここまでだ」すはぁ~(急に気の抜けた表情になるタバコをふかす)

サムソン「・・なるほど。まだそれを語る時世にあらず・・真実は時として寝かせておくのも重要というのか。ワインと同じ様にな」

ファビオ「ま、はえ~話しが俺自身も、確証には至ってねぇってのが事実だけどなふん

サムソン「まぁ良い。確かに興味深い話ではあったからな」

ファビオ「俺からの初夏の贈り物さ」パチン(ウィンクしてみせる)

サムソン「報酬ありきのくせして・・よう言うわ」

ファビオ「まぁそう言うなよ。確かなのは、オクサーヌはこの新大陸に実存するということ。そして・・」

サムソン「??」

ファビオ「真の祖龍もまた同じ・・ということだ」

サムソン「真の・・どういうことだ?」

ファビオ「バロンの仮説って聞いたことあるか?」

サムソン「いや・・知らぬ」

ファビオ「じゃあダメだ。この話も別途料金だ」ぷい

サムソン「・・・・・・なぜおぬしはそれを我ら(ユクモ薔薇十字)に聞かせる?」

ファビオ「因果だからさ」(まるでそれが当たり前であることかの様な顔でサムソンを見る)

サムソン「・・・・・・・・・・・」


ジリジリジリジリ・・・・太陽


サムソン「ほむ・・・いずれその答えも分かるということか。先が思いやられるわ」

ファビオ「今知っておくべきことは、その永久凍土に潜むオクサーヌを公にし、ギルドと再び戦わせようとしてる闇の組織がいるということだ」

サムソン「なに・・・?」

ファビオ「そいつらの名前はタラスクギルド。邪龍教徒から成る秘密結社だ。暗黒商会に出資もしているスポンサーのひとつで、その幹部には各大陸の重鎮がいるらしい」ジュッ(タバコを灰皿に押し付ける)

サムソン「なぜオクサーヌとギルドの抗争を求める?そのメリットはどこにあるというのだ?」

ファビオ「オクサーヌを反ギルド体制のパブリックエネミーに仕立て上げ、ギルドの目がそっちに傾いている間に、その裏で自分達の組織拡大を図る為だろう」

サムソン「反逆者オクサーヌ・ヴァレノフ率いるエヴァーウィンターナイツと、大陸の正義を象徴するギルドとの抗争劇か・・ほむ・・・」(顎鬚を触りながら考えこむ)

ファビオ「更にはそれを利用して新大陸中を抗争の渦に巻き込もうとしてる一匹の猫もいることを忘れんなよ?セニョールサムソン」

サムソン「やはりな・・ここでもニャン=ジュストの名が出てくるか・・」


カランコロンカラァ~ン♪
(店のドアが陽気に開く)


男性市民「よぉ~マスター!飲みに来てやったぜ!」(頭に日傘的な帽子を被っている)

男性市民そのニ「あちぃあちぃあせるこんな日にゃ、庶民の味方の達人ビールに限るってね」バサッ(日傘的な帽子を脱ぐ)

男性市民「ここ座るぞ。っと、早速達人ビール、大ジョッキで2つ頼むよ!!」ドサッ(椅子に腰掛け丸テーブルに両足をドッカと乗せる)

男性市民そのニ「ん?」ちら


サムソン「・・・・・・・・・」(カウンターテーブルに座るソル装備のベテランハンターが目に入る)


男性市民そのニ「あ~?ハンターさんかい。ご苦労さんだねぇ~。この熱いのにあんな鎧着てさ」

男性市民「クーラードリンクでも飲んでるんだろ?俺たちがそんな無駄遣いしたら、母ちゃんに怒られちまう」

男性市民そのニ「ガッハッハッハッハ!ちげねぇな!その金を渋って、こうしてビール飲んでんだからよ。だがそのやりくりも不況がくるまでのセコイやり口だ。金回りが今よりもやばくなったら禁酒宣言を家族の前でしなきゃいけねぇからな。つーわけでマスター!早くしてくれ~!初夏の日差しで焼けただれちまう寸前なんだ!ビールで水分補給ってね!」

男性市民「俺達一般市民はクーラードリンクより一杯のビールが必要なのさ。ガッハッハッハッハ!」


ファビオ「残念だがセニョールサムソン。今日の告白会はここまでの様だ」

サムソン「だな」

ファビオ「てめぇら達人ビールだぁ!?もっとたけぇ酒頼みやがれ!!」ザッ(というもののビールが入っている大樽サーバーの前に行く)

サムソン「ほむ・・。終焉の宴はまだここにあらず・・・か」ザシュッ(立ち上がる)

ファビオ「そういうことだ。そのままポエム続けて吟遊詩人にでもなったらどうだ?治安のいいここ(ロックラック)でなら少しは稼げるかもな。芸術を分かったフリした民主主義者のブルジョワ共が騙されて大金払うぜ、きっと」ジョババァ~~~あせる(木製大ジョッキに豪快にビールを注ぐ。もちろんこぼれてる)

サムソン「それはそうと・・石塚氏が喜んでおったぞ。おぬしからの誕生日プレゼントを受けてな」

ファビオ「いっ・・・・!!」ジョババババ~~~あせる(ビールがジョッキから溢れて吹き出す)

サムソン「なに。陽子からおぬしのことを聞いてな。ササユも気にかけておったぞ」ククッ

ファビオ「ヨッコのお喋りクソビッチめ・・中学の頃から何も変わっちゃいねぇ・・!」わなわなわな

サムソン「安心しろ。二人にはおぬしがここで「普通のマスター」をやっているとだけ言っておいた。あ、それともうひとつ、ササユからの伝言だ」

ファビオ「ああ・・?」ぴちょんぴちょん汗(背を向けたまま両手でビールがこぼれてるジョッキを持ちながら話を聞く)

サムソン「カーブーがいない間、アンジェリカという娘の墓に花を添えてくれて助かっている、と言っておったぞ」

ファビオ「・・・・・・・・・・・」ぴちょん・・ぴちょん・・・汗

サムソン「私やUBUはそのアンジェリカという娘を知らぬが、噂で聞くように誰からも愛された娘だったようだな。それほどの娘ならば、年頃の男子生徒が惚れてしまっても無理はあるまい・・・おっと。これだから年寄りはいかんな。つい経験でものを話したがる。では失敬するぞ」バッ

ファビオ「待て」(背を向けたまま静かに喋る)

サムソン「ん・・?」くる

ファビオ「俺からあんたら、クルセイダーズにクエストの依頼をしていいか?」くる(振り返ったその目は真剣そのものである)

サムソン「・・・・・。言うてみい」

ファビオ「灰色(アッシュグレー)のギルドナイト・・・そいつを見かけたら俺に教えてくれ」

サムソン「・・・・教えるだけでよいのか?」

ファビオ「まずはな。報酬は・・最高級のブレスワインだ」ザッザッザッザ(カウンターを出て、ジョッキをテーブルに届けに行く)

サムソン「ほむ・・・・覚えておくか」


ジリジリジリジリ・・・・太陽


ファビオ「それと帰りは帽子でも被って帰るんだな。クーラードリンクでも日除けまではしてくれないだろ?」ドンドキッ(客のテーブルに両手のジョッキを叩きつける)

男性市民「そうそう!砂漠でのぼせても知らねぇぞぉ~!騎士(ナイト)さんよ!」

男性市民そのニ「日除けの帽子でも買って帰りな!この時期の太陽の日差しもまた、初夏の贈り物ってね。ありがたく思うこった。陽が出ない暗い世界よりまだマシだろ?ロックラック人はポジティブに酒を飲むんだ。ってなわけでチア~ズ!!」ガシャーンぎくっ(乾杯する)


サムソン「ほむ・・・・そうするかの」



ジリジリジリジリ・・・・晴れ







~ユクモ村


$あたちのモンハン日記
ヨッコ「え~へぇ・・ずいぶんあっちくなったわね・・近頃・・」へえこら(よぼよぼな感じで村を歩く)


石塚「こんにちわ。陽子ちゃん」にこ(そのいつもの禿頭には帽子(野球帽タイプ)を被っている)

ヨッコ「あれ、石塚のおじいちゃん、こんにちわ・・って、どうしたの?その帽子、素敵ね♪」

石塚「初夏の贈り物です」すりすり(照れ笑いしながら帽子を触る)

ヨッコ「・・・ファビオか!へぇ~、あいつにしちゃセンスいいじゃない。っていうか、都市のショップの店員でもくどいで「いいやつ」教えて貰ったのよ、きっと。とっても似合ってるわよ、おじいちゃん♪」

石塚「ありがとうございます」すりすり

ヨッコ「しっかし、あいつ、なんでロックラックなのかしら。戻ってくればいいのに。ねぇ?」

石塚「きっと、あの子にはあの子なりの目標があるのです。あの子がこうして毎年、贈り物をしてきてくれるだけでその安否が分かりますし、それに・・とてもありがたいことです」にこ

ヨッコ「そっか・・・・そうだよね」にこ

石塚「はい」にこ

ヨッコ「ところでおじいちゃんどこまで行くの?あたし遅番だから、まだ時間あるの♪商店街にでも行ってお茶しない?アマンダで♪」

石塚「いい提案ですね。是非、ごちそうさせてもらいますよ」にこ

ヨッコ「やったぁ~♪行こう行こう」むんずはぁ(半ば強引に腕を組む)

石塚「ええ」ちら(空を見上げる)


じりじりじりじり・・晴れ


ヨッコ「陽が強くて参っちゃうよねぇ~あせるロージーが垂皮油で調合してくれた美肌オイル、塗ってきて良かったわ」へえこら

石塚「砂漠はもっと熱いでしょうね」

ヨッコ「砂漠・・?そっか。ロックラックはもっと熱いだろうね。ファビオのやつ溶けてるかも♪」

石塚「ふふふふ。きっと・・きっと元気にやってますよ」

ヨッコ「そうね」(空を見上げる)


カッ晴れ(眩しい日差しを背に村の階段を上がってくる、シルバーソル装備を着たハンターの姿が熱気で揺れながら見えてくる)


ヨッコ「ねぇ、あれサムソンさんじゃない?どっかから帰ってきたんだ。お~い♪」ふりふり


サムソン「・・・・・・・・」(遠くから村の階段をゆっくり登ってくるサムソン。その頭には巨大なノンラー(円錐状の日除け帽子)を被っている)


石塚「おや・・ずいぶん大きい帽子ですね」

ヨッコ「あはははは。なにあれ。おじいちゃんの帽子の方がよっぽどいかしてるわね♪」

石塚「ほほほほ。そういうことにしておきましょうか。ね」にこ


村の広場で合流する三人。陽子はサムソンの帽子を下から覗いたりして何か問いかけているが、サムソンはその声の大きさからか、両耳を閉じている。それを微笑ましく眺める、イカした帽子を被った老人。新大陸の空は初夏の晴天そのものである。



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初夏の贈り物/完










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はいそんなわけで次回の「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事はぁ~

6/24(火) 0時更新 「たぶんMHP2Gのなんか」

をお送り致しますぽけ~オタノチミニaya






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