~あたちファーム(肉焼き器のメンテナンスは第二木曜日に実施)
ちゅんちゅん(ほのぼの陽気の中、ピクニックシートを広げ募る女子四人(ひとりは幼女猫)。皆、手に紙皿を持っており、その上に乗ってるあつあつの激アツキノコを食している)
チェルシー「あっちぃにょだ」ふうふう
(猫舌。それを隣で見てほくそ笑むパノ)
アルル「とっても美味しいです。UBUさんはお料理上手なのですね」はむはむ(激アツキノコを慎ましく箸で食べてる)
UBU「うひょ~ホッホッホッホ!!もっと下々に聞こえる様に言ってやるべきでしょ」あ~ん(キノコを丸呑みする)
パノ「ほんとに。美味極まりないです」がじっ(見るからに丈夫そうな歯で食いちぎる)
UBU「うけけけけけけけけけけ!!もっと褒めるべきでしょう。ねぇ、ところでパノさんって、ぶっても痛くないんでしょ?」あむあむ(キノコを喰らいながら問う)
パノ「誤解招きます。その質問」あむあむ(上手に両手でキノコを持って食べてる)
アルル「なんでもテロリストの銃弾を受けても平気であったとお聞きしました」はむはむ(慎ましくキノコを食す)
チェルシー「しょうなにょだ。あの時は本当にパノおねえちゃまが死んぢゃったかと思ったにょだ」ふうふう(全然冷めない)
パノ「ええ。まぁ」あむあむ(無関心な顔してキノコをかじってる)
バルバラ「先天性無痛無汗症の一種だと、同じ島に住む竜人族の方が仰っていました」
パノ「突然変異です。先天でなくて」ぶち~ん(頑丈な歯でキノコを食いちぎった)
UBU「サムソンのおっさんから聞いたよ。あんたの体内にはゼルベっちゃんの血が流れてて、そのおかげで驚異的な肉体になったんだろうって。いいなぁ・・古龍の点滴・・」(またいけない欲望を口にした)
チェルシー「姫姉ちゃまはこれ以上元気になったら困るにょだ」おほほほ(と笑う他の一同)
UBU「知的生命体種の古龍の血・・・・これから争奪戦になるのか否か・・・すべてはギルド次第ね」ぼそ
パノ「??」ぱちくり
UBU「それより本当にぶっても痛くないの?」
パノ「嫌です。何にもしてないのにぶたれるのは」ぷんすか
チェルシー「でもあたちがぎゅうって太ももを肉球でつねった時や、肉球でおもいっきり頭をぶった時は痛いって言ったにょ」(あんたそんなことしたの的な顔で我がオトモを見下ろすUBU)
パノ「衝撃はあります。骨伝導」あむあむあむあむ
アルル「振動が嫌なのですね」
バルバラ「それと私生活にもいろいろ問題があるのですよね、パノ」
チェルシー「ほにょ?どういうことにょ」
パノ「痛くないから・・・痛くないからあれやこれやの所作をする時の加減を調整するのが・・大変なんです」(突然さも被害者っぽく語りだす)
チェルシー「でも怪我してもすぐ治るからいいにょだ。こにょ」むに~(指でパノの顔面をむに~っとする)
UBU「無痛&神速の回復速度かぁ・・・やっぱり羨ましい~!!」むき~
パノ「いいものじゃないです。そんなに」
UBU「謙虚の姿勢!!この!!」がじっ(パノの頭かじった。慌てて飛ぶバルバラ)
アルル「あ」(その光景にびっくりする常識人)
パノ「あ~いたいいたい」フフ(頭かじられながら実にいやみったらしい顔でほくそ笑む)
アルル「あわわわわわ」(普通の人のリアクションはこれ)
バルバラ「UBUさん、休憩時間はまだよろしくって?」ひらり(チェルシーの頭に止まる)
UBU「あ」がぽん(頭かじるのやめる。よだれがついて実に嫌そうな顔するパノ)
アルル「私も後で拝見します。釜飯というのも食べてみたいです♪」
UBU「そっか。普通のお姫様暮らしじゃ、釜飯なんて食べないか。それが当たり前よね」
パノ「む。どういう意味です?普通のって」
UBU「む。なんでもないわよ」ぷい
パノ「むむ。なんです?はぐらかして。あからさまに」じー
UBU「むむ。嘘よ」ぷい
パノ「むむむ。それじゃまるで普通じゃないお姫様暮らしをUBUさんが知ってる様な言い分ですが」じじー(顔面をUBUの横っ面ぎりっぎりに接近させる)
UBU「むむむ。なによ急に早口で。知らないわよ、そんなの」ぷいぷい
パノ「むむむむむ」
UBU「むむむむむ」
チェルシー「ほにょ・・・」(口を開けて変な大人の女性二人を見上げてる)
アルル「あ、あの、いつまでお店で働くよう村長様に言われたのですか?」
UBU「うち(クルセイダーズ)のみんなが村に帰ってくるまで。ほら、あんなことがあって間もないでしょ?あたちがいるだけでも村人が安心するから、しばらく大人しくしてろって。サムソンのじじいまで都合よく同意しやがってさ。村が占拠された時、てめぇが役に立てなかったから、あたちにあてつけようとしてるのよ。なにさっての!!」あ~ん(残りのキノコを丸呑みした)
アルル「ヨッコも感謝していました。UBUさんはいないのに村を救う手立てをしてくれたと」にこ
UBU「あたちはなんにもしてないわよ。村のみんなの勇気と忍耐力、それに寛容力と結束力の賜物よ」
バルバラ「他の皆様は何処に?」
UBU「水没林。解放戦争があったのは記憶に新しいでしょ?」
アルル「はい。ニャンゴラ解放戦争ですよね」
UBU「そっ。戦争の元凶となった、今はフェイリンメイリン共和国と称している猫族の軍隊とちょっと因果があってね・・・うちの子達は必死になってそいつらの侵攻を食い止めようと、もうずいぶん長いこと水没林に行ったままなの」
アルル「解放戦争は終わったのでは?」
UBU「終わっても尚、そいつらの侵攻は止まらない。それどころか各地で反勢力同士による戦いを引き起こし、その隙に水没林を我が領内にしようと目論んでいる悪い猫がいるのよ。うちの子達はそいつが仕掛ける虐殺から、水没林に土着する先住民や獣人族を匿ってるの。陣取った場所から後方に最後の集落があってね。そこに戦争被害者の多くが在住してるわ」
アルル「最後の・・・フェイリンメイリン国の軍勢はそれほどまでに脅威的なのですね・・」
UBU「解放戦争の時に砂漠の艦隊も参戦したからね。水没林のなんの罪もない獣人種を殺めて、あたちをここ(ユクモ)から引っ張りだそうとしたのよ」
パノ「なぜして?ですか」
UBU「簡単。砂漠のヴィランに貸しを作ったから♪」
パノ「報復。ですか」なでなで(ちょっとこわそうな話を聞いて怖じけてるチェルシーの頭を撫でてやる)
UBU「ユクモを襲ったのはそれとは関係ないみたいだけど、一部の兵隊はそれもあったみたいね。今回は無事に終わったから良かったけど・・・今度ユクモに手を出したら絶対に許さない」(その顔に揺らぎはない)
アルル「・・・・・・(やはりこの方の原動力となっているのは強い信念と決意・・・私も見習わなくては)」きゅむ(胸のアミュレットを強く握りしめる。その決意の表れを見逃さないパノのいやらしい視線)
バルバラ「では現地の方々を守る為に、クルセイダーズの皆様は水没林に駐屯しているのですね」
UBU「んだ」こくっり(こんな大事なところでふざけた返答をして強く頷くUBUを蔑む様な目で見るパノとチェルシー)
アルル「UBUさんとは別にもう一方、行方不明者がいると・・ちょうどUBUさんが帰ってくる直前です。この農場で龍之さん達から聞きました」
UBU「みたいだね。鉄平にも会って話すことがあったんだけど・・あたちとすれ違いだったみたいだね」
アルル「なんでも龍之さんの婚約者の方がフェイリンメイリン国にいたと・・」
UBU「フラワーさんを猛豚君のお嫁さんにっていうんでしょ?馬鹿みたい。きっと理由があるはずよ」
チェルシー「鉄平おにいちゃま・・・かわいしょうなにょだ」しょんげり
UBU「大丈夫。鉄平なら必ず花嫁を救出して帰ってくる。ゼルベっちゃんみたいにね♪」きゅむっ(チェルシーの猫手を優しく握ってやる)
パノ「??」
アルル「心配ではないのですか?」
UBU「心配。だけど信じてる」にこ
アルル「・・・・・・・・・」
UBU「だからみんなが帰ってくるまで、あたちと一緒に耐えてみせて。アルル・ミール姫」
アルル「はい。あなたとお会いしてひとつ確かになったのは、このユクモに支援を求めにきたのは決して間違いではなかったということです」にこ
UBU「全員揃ったら火の国に直行、一緒に暗黒団を追い出しましょう」にこ(手を差し出す)
アルル「はい!」ぎゅっ(それを両手で包み込む)
パノ「戻るといいですね。早く皆様が」
UBU「それに関してはあたちも自信があるのよ」フッフッフッフ(鼻がヒクヒクいってる)
パノ「なんです?その裏付けとは」
UBU「水没林には帝国軍も出撃してるのよ?フェイリンメイリン国から出撃したいけない部隊を、クルセイダーズと帝国軍で挟み討ちの構図ってわけ。そうねぇ・・あたちの予想なら・・・そろそろ落ち着く頃じゃないかなぁ~」(空を見上げて答える)
アルル「分かるのですか?」
UBU「なんとなくね」(嬉しそうに空を見上げ、顔面で降り注ぐ日光を気持ちよさそうに浴びている。その横で主人の真似をして空を見上げるチェルシー)
アルル「戦乙女というのはあなたの様な方をいうのでしょうか。だから種を問わずして、皆、あなたを慕ってくるのでしょう」
UBU「そうでもないよ。こと古龍に関しては、みんな凍土だもん」
パノ「??」
UBU「はぁ~あ。本当なら今ごろ、ラインハルト公と今後のあれやこれやをお話する会合を開く予定だったんだけどなぁ・・・あたちの不都合でドタキャンになっちゃった」
アルル「フィランソロピーで有名なローゼンクロイツ一族・・・出来ればラインハルト公にもお会いして火の国を救って頂きたいものですが・・・懇願ばかりではダメですね」
UBU「それもそうでもないよ」
アルル「と仰ると?」ぱちくり
UBU「本当ならうちにいる「はず」なのよ」(空を見上げながら呟く)
アルル「??」
UBU「そのローゼンクロイツの押しかけ妹と、そのバカ兄貴ってのが」
「こんな所でサボってやがったかぁ~!!」
UBU「ゲッ!この声はわんかた!!」バッ(声のする方を見る)
・・・・・・・・・・・・・・・
(農場に繋がる架け橋の上には、板前の格好をした椀方と、その隣にはユクモにしっくりと馴染む芸妓さんの姿が)
チェルシー「ほにょ?舞妓さんにょ♪」
アルル「観光客の方でしょうか・・・それにしても美しい方ですね」
UBU「椀方の野郎め・・・てめぇこそなに美人連れ込ましてほっつき歩いてんだ!!おめぇみてぇな紀元前から生涯労働階級者に、舞妓遊びなんざ1億8000万年はえ~んだよ!!」(実に口の悪いUBUを怪訝な顔して見るパノとチェルシー)
椀方「うるせえ!!この芸妓さんがお前を訪ねて店にいらしてくれたから一緒に探してたんだ!!そうですよね、一条青さん」にやにや(実にいやらしい顔で隣の芸妓を見る)
UBU「ほえ・・・いちじょうせい・・・」
雪左「はじめまして。UBUはん♪あちきなんかは一条青雪左と申します♪」にこ
UBU「ほえ」
ひゅううううう・・・・・ぴた
(突然、心地よく吹いていた風が止み、大気が一瞬にして張り詰める)
バルバラ「あら・・風が・・・・」
UBU「!!」バッ(辺りを見回す)
パノ「なんです?」
UBU「この感覚・・・・あの時同じ・・!!」(UBUの顔に戦慄が走る)
チェルシー「姫・・姉ちゃま・・?」
ドガァーーーーーーーン!!
(突如、激しい衝撃が大陸の底より突き上がってくる)
「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
(激しい大地の怒号がユクモ村を震撼させる)
UBU「みんな伏せろぉおおおおおおお!!!!」ガバッ(同時にチェルシーの上に覆いかぶさる)
チェルシー「みゃあああああああああ!!」だきっ
パノ「おおおおおおおおお」ゴゴゴゴゴゴ!!(正座のまま大地の振動により激しく揺さぶられるその背後では、巨大な御神木さえも揺れ動いている)
アルル「くっ・・!(これは・・今までの震度とは桁が違う・・!!)」ゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
(木皿の上のキノコは激しい振動によりこぼれ落ち、シートの上で転がりまわっている)
雪左「いやぁ~~~~なんどすのぉ~~~~~!?」ガガガガガガガガガ(波打つ橋の上で腰を抜かす。その隣では椀方が顎から転げ落ちる)
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
チェルシー「姫姉ちゃまぁあああああああああ!!」
UBU「・・・・・・・・・・・・」だきっ(全身で包むように強く抱きしめている)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
(轟震の爆音の中、村の方から村人の悲鳴が微かに聞こえてくる)
チェルシー「うわぁああああああああああん!!!!」
UBU「大丈夫・・・大丈夫よ・・ほら・・」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・!!
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・!
チェルシー「・・・・・・・・」しくしく
UBU「もういったみたい」
ゴゴゴ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
ひゅうううううう・・・・・
バルバラ「風が戻ってきました。もう大丈夫かと」
パノ「今のは少しだけ。びっくしでした・・」へなん(肩の力が抜けシートの上でへたりこむ)
アルル「皆さん、平気ですか?」
UBU「ええ。もうこわくないよ、チェルシーちゃん」ぽん(頭に手を置く)
チェルシー「みゅうううううう」しくしく(涙を拭う)
ふるふる・・ふるふる・・・
(頭の上で何かが振るえているのに気づくチェルシー)
チェルシー「??」
ふるふる・・ふるふる・・・
(小刻みに震えているUBUの手)
チェルシー「・・・・・・(こわいんだ・・姫姉ちゃまも・・)」
あんぎゃああああああああ・・・・・・・・・・
(集会浴場から例の受付嬢の阿鼻驚嘆が今頃、村中にこだまする)
アルル「集会浴場・・ヨッコ、大丈夫でしょうか!?お店のものが落ちてきたりして、頭を強打なんて・・・私、ちょっと行ってきます!!」
びゅうううううううううん
(ものすごい勢いで爆走していく。道中、橋の上でへたり込んでいる雪左達に会釈して農場を「アウト」していく)
パノ「優しいですね。お姫様は」
UBU「ヨッコなら平気よ。だってお店のもの売れないの分かってるから最近並べてないもの」
チェルシー「・・・・・・・」ぎゅっ(UBUの撫子服の袖を掴む)
UBU「うん。早く火山に行かなきゃダメみたいだね」(遠くを見つめる)
パノ「・・・・・・・」こくり(強く頷く)
UBU「その前に、まずはあっちの要件を聞きましょうか」ちら
・・・・・・・・・・・・・・・
(着物をはらい立ち上がる雪左。横ではまだ椀方がうつ伏せで倒れている)
UBU「偶然、或いは必然のエンカウンターなのかなんなのか・・う~ん」(腕を組む)
トンコ「UBUにゃ~ん!!大変ニャ~!!」すてててててて(慌てて農場に「イン」してくる)
むんぎゅう(椀方を踏んでいく。悲鳴をあげる謎の角刈り板前)
チェルシー「トンコおねえちゃまにょ・・」
トンコ「大変ニャニャ~~!!」すてててててて(両手を上にあがて走ってくる)
UBU「落ち着いて、トンコさん」
トンコ「ひいひい・・ふうふう・・」(一同の前で息を切らしている)
UBU「今の地震で、なにかあった?」
トンコ「いや、村は無事ニャ」はぁ・・はぁ・・
UBU「じゃあ何を慌ててるの?どっかの家が倒壊したとか。なんてね」おほほほほほ
トンコ「正解ニャ」はぁ・・はぁ・・
UBU「え・・どこのお家?」
トンコ「うちニャ」
UBU「・・・・。それって?」
トンコ「あたちハウス」
UBU「」(一気に三落ち)
チェルシー「まだまだ火の国には行けなさそうなにょだ」(横ですんごい頷くパノ)
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事は!!
4/14(火)0時更新 MHのおゆるい情報とかでしょう
をお送り致します♪寒い!急に!バカ春は一体何処へやらぁ~
そんだこんだで次回も読もう
あったかいもんに丸まって
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「偶然、或いは必然のエンカウンターなのかなんなのか・・」の巻
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