Quantcast
Channel: あたちのモンハン日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2669

Recollection No.1_04

$
0
0


~西シュレイド王国、王都ヴェルド「外街」...

♪~~~~~~~~~~
(一人称視点。粗末な作りの木造ロッジ型の大衆酒場内、撥弦楽器が奏でる民族音楽のような音色が快活な喧噪とミックスし、実に居心地の良いアンビエントサウンドとなって店内を反響する中、視点の主はおそらく穴が空いた天井から差しているのであろう「月明かりのスポット」を受けるこ汚い簡素なウッドテーブルを見下ろしながら、無駄に溢れるほど注がれた木製ジョッキの縁をほっそりとしたきれいな指で撫でている)


かんぱぁ~~~~~~い♪
(視線はそのままに周囲の雑談のひとつに音の周波数が絞られる)


「ぷはぁ~~~。仕事終わりの一杯はたまんねぇな~」

「無事に配達が終わって良かったですね。でも本音を言えば、「中」で一杯やりたかったなぁ・・」

「バカ言え。王都の高級レストランが、俺たちみたいな汗臭い無産階級を入れてくれるわけねぇだろ。お前はまだ「アプトノス・デリバリー」に入って間もないからな。王都の連中からしてみれば、俺たちはただの道具しか過ぎないのさ。愛想良く振る舞ってはいるが、慇懃無礼。心の中じゃ、「早く自分たちの聖域から出て行け」って、みんな思ってるに違いねぇ」グビッ

「俺たちのおかげで危険なフィールドに一切出ることなく、物資を補給出来てるくせに・・。王都の中で「ブルジョワジーな」坊っちゃんに聞かれましたよ。「リオレウスってほんとにいるの?」だって。「アルコリスに連れてって置き去りにしてやろうか!?一晩もしないうちに肉食獣に喰われちまうだろうよ!!」って、「心の中」で叫びましたけど・・」ゴクゴクゴク・・

「城塞都市は伊達じゃねぇってことだ。城壁を見たろ?カタパルト (投石機)にオナガー (投石機)、おまけにバリスタ(大型弩砲)、トレビュシェット(改良型投石機)ときたもんだ。攻城用兵器に「中の連中」は守られながら、世間知らずの高枕で今夜も極上の夢を見るのさ」ゴキュゴキュゴキュ!!(やりきれない気持ちで一気にビールを飲み干しているようだ)

「だからなんですね?このスラムにアプトノスを預けてから、中に入るのって。王都の住民を刺激しないように」

「幸せな連中だよ。ま、俺たちとしても大事な「仕事仲間」を物珍しい目で見やがる連中から守ってやれるんだ。ちょうどいい条件には違いないし、王都の高慢ちきな衛兵より、ここ(スラム)の連中のほうがよっぽど信頼できる。決して暮らしのレベルは高くないが、みんな必死に働いているからな。親近感があるってもんよ」ゴクゴクゴク・・

「しっかし噂以上に巨大なスラムだったんでびっくりしましたよ」

「キングスラムウォール。城塞都市の北門、南門、東門、西門を隔て、4ブロックに別れて外壁を囲うようにバラックをはじめとする仮設建造物が密集した珍しい形のスラム街だ。観光客の間じゃ、一度入ったら出られない迷宮とも言われている。王都の連中は「外街」なんて呼んでやがるけどな」

「俺は好きっすよ。一見、混沌にして雑多に見える「ごちゃ混ぜ」な外観も、言い方を変えればアイデンティティーを持たない多様化な文化景観として楽しめますからね。サブカル的なお土産もたくさん買っちゃいました♪」

「お前・・確か、ワイバーンカレッジ・アルコリスを目指してたって言ってたよな?」

「ははは。結局、合格は出来ませんでしたけど。俺はこの大衆酒場で先輩と酒を飲むのが好きですよ」

「こいつめ。それくらいじゃ奢らんぞ」ししししし


カティ~~~んドキッ(改めて乾杯を交わしたようだ)


「あ~うまい。あ、そうだ。ヴェルドにはモンスターハンターもいないんすよね?」

「ああ。鉄壁の守備のおかげもあるが、もともとこの地方にはモンスターが徘徊してること自体が滅多にないからな・・。ハンターはいないが、アカデミーに出入りする学者たちの中には、ハンター同等の知識と技量を持つ「現場主義」の連中もいるみたいだぜ」

「ワイバーンカレッジを目指した人間から見れば、羨ましい限りの才能っすよ。ロイヤルアカデミーを構成しているメンバーの多くは文武両道のハンターですもんね。それにしてもカッコよかったなぁ~・・・。先輩も見たでしょ?颯爽とアカデミーに出入りする書士隊のメンバーを」

「書士隊?」

「やだな。王立古生物書士隊ですよ」

「って、なんだっけか」

「んもぉ~~。西シュレイド王国の頭脳ともいえる王立学術院に所属している王国書士官の管轄の下、大陸各地の情報を集めるハンターで構成されているエリート集団っすよ。ジョン・アーサーの名前くらい知ってるでしょ?」

「ん・・ああ、あれな。すごいってな」ゴクゴクゴク・・

「知らないくせに・・。じゃあ、あれは知ってます?ドンドルマに拠点を置く竜人族を中心にした組織の名前」

「古龍観測隊。バカにすんじゃねぇ~よ。あそこの連中はひっきりなしに大陸中を駆け回っているからな。物資補給の注文を受けることも多いから、ちゃんとお得意さんとして覚えているさ。バロンの爺さん、元気してっかなぁ~」

「え!?バロンって、オズワルド・バロンのことっすか!?」

「ん。確かそんな名前だったな」

「すごいじゃないですか!アルコリスの学生ギルドのメンバー内では神的存在の人なんですよ!?今度、紹介してくださいね♪」

「学がなくて悪かったな。ドンドルマっていえばよ、最近、ゴールドラッシュで注目されてるみたいじゃないか。いっそ炭鉱夫にでもなって一山当てるのも悪くないかもな」ガッハッハッハッハッ

「その前にクック先生にかじられてオシマイっすけどね」ぼそっ

「もうお前には絶対に奢ってやらんからな!!」あはははははは


「フフ・・ガルルガかも」タンタンタンタン・・(視点の主がテーブルを指で叩きながら軽く微笑の小言を漏らす)


「それにしてもシュレイド地方もようやく落ち着いてきたな」(引き続き、先程の運輸業と思しき「先輩の方」が語りだす)

「みたいっすね。例の災厄があった頃、自分はまだガキでしたが、村の大人たちが行商人からの話を聞いて大騒ぎしてたのだけは覚えていますよ」

「俺も直接、被害に遭ったわけじゃないが、あの時は本当に大変だったよ・・。今のお前と同じでこの仕事に就いたばかりでな。シュレイド城が一夜にして崩壊したって聞いた時は自分の耳を疑ったが、すぐにシュレイドに物資補給をしてやろう!って、みんな一丸となって動いたよ」

「避難民の救助に行ったんですね?」

「そのつもりだった」

「え・・?」

「だが、俺たちがシュレイド城に到着した頃には、すでに城は跡形もない廃墟と化していて、城の周囲にあった街はすべて焼け野原になっていたんだ・・。結局、俺たちは生き残った人間を見つけるどころか、遺体すら見つけられないほど、城を中心とした本土領内が「焼かれてしまっていた」ことを実感しただけだった・・」

「そんなに酷い状況だったのか・・・」

「他にも救助に来ていたボランティアの狩猟団も数多くいたが、誰一人して、焼け野原の残骸から人骨すら見つけることが出来なかった。今度は目を疑ったよ。一体ここで何があったんだってな・・」ゴクッ・・(自分を落ち着かせるように静かに酒を飲む音が聞こえる)


「その者の名は 避けられぬ死」フフ・・(視点の主が誰にも聞こえないくらいの声で呟く)


「想像以上の災厄だったんですね・・・というより、モンスター被害というべきか・・」

「モンスターなんてもんじゃねぇよ。あれは悪魔の仕業だよ」ゴトン(力強くジョッキをテーブルに叩きつける音がする)

「・・・・・・。シュレイドが東西に別れた理由が、今はっきりと分かりましたよ」

「もともと国王が広くなった国土を効率よく治めるために、中央にあたるシュレイド城を堺に東西に分け、それぞれの地に適した都市開発を進めると同時に軍備の増強も図っていたのが功を奏したのさ」

「そしてシュレイド城を中心に災厄を受け、中央集権が解体された・・・」

「ああ。暴君と一緒に独裁政権とその恐怖政治も消えたのさ。それに関しては大陸全土のみんなも胸を撫で下ろしているだろうさ。災厄の被害が及ばなかったシュレイド東西の将校や大臣たちは、王国滅亡後も都市計画を進め、東西各地の領主が国王として領地を治めることで落ち着き、今の東シュレイド王国、西シュレイド王国を建設したってわけさ」

「聞いた話だと、東シュレイドでは先の中央政権体制の悪政から君主制国家を廃止する運動が行われているらしいですね」

「デーモン・ロザリー様様だよ」


ぴくっ・・(視点の主が一瞬、その言葉に反応したかのように目を細める)


「竜人狩りか・・・凄惨な時代だったんでしょうね・・」

「死んであたり前の暴君だよ。災厄を受け、新たなにシュレイドはスタートした。亡くなった何の罪もない竜人、そして災厄を受けた人々に・・・」カティ~~~ん


「その者の名は 宿命の戦い」フフ・・







Recollection No.1_04







「これはこれはジーナ殿」


スッ・・(視点を声の方に向けると、そこには頭にターバンを巻いた商人のような格好をした猫型獣人が「ふわふわのお手」で揉み手をしながら立っている)


「相席よろしいですかニャ?」

ジーナ「どうぞ」


カタン・・(目の前の席に「よっこらと」登るように座る商人猫)


ジーナ「何か頼まれます?もちろん、代金はこちらで」(目の前の商人猫が目をまあるくして嬉しそうな顔を浮かべて会釈する。もちろん猫背で)

商人猫「すみませんニャ!生一つと・・・」ちら・・(もうひとついいですかニャ的な顔でこちらをちら見してくる)

ジーナ「どうぞ」

商人猫「ガッツチャーハン一人前!!すみませんニャ。なにせスラムの住民はみんな腹ペコニャもんであせる」へこへこ

ジーナ「お構いなく」フフ

商人猫「それでは早速、ビジネスの話をば・・・」



♪~~~~~~~~~~
(撥弦楽器の音が爽快に弾けると一緒に店内の活気も増していく。ジーナが流し目で隣のテーブルを見ると、先程まで会話をしていた運輸業の二人は既に席を立った後のようで、テーブルの上には空になった木製ジョッキが2つ置かれている)



To Be Continued







★次回ストーリーモードは12/24(月)0時更新予定です★






Viewing all articles
Browse latest Browse all 2669

Trending Articles